artscapeレビュー

西野彩花個展「一齣」

2016年03月01日号

会期:2016/02/10~2016/02/23

DMO ARTS[大阪府]

玄関周りの植栽や積み重ねたガラクタなど、日常生活で出会った生活感あふれる情景(主に下町)をスナップ撮影し、キャンバス上でトリミングを施し、ソフトフォーカスで表現した西野彩花の絵画。モチーフや手法は必ずしも珍しくないが、余白の生キャンバスと描画部分の対比、夕景を思わせる黄色がかった色調、強調された陰影表現が効果的で、独自の絵画世界の構築に成功している。また、作品名に撮影場所の地名を入れているのも、効果的な演出と言える。他には玩具などの品々を組み合わせた静物画もあったが、現時点では風景画の方が圧倒的に良い。作家は昨年3月に美術大学を卒業したばかりの新鋭。今後の活躍が楽しみだ。

2016/02/12(金)(小吹隆文)

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