artscapeレビュー
五十嵐太郎のレビュー/プレビュー
六甲の住居
[兵庫県]
島田陽さんが設計した六甲の住居(2011)を見学する。1階が鉄骨スケルトンの透明な直方体で、その上に家型のヴォリュームが浮かぶ家だが、一体どうやって暮らすのかと思いきや、急傾斜の階段が続く、突き当たりの特殊環境ゆえに導かれた形式で、なるほど、見事に成立している。内部は、什器は少ないが、モノが多く、倉庫のようだ。二階の間仕切りには、神戸ビエンナーレ2011で島田さんがインスタレーションで用いたのと同じ素材を使っている。外周のバルコニーが構造を兼ねており、空間は軽やかである。
2015/01/11(日)(五十嵐太郎)
シンシティ 復讐の女神
『シン・シティ 復讐の女神』(監督:ロバート・ロドリゲス、フランク・ミラー)を見る。女性が関わる、2つの復讐劇が物語の主軸をなす。前作と同様、漫画の世界観を同じ手法の白黒による劇画的な画面(一部カラーとなるが)によって映像化し、ある意味では予想通りのノワールだ。今回、ファム・ファタルのテイストが、より強調されたのは、『300』に続き、エヴァ・グリーンがはまり役の存在感ある悪女だからだろう。
2015/01/10(土)(五十嵐太郎)
KAWASAKI ROCK CITY VOL.3 2015 EUROPE(単独公演)
会期:2015/01/09
CLUB CITTA’[神奈川県]
「明日への翼」のアルバムを全曲演奏するというので、川崎のクラブチッタのヨーロッパのライブへ。もう50歳になったが、ジョーイ・テンペストのvoは幾分ワイルドに、ジョン・ノーラムのギターは変わらず美しい。32年前、日本初のオンエアをノイズ混じりのラジオで聴いた「セブン・ドアーズ・ホテル」は結構ライブ向きの曲だった。ラストは鉄板のあの曲「ファイナル・カウントダウン」である。
2015/01/09(金)(五十嵐太郎)
HOUSE VISION 2015 SYMPOSIUM CO-DIVIDUAL 分かれてつながる/離れてあつまる
会期:2015/01/09~2015/01/11
POLYLOGUE[東京都]
銀座POLYLOGUEのHOUSE VISION 2015シンポジウムの会場へ。それほど広い会場ではなかったが、びっくりする程の大入り満員だった。建築家とメーカーのコラボレーションにより、さまざまな提案がプレゼンテーションされていた。ここで東日本大震災の後、企画に関わった展覧会を通じて導いた、関係性の建築というべき「リレーショナル・アーキテクチャー」の概念について30分のレクチャーを行う。
2015/01/09(金)(五十嵐太郎)
ウィレム・デ・クーニング展
会期:2014/10/08~2015/01/12
ブリヂストン美術館[東京都]
ブリヂストン美術館のウィレム・デ・クーニング展へ。全体の回顧展ではなく、ジョン・アンド・キミコ・パワーズ・コレクションから、少し具象に回帰した1960年代の女性像を中心にした内容である。絵の支持体として、「紙」を好んで使うのが興味深い。しかも、紙の折れ跡に従い、画面に奇妙な分割線が入ったり、絵具が滲んだり、余白に染みたりする。こうした視点でのデ・クーニングの分析はあるのだろうか。
2015/01/09(金)(五十嵐太郎)