artscapeレビュー

五十嵐太郎のレビュー/プレビュー

没後20年 武満徹オーケストラ・コンサート

会期:2016/10/13

東京オペラシティコンサートホール[東京都]

前列にコントラバスが来るなど、1曲ごとに楽器群の位置を激しく移動していたが、素材としての音が空間のあちこちから飛んでくる音楽だ。そして、高橋悠治らが弾く2台のピアノが正面中央で向きあう「夢の引用」が、「現代音楽」らしからぬ(?)美しい曲だった。

2016/10/13(木)(五十嵐太郎)

オープン・スペース2016 メディア・コンシャス

会期:2016/05/28~2017/03/12

NTTインターコミュニケーション・センター(ICC)[東京都]

ICCのオープンスペース2016へ。津田道子による窓枠/鏡/映像が乱反射するような迷宮的な空間インスタレーションは古典的でもあるが、面白い。一方で藤井直敬+GRINDER-MAN+evalaのヴァーチャル・リアリティを体験するゴーグルは、アニメ的・ゲーム的な別世界ならともかく、パラレルな現実世界を見せるなら、やはりいまの点ではまだ映像のクリアさが全然足りないことが、どうしても気になってしまう。

2016/10/13(木)(五十嵐太郎)

オランダのモダン・デザイン リートフェルト/ブルーナ/ADO

会期:2016/09/17~2016/11/23

東京オペラシティ アートギャラリー[東京都]

なぜ、建築、グラフィック、玩具というジャンルが異なるこの3名の組み合わせなのかと訝しがったが、展示を見て納得させられた。なるほど、シンプルな幾何学や基本的な原色を使うという共通点がある。リートフェルトの展示は国内各地から多くの家具を集めているが、知らないものがいろいろあって楽しむことができた。ちなみに、この会場なら、そう大きくはない《シュローダー邸》の部分再現もできたかもしれない。

2016/10/13(木)(五十嵐太郎)

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TABLAO FLAMENCO GARLOCH

[東京都]

リニューアルした新宿の老舗フラメンコ店「GARLOCH 」へ。インテリアを浅子佳英が手がけ、ハンス・ホラインの初期作品であるウィーンの店舗並みに古い築50年というヴィンテージの内装をあえて劇的ビフォー/アフターしないデザインだ。すなわち、壁や床を削り、テクスチャーを変質させることに専念し、最小限の介入にとどめ、いまとなってはめずらしくなった過去のデザインを引き立てている。

2016/10/13(木)(五十嵐太郎)

塩田千春 鍵のかかった部屋

会期:2016/09/14~2016/10/10

KAAT 神奈川芸術劇場 中スタジオ[神奈川県]

塩田千春「鍵のかかった部屋」@KAATの最終日に駆け込む。ヴェネツィア・ビエンナーレ美術展2015の日本館の凱旋帰国展示的な位置づけを持つ。ただし、船はなく、鍵の数はだいぶ減らしている。空間に対応して鏡や照明があるなか、複数のドアが設置され、糸に囲まれた空間が出現しており、ヴェネツィアとは異なる新バージョンになったと言えるだろう。ちなみに、西洋に比べて、日本製の鍵は全然絵にならない。

2016/10/10(月)(五十嵐太郎)

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