artscapeレビュー
冬耳 展「ミドリの光、アイイロの森」
2014年06月01日号
会期:2014/05/09~2014/05/21
gallery near[京都府]
絵具を原色で用い、輪郭線のない色面だけで構成されたカラフルな絵画を制作する冬耳。その絵は一見ポップで、グラフィティー風でもあるが、真のテーマは自然や生命など根源的なものだ。また近年は、日本人の自然観に対する関心が増しているそうだ。地元京都では5年ぶりの個展となる本展では、横幅約5メートルの大作《ヘビの行進》をはじめとする約20点を展覧。それらのなかには激しい筆致やムラのある色面など、従来とは異なる要素が垣間見える作品が幾つかあり、彼が新たな段階に入ろうとしている気配が感じられた。
2014/05/13(火)(小吹隆文)