artscapeレビュー

FREE SOUND 解き放たれるオト展

2016年03月01日号

会期:2016/01/28~2016/04/10

グランフロント大阪北館 ナレッジキャピタル The Lab. みんなで世界一研究所2F[大阪府]

大阪のナレッジキャピタルとオーストリア・リンツのメディア・アート機関アルスエレクトロニカのコラボ企画第5弾。ベルリンを拠点に活動するサウンド・アートのパイオニア、クリスティーナ・キュビッシュの《Cloud》と、日本の若手、和田永の《時折織成──落下する記録──》の2作品を紹介している。キュビッシュの作品は約800メートルのケーブルを雲状に絡めた外見をしており、複数の場所で記録した電磁場の音を、特殊なヘッドフォンを装着して聞くことができる。和田の作品はオープンリールのテープデッキからゆっくりと落下するテープが重低音と共に美しい模様を描き、一定時間ごとにテープが逆回転を始めて音楽を奏でるというものだ。わずか2作品の展示だが、関西ではメディア・アートと接する機会が少ないこともあり、とても刺激的だった。ナレッジキャピタルでは科学と芸術をまたぐ企画を積極的に行なっており、その効果は近い将来にじわじわと現れるだろう。

2016/01/28(木)(小吹隆文)

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