artscapeレビュー

五十嵐太郎のレビュー/プレビュー

アート アワード トーキョー 丸の内2011

会期:2011/07/03~2011/07/31

行幸地下ギャラリー[東京都]

日本各地の美大の卒制展から選抜した作品群。動員では、建築卒計イベントの方が圧倒的にもりあがっている。ただ、建築系はあくまでも模型でしかないのに対し、作品を自力でつくるアートの方がもうセミプロの領域に達している。以前、名古屋のアーツチャレンジの審査で選んだ柴田英里が健闘しており、小谷賞を受賞していた。

2011/07/13(水)(五十嵐太郎)

「ラファエル前派からウィリアム・モリスへ」展

会期:2011/06/04~2011/07/14

目黒区美術館[東京都]

アーツ・アンド・クラフト運動になだれ込むイギリスの19世紀の動向は、学部時代に高階秀爾先生の美術史の講義を熱心に聞いていたことを思いだす。同展では、絵画だけではなく、フィリップ・ウェブやモリス商会の家具、ステンドグラス、室内装飾も展示されており、植物が重要な装飾のパターンとなった美術と建築の関係を楽しめる。

2011/07/10(日)(五十嵐太郎)

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クイーンズランド大学

[オーストラリア]

船で川を移動し、ブリスベンのクイーンズランド大学を見学する。キャンパスにある建築群は、あらゆる開口部に庇、ルーバー、ブリーズ・ソレイユなど、デザイン・カタログというくらいに、さまざまなバリエーションが展開し、夏の日光を遮る影の装置が、建築におけるオーストラリア的なものではないかと気づく。実際、街の様式建築も、ベランダを追加したものだった。こうした地域的なデザインの手法は、沖縄と似ている。

2011/07/09(土)(五十嵐太郎)

トランスフォーマー3

IMAX Theatre[オーストラリア]

imaxの映画館で『トランスフォーマー3』を鑑賞。クライマックスとなるシカゴの破壊シーンはすさまじい。3DのCGを見せるために、最後は呆れるくらい、長時間にわたって戦闘の場面が続く。主人公とガールフレンドがこれだけサバイバルして、たいした怪我をしないとは、リアルの設定が違う。修羅場は複数の登場人物に割り当てたほうが納得できる。脚本のバランスは悪い。CGの廃墟もよくデザインされているが、やはり本物の廃墟の方が圧倒的に複雑で無様であり、それゆえにときには驚くべき風景が生まれる。

2011/07/08(金)(五十嵐太郎)

クイーンズランド州立美術館

[オーストラリア]

大会における戦後日本建築のセッションが終わった後、飯田志保子さんにクイーンズランド州立美術館を案内していただく。アジア圏の現代美術の収集に力を入れており、1993年以降のトリエンナーレのたびに全作品を購入している。これまでのコレクションだけでも相当な企画展ができるほど、量が多いという。また映像の分野も充実している。建築はジャン・ヌーヴェルのルツェルンの文化センター風だが、内部に街路感覚のストリートを十字に取り込む。これは隣接するほかの文化施設とつながっており、都市計画と連動したデザインである。

2011/07/08(金)(五十嵐太郎)