artscapeレビュー
DAVID BOWIE is | デヴィッド・ボウイ大回顧展
2017年03月01日号
会期:2017/01/08~2017/04/09
寺田倉庫G1ビル[東京都]
デヴィッド・ボウイの28枚目にして最後のアルバム、『★(ブラックスター)』が発表されたのは2016年1月8日、彼が亡くなる2日前のことであった。1970年代にはグラムロックの旗手として名をはせ、1980年代には数々のアルバムをヒットさせてロック界のスーパースターの名をほしいままにしたデヴィッド・ボウイ。久々に発表されたこのアルバムが彼の健在ぶりを広く知らしめるものだっただけに、突然の訃報のショックは大きかった。
デヴィッド・ボウイの大規模な回顧展である本展は、2013年に英国のヴィクトリア・アンド・アルバート博物館で開催され、以降世界9都市を巡回して多くの動員を記録してきた。アジアでは唯一となる日本での開催は、デヴィッド・ボウイの70回目の誕生日にはじまったが、奇しくも遺作展の様相を帯びることになってしまった。ステージ衣装、写真、映像、そしてもちろん音楽から、デビュー前の写真、直筆のノートや絵画まで、300点以上のアイテムでボウイの50年間の活動を振り返る。ハイライトは四方のスクリーンに映し出される映像と音響や照明であたかもライブ・パフォーマンスのような空間がつくり出された「ショウ・モーメント」のセクション。そして見所は、日本展でのオリジナル展示「DAVID BOWIE MEETS JAPAN」のセクションである。北野武、坂本龍一と共演した映画『戦場のメリークリスマス』を中心としたこのセクションでは、日本のポップ・カルチャーにおけるボウイの確かな存在感と影響力の大きさに今さらのように感じ入った。[平光睦子]
公式サイトhttp://davidbowieis.jp
2017/02/07(火)(SYNK)