artscapeレビュー
グイド・ヴァン・デル・ウェルヴェ個展 killing time|無為の境地
2016年04月01日号
会期:2016/02/20~2016/03/21
京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA[京都府]
オランダ出身で、現在はハッシ(フィンランド)、ベルリン、アムステルダムを拠点に活動するグイド・ヴァン・デル・ウェルヴェ。彼の作品の特徴は、自らが行なったパフォーマンスの記録を元に映像作品を制作することだ。また、作品に自作の楽曲を用いることもある。例えば《第14番「郷愁」》では、音楽家のショパンを題材に、ワルシャワの聖十字架教会からパリのペール・ラシューズ墓地までトライアスロンで走破した。ほかにも、凍った海の上で砕氷船の直前を歩く《第8番「心配しなくても大丈夫」》や、北極点に立ち24時間かけて地球の自転と逆に回転する《第9番「世界と一緒に回らなかった日」》といった作品がある。本展では、過去10年間の作品から7点を選んで展示した。なかには日本人には理解し難いユーモア感覚の作品もあり、とまどったが、それも含めて貴重な機会だった。美術大学が運営し、アートセンター的な活動も行なう京都市立芸術大学ギャラリー@KCUAならではの企画と言えるだろう。
2016/02/23(火)(小吹隆文)