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五十嵐太郎のレビュー/プレビュー

あいちトリエンナーレ2013 公式グッズ・デザインコンペティション 公開プレゼンテーション+公開審査会

ナディアパーク 2階アトリウム[愛知県]

あいちトリエンナーレ公式グッズのコンペの審査を行なう。建築学生のコンペなどではアイデアが評価の対象となり、それが実現されることはまったく前提にならないが、プロダクトのコンペは、モックアップで実物が提示され、商品化が可能かどうかが審査に含まれ、だいぶ違う。議論では、どうしたらコストダウンできるかなども話題になった。結果は地元の伝統産業を生かした名古屋芸術大学のテキスタイル、扇千花研究室が最優秀となる。また名古屋建築グッズを提案した愛知淑徳大の清水研と、「→」グッズの椙山女学園の橋本研が次点に選ばれた。それぞれグッズの実現化に向けて、スタートを切ることになった。

2012/10/14(日)(五十嵐太郎)

青木野枝│ふりそそぐものたち

会期:2012/10/13~2012/12/24

豊田市美術館[愛知県]

豊田市美術館にて、学芸員の能勢陽子さんに案内していただきながら、学生とともに青木野枝展を見る。まず最初の大空間には、8m近い高さの建築的なスケールの作品が2つ。小部屋には、石鹸を置いた空間が揺らぐような新作を置く。それぞれの部屋ごとに建築との対話が続く展示だった。そして最後は石膏を使う、新機軸の作品で驚かされる。

2012/10/14(日)(五十嵐太郎)

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日本の70年代 1968-1982

会期:2012/09/15~2012/11/11

埼玉県立近代美術館[埼玉県]

埼玉県立近代美術館の「日本の70年代 1968-1982」展を見る。大阪万博や寺山修司の熱気から、ビックリハウスやこの美術館の誕生まで、横断的に文化を展示したものだ。それゆえ、黒川紀章の向かいが、サディスティック・ミカ・バンド!という部屋もある。なお、美術館の公園に移築された《中銀カプセルタワー》のユニットも同時代の産物だ。

2012/10/12(金)(五十嵐太郎)

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劇団、本谷有希子 第16回公演『遭難、』

会期:2012/10/02~2012/10/23

東京芸術劇場シアターイースト[東京都]

劇団、本谷有希子の『遭難、』を観劇する。戯曲としては数年前にテキストで読んでいたが、上演が進むにつれ、かつて文字で読んだ記憶が生身の声でよみがえる不思議な体験だった。いじめ問題が騒がれる現在、少し違う視点の物語が再演された。観客席と舞台を仕切る学校の窓が上昇したり下降したり、わりとリアルな舞台などの美術も興味深い。

2012/10/08(月)(五十嵐太郎)

遠藤秀平+陶器浩一《福良港津波防災ステーション》、 遠藤秀平淡路人形座》

[兵庫県]

遠藤秀平が手がけた、東日本大震災の前に竣工した《福良港津波防災ステーション》と、この夏にオープンした《淡路人形座》を見学した。両者ともに津波避難ビルの役割をもつ。前者は曲面壁により水力を受け流す水門制御・港内監視の施設である。後者はエキスパンドメタルを型枠に用いた特殊な構法で、コンクリートも少し膨らむ物質感と素材感が印象的だ。

2012/10/07(日)(五十嵐太郎)