artscapeレビュー
泉洋平展「トけゆくシカク」
2010年02月01日号
会期:2010/01/09~2010/01/31
studio90[京都府]
暗室の中でピンスポットライトが壁に向けて照らされている。壁にぶつかって反射した光がおぼろげに照らし出すのは、宙に浮かぶ大きな立方体。立方体といっても確固たる立体物ではなく、縦・奥行きともに68段ずつ張られた黒い糸の一部分を白くペイントすることで立ち現われる立方体のイメージだ。エッジがぼやけ、見る角度によって微妙に様相を変化させるそれは、なるほど「トけゆくシカク(四角と視覚のダブルミーニング)」。これまで主にタブローで「見る」ことと「認識する」ことの関係性を問いかけてきた泉だが、今回のオプ・アート的作品は彼の新たな武器となることであろう。
2010/01/17(日)(小吹隆文)