artscapeレビュー

五十嵐太郎のレビュー/プレビュー

アラヴェナ展

会期:2011/07/27~2011/10/01

TOTOギャラリー・間[東京都]

派手なインスタレーションが多かったヴェネチアビエンナーレ国際建築展2008において、住人の希望を描いてもらったシンプルな住宅の紙模型ながら、銀獅子賞を受賞したエレメンタル、すなわちチリの建築家アラヴェナが日本で初めて本格的に紹介された展覧会である。最近の日本の傾向とは違う、力強い形が印象的だ。やたらとスペックを付加するのではなく、何かを外し、デザインの根本を再考する姿勢を打ち出している。

2011/08/08(月)(五十嵐太郎)

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青木淳「ぼよよん」展

会期:2011/07/26~2011/08/12

オカムラガーデンコートショールーム[東京都]

会場いっぱいに、輪っかが展開する。8,000個のポリプロピレン製のリングが組み合わさった「ぼよよん」の雲、という見立てのインスタレーションだ。ユーモラスな擬態語が作品名になっているのが興味深い。手で触ると、ぼよよーんと揺れるし、音もぼよよーんと鳴りだす。動きと音と名前が同じもののように思えてくる。確かに、ぼよよんというしかないモノだ。

2011/08/08(月)(五十嵐太郎)

第一回art Nagoya 2011

会期:2011/08/06~2011/08/07

ウエスティン ナゴヤキャッスル 9F エグゼクティブフロア[愛知県]

すでに東京、大阪で何度かやっている、ホテルの各部屋に現代アートのギャラリーが展示するスタイルが、ついに名古屋でも開催された。規模はワンフロアのみで小さかったが、東京や大阪に比べて、場所が圧倒的にいい。ホテルの窓から名古屋城が真正面に見える。考えてみると、四国でも旅館の各部屋を使うアート・イベントがあったし、いまは存在しない名古屋のさくらアパートメントは元旅館の各部屋にデザイナーのショップを展開していた。こうした催し物は、次々に隣の部屋の内部を順番に見ることができるという非日常的な空間の体験が楽しい。

2011/08/07(日)(五十嵐太郎)

ヨコハマトリエンナーレ2011/新・港村 小さな未来都市

会期:2011/08/06~2011/11/06

横浜美術館ほか/新港ピア[神奈川県]

オープニングのレセプションはすごい人出だった。常設でなじみのあるシュルレアリスムの作品などをあいだに挟みながら、新作を置くために、拡大された常設展のようにも見える。横浜美術館の中央の大空間を活用する作品がなかったのは残念だ。連動企画である新・港村は、会期中に発展・変化していく街をイメージした会場だが、オープニングのときは半分近くのブースがまだアンダーコンストラクションの状態だった。建築系ラジオのブースも間に合わず、一週間遅れのスタートとなる。

写真:新・港村「建築系ラジオブース」

2011/08/05(金)(五十嵐太郎)

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あいちトリエンナーレ2013芸術監督就任記者会見

会期:2011/08/04

愛知芸術文化センター 12F アートスペースA[愛知県]

私事だが、第二回となるあいちトリエンナーレ2013の芸術監督に就任し、大村秀章県知事を表敬訪問した後、愛知芸術文化センターにて、記者会見を行なった。決まってすぐだったために、まだ固まったコンセプトではなく、超前衛と大衆性、空間と場所の力を引きだす、街なか展開の拡充、東日本大震災を意識したものなど、幾つかの抱負を語る。3年前の記者会見が厳しい場だったと聞き、なぜ建築の専門の人が選ばれたのか? などの質問を覚悟していたが、第一回のトリエンナーレの成功のおかげだろう。プレスは基本的に歓迎し、期待している雰囲気だった。ともあれ、これからしばらく名古屋への出入りが多くなる。今月は愛知県の新しいアートスポットを多く紹介しよう。

2011/08/04(木)(五十嵐太郎)