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五十嵐太郎のレビュー/プレビュー

あいちトリエンナーレ2016 カンパニーDCA/フィリップ・ドゥクフレ「CONTACT」

会期:2016/10/15~2016/10/16

愛知県芸術劇場大ホール[愛知県]

前回のあいちトリエンナーレ2013はテーマに合わせてサミュエル・ベケットをパフォーミングアーツ部門の通奏低音としたが、今回はストレートに祝祭的な作品が続く。各場面で忘れがたい強烈なビジュアル・イメージが次々と打ち出され、華やかだった。ただ、一応、ミュージカルの形式をとるならば、もうちょっと覚えやすい曲の方がなじむような気がする。

2016/10/16(日)(五十嵐太郎)

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あいちトリエンナーレ2016 イスラエル・ガルバン「FLA.CO.MEN」

会期:2016/10/15~2016/10/16

名古屋市芸術創造センター[愛知県]

今回のあいちトリエンナーレ2016のパフォーミングアーツ部門は公演の日程を10月に集中させており、県外から訪れる人間には助かるスケジュールの組み方だ。イスラエル・ガルバン「FLA.CO.MEN」@名古屋市芸術創造センター。フラメンコを脱構築するパフォーマンスだが、基本がしっかりしているからこそ、自由で実験的かつ楽しい表現が可能になっている。そして、終演を惜しむかのように、ぎりぎりまで踊り続けたのも印象的だった。

2016/10/16(日)(五十嵐太郎)

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あいちトリエンナーレ2016 寺田就子《透明な気配》ほか

会期:2016/08/11~2016/10/23

愛知芸術文化センター、名古屋市美術館、名古屋・豊崎・岡崎市内のまちなか[愛知県]

あいちトリエンナーレ2016、2度目の名古屋市美術館へ。豊田市美術館の個展につながるものだが、前回のあいちトリエンナーレ2013における杉戸洋+青木淳の空間全体を魔術的に変えてしまう展示があまりに印象的だったので(『新建築』の表紙にもなった作品)、ゆったりと空間を使った今回の展示はどうしても、内容が薄く感じてしまう。名古屋エリアでは、結果的に3回訪れた旧明治屋栄ビルが面白い。ここは古い建物を活用した端聡のダイナミックなインスタレーションや寺田就子の細やかな空間介入のほか、山城知佳子とソン・サンヒによる力技の映像が楽しめる。

2016/10/16(日)(五十嵐太郎)

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第15回東京大学ホームカミングディ 駒場寮同窓会講演会

東京大学本郷キャンパス法文1号館314番教室[東京都]

「建築空間としての駒場寮」@東大本郷のレクチャーを行なう。いまは解体された建築だが、1985年に僕が入寮した当時、24畳の部屋に平均3人(部屋ごとに条件やルール、間仕切りのアリナシなど、使い方がまったく違う完全自治)、渋谷まで歩いて10分、キャンパス内にあるため朝起きたら大学の構内、月100円の寮費といった驚くべき環境だった。全寮制の時代は計画学的に使われたはずだが、後になって、若い人たちが参加した意図せざる居住実験が行なわれていたとあらためて思う。ちなみに、駒場寮は関東大震災の後、1930年代半ばに建設された鉄筋コンクリート造の建築であり、築地市場や伊東忠太の築地本願寺とほぼ同時代の産物である。

2016/10/15(土)(五十嵐太郎)

小菅優 ピアノ・リサイタル ベートーヴェン「ピアノ・ソナタ全集」完結記念

会期:2016/10/14

紀尾井ホール[東京都]

僕と同年に芸術選奨新人賞を受賞した小菅優@紀尾井ホール(授賞式を欠席したので、直接お会いしていないが)。ベートーヴェンの全ピアノ・ソナタを演奏するシリーズの完結編だが、パワフルな表現力だった。そもそもピアノという楽器は音をのばしたり、純正のハーモニーをつくるのには弱点があるが、ベートーヴェンの曲はむしろ長所をいかしている。17番はなかなか魅力的な曲、そして最後の32番はジャズっぽい部分もある。

2016/10/14(金)(五十嵐太郎)