artscapeレビュー
五十嵐太郎のレビュー/プレビュー
スペイン国立ダンスカンパニー
会期:2014/12/05~2015/12/06
KATT 神奈川芸術劇場[神奈川県]
キリアンの「堕ちた天使」、フォーサイスの「ヘルマン・シュメルマン」を見たくて足を運んだのだが、さすがの身体能力でどの作品も演じており、感心させられた。そして最後の「マイナス16」が圧倒的に楽しい。幕間の余興?と思わせるゆるい雰囲気から始まり、緊張感ある反復運動のシーンを経て、フィナーレでは観客を舞台に上げ、会場が一体となった大盛り上がりだった。
2014/12/05(金)(五十嵐太郎)
紙の月
2014/11/15(土)公開
前作の「桐島部活やめるってよ」と同様、ありきたりな物語なのだが、登場人物の関係性や表情をていねいに、かつ映画的な瞬間を織り交ぜて描写することで、これだけ面白くできるのは、やはり吉田大八監督の手腕だろう。加えて、宮沢りえ、小林聡美、大島優子らの役者陣が、実在感ある素晴らしい演技だった。そしてラストで突発的に発動するカタルシスも、「桐島」を彷彿させる爽快感である。
2014/12/05(金)(五十嵐太郎)
「逆転移」リギョン展
会期:2014/10/31~2015/01/07
銀座メゾンエルメス8階フォーラム[東京都]
光をテーマとした大がかりな空間のインスタレーションであり、何度も訪れて見慣れたレンゾ・ピアノの建築を劇的に変容させる。ガラスブロックを通じて入る太陽光がキラキラ反射する作品は、昼に見たほうが良いかもしれない。もう一方は、白い面が強い電光で照らされるために、部屋に入ると、一瞬空間の輪郭がわからなくなる。ただし、一部、面にひびが見えなければ、完璧だった。
2014/12/03(水)(五十嵐太郎)
IN SITU-1
会期:2014/09/13~2015/01/04
エスパス ルイ・ヴィトン東京[東京都]
エスパス・ルイ・ヴィトンで公開制作していたソ・ミンジョンの作品が完成した。いつもの歴史的な記憶を抱えた建物の1/1再現ではなく、東京の風景に触発された非実在的な建物が破壊する瞬間のインスタレーションである。今回はとくに、軽やかなエスパスの空間との呼応、また閉じたホワイトキューブではなく、まわりの風景が一緒に見えるのが素晴らしい。ソ・ミンジョンの死んだ鳥の旧作もエスパスで、それを爆破する映像の新作を一階のスクリーンで展示する。また展示とは別に、入り口付近では、The icon and the iconoclastsのプロジェクトで、フランク・ゲーリー、シンディ・シャーマン、川久保玲らがデザインしたバッグも置いていた。
2014/11/30(日)(五十嵐太郎)
北村韓屋村
[韓国、ソウル市]
北村のエリアを散策。伝統的な韓国の家屋が多く残る街並みだが、生きるテーマパークのような観光地化の度合いも激しい。ゲストハウスもいくつか点在し、内部を見せてもらったが、ホン・サンス監督の映画『自由が丘8丁目』で、加瀬亮が宿泊していたのと、本当に同じような感じだった。
2014/11/29(土)(五十嵐太郎)