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五十嵐太郎のレビュー/プレビュー

Wake Up, Girls! 七人のアイドル

映画『Wake Up, Girls! 七人のアイドル』を鑑賞した。同時にこれの続きとなるテレビ版のアニメも1月からスタートしているが、映画版は、地元アイドルがデビューするまでを描く。興味深いのは、仙台を舞台にしていること。物語の内容は、まあ想像の範囲内だが(応援したくなる程度には面白い)、仙台のいろいろな場所を具体的に描写しており、仙台を取り上げる映像としては画期的な作品だ。あきらかに聖地巡礼を狙ったものだろうが、地元の人だと倍以上楽しめるだろう。

2014/01/14(火)(五十嵐太郎)

伊坂幸太郎『仙台ぐらし』

発行所:荒蝦夷

発行日:2012/02/18

伊坂幸太郎の『仙台ぐらし』を読む。日常のエッセイ集で、前半は本当に普通のエピソードが多いのだが、震災へのコメントを避けてきた彼としては珍しい当時の記述は、やはり仙台在住ならではの内容だった。スーパーマーケットの開店情報を聞いて行列をするといった些細なことだが、関東圏の作家はこういう震災直後の体験をしていない。巻末の短編小説「ブックモービル」は、ボランティアによる移動図書館の話だが、視覚的にわかりやすい被害のシーンを求める映画監督に噛み付くあたりに地元の視点を読みとれる。

2014/01/13(月)(五十嵐太郎)

高谷史郎「明るい部屋」

会期:2013/12/10~2014/01/26

東京都写真美術館 B1階展示室[東京都]

続いて、高谷史郎の「明るい部屋」展へ。カメラの起源である閉じた箱のカメラ・オブスキュラはしばしばアート作品において参照されるが、これは別の光学装置カメラ・ルシダをめぐる写真、映像、インスタレーション、そしてパフォーマンスの記録である。ブラックボックスとなる建築的な箱をとり払い、そのメカニズムの美しさをむき出しにして、新しいイメージ生成の場に立ち会わせる内容だった。

2014/01/13(月)(五十嵐太郎)

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路上から世界を変えていく 日本の新進作家 vol.12

会期:2013/12/07~2014/01/26

東京都写真美術館 2階展示室[東京都]

東京都写真美術館の「路上から世界を変えていく」展へ。糸崎公朗は、街の風景を撮影し、その写真群を立体的に再構成する懐かしい旧作のフォトモも出しつつ、路上の虫や動物の新シリーズを出品していた。これは普段見過ごすドキリとさせる内容だったが、彼のエリアは作品の情報量が多く、人が一番溜まっていた。また津田隆志による排除系ベンチやテントで各地を宿泊のシリーズは、拙著『過防備都市』に通じるテーマだった。

2014/01/13(月)(五十嵐太郎)

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「戦後日本住宅展」打合せ

埼玉県立近代美術館にて、1950年代から70年代にフォーカスをあてる戦後日本住宅展の模型制作に協力してもらう研究室と打ち合せを行なう。その後、展示予定の原図を幾つか拝見する。原広司の自邸のディテールを含む大量の図面、原寸でも読めないくらい文字が小さい増沢洵の図面、伊東豊雄の中野本町の家など、手描きの図面の美しさに、みな見入る。なお、7月にスタートし、四館を巡回する同展は、丹下健三から安藤忠雄まで、16の珠玉の住宅を取り上げ、それらの原図面、写真、映像、模型などを展示する。

2014/01/11(土)(五十嵐太郎)