artscapeレビュー

村田真のレビュー/プレビュー

石田徹也全集──出版記念及び五周忌展

会期:2010/05/17~2010/05/29

ギャラリーQ[東京都]

「生きろ」のフレーズが脳内を駆け巡ってるうちに到着。『石田徹也全作品集』の出版に合わせて企画された回顧展。没後5年、わかりやすい内容と折からのアートバブルも重なって急速に人気を得た物故作家だが、前にも書いたかもしれないけど、はたして生きていて、まだ描き続けていたらこれほど注目を集めただろうか。全作品集など夢のまた夢だったに違いない。

2010/05/20(木)(村田真)

鈴木貴博「生きろ」

会期:2010/05/17~2010/05/29

ギャラリー現[東京都]

もう10年以上「生きろ」で生きてるアーティストが、世界中で行なった「生きろ」のパフォーマンスやワークショップの成果を展示している。「生きろ」の文字のなかに花の絵が混じっているが、これも「生」という字を花に見立てたもの。毎年3万人以上も自殺する国では、「殺すな」より切実なメッセージかもしれない。

2010/05/20(木)(村田真)

依田洋一朗

会期:2010/05/10~2010/06/05

南天子画廊[東京都]

ニューヨーク在住の画家。劇場やホテルを舞台にした演劇的シーンばかりを描いている。モチーフも色彩も独特のものがあり、絵としてはとてもヘタなんだけど、きわめて味わい深いヘタ。

2010/05/20(木)(村田真)

The Globalization 笹川治子×BARBARA DARLINg

会期:2010/05/18~2010/05/21

東京藝術大学上野キャンパス大学会館2F展示室[東京都]

なんかアヤシゲなので行ってみた。とくにDARLINgがクサイ。3つの飼育ケースにマウスが1匹ずつ入っていて、かたわらでは「3つの隔絶された世界に架橋することでコミュニケーションを可能にする、これこそグローバリゼーション云々」と男が熱弁をふるう映像を流してる。ほかにもチープな素材・手法で現代の情報・管理社会を非力化・脱力化するおバカな作品がいっぱい。なぜか9.11のテロを思い出した。こいつあしばらく目が離せないぞ。

2010/05/20(木)(村田真)

アニッシュ・カプーア展

会期:2010/04/27~2010/06/19

SCAI THE BATHHOUSE[東京都]

日本で出会ったという漆を使った作品がメイン。いちばん感心したのは、正面にあった巨大な凹面鏡のような作品。表面には細かい鏡がびっしり貼りつけられていて、近づくと周囲の鏡から自分の顔が写り始め、ある1点ですべての鏡に顔が写り、凹面鏡全体が自分の顔でおおわれてしまうのだ。もっと近づくと、どんどん顔は中心に寄っていく。これはおもしろい。なんども近づいたり離れたりした。

2010/05/20(木)(村田真)