2021年04月15日号
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artscapeレビュー

アネケ・ヒーマン&クミ・ヒロイ、潮田登久子、片山真理、春木麻衣子、細倉真弓、そして、あなたの視点

2021年04月01日号

会期:2021/01/16~2021/04/18

資生堂ギャラリー[東京都]

4人+1組の写真を使う女性アーティストをフィーチャーした展覧会である。共通するテーマは「境界」。といっても同じ傾向の作品が並んでいるわけではなく、それぞれの方向性はかなり違っている。

アネケ・ヒーマン(ドイツ出身)とクミ・ヒロイ(岐阜県生まれ)は、オランダ在住のアート・ユニットで、資生堂のキャンペーン・ポスターを題材に消費社会における女性像を問いかける。潮田登久子は「本の景色/BIBLIOTHECA」シリーズから、「女性」や「境界」をキーワードに写真をセレクトした。片山真理は義足を装着したセルフポートレートを出品し、春木麻衣子は穴が開いた壁の裏側に、スリットから覗いたような状況を撮影した写真を並べている。細倉真弓は、ゲイ雑誌やネット上のセルフィーの画像をコラージュした新作の写真・映像作品を出品した。

どちらかというとアーティストたちの顔見せ的な要素が強く、「境界」というテーマから何が浮かび上がってくるのかはそれほど明確ではない。各作家の作品とインスタレーションのレベルが高いので、見応えのある展示にはなっていた。ただ、そろそろ「女性アーティスト」という括りだけで展覧会を企画すること自体の意味は失われつつあるのではないかと思う。「本展会期中の3月8日には国際女性デー International Women’s Dayを迎えること」が企画意図として意識されているようだが、男性やゲイの作家を加えてもいいのではないだろうか。

2021/02/21(日)(飯沢耕太郎)

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