artscapeレビュー
小吹隆文のレビュー/プレビュー
プレビュー:六甲ミーツ・アート 芸術散歩2011
会期:2011/09/17~2011/11/23
六甲山・山上一帯[兵庫県]
明治時代に居留外国人により開発され、その後現在まで関西の身近なリゾート地として愛されている六甲山。その山上一帯に点在する六甲ガーデンテラス、六甲高山植物園など複数の施設にアート作品を展示し、ピクニック感覚で六甲山の自然とアート作品を味わえるのが、この「六甲ミーツ・アート 芸術散歩2011」だ。澄んだ空気と豊かな緑の中を歩きながら作品を体験すれば、街中のギャラリーで凝り固まった感性が気持ちよくほどけていきそう。ワークショップなど関連イベントも多数開催されるので、秋の一日を山頂でたっぷりと過ごしたい。
2011/08/20(土)(小吹隆文)
プレビュー:生誕120周年記念 岸田劉生 展
会期:2011/09/17~2011/11/23
大阪市立美術館[大阪府]
「麗子像」などで知られる岸田劉生の生誕120周年を記念した大回顧展。38年という短い生涯のなかで、後期印象派のセザンヌや北方ルネサンスのデューラーから影響を受けた独自の具象表現を模索し、晩年には宋元画や日本の南画、肉筆浮世絵の研究から「でろり」という美意識を生み出した彼の画業を、代表作を中心に、肖像画、風景画、静物画などで振り返る。
2011/08/20(土)(小吹隆文)
プレビュー:place and picture─広島、絵画、ギャラリー巡り─
会期:2011/09/06~2011/09/11
広島、大阪、京都、神奈川に在住する8人の画家たちが、広島市内と宮島で同時多発的に個展を開催。複数の会場をひとつのプロジェクトで繋ぐことにより、新たな人の流れやアートへの関心が高まることを画策する。地元以外の人にとっては、普段なかなか情報が伝わってこない広島のアート事情を知る絶好のチャンスでもある。宮島以外の会場は半日あれば回れるエリアに集中しているので、これを機に広島に出かけてみては。
2011/08/20(土)(小吹隆文)
プレビュー:フィギュアたちの人生
会期:2011/09/03~2011/11/13
ボーダレス・アートミュージアムNO-MA[滋賀県]
「人はなぜフィギュアを、命あるもののように愛し、そして作るのだろう」というシンプルな疑問から端を発し、アーティストや障害を持つ制作者たちがつくったフィギュア作品を集めて紹介する。作家は、石野敬祐、大江正章、勝部翔太、金氏徹平、河野咲子、古賀翔一、デハラユキノリ、BOME(ボーメ)の8名。素材、技法、作風、いずれの面でもバラエティに富む作家・作品が集うので、フィギュアに対する新たな価値観が見つけられるかもしれない。
2011/08/20(土)(小吹隆文)
プレビュー:田中真吾 個展 識閾にふれる
会期:2011/09/02~2011/09/30
eN arts[京都府]
火をテーマにした平面、立体、写真作品を制作している田中真吾。例えば、紙と木のパネルの一部を燃やした作品「TRANS」は、焼け焦げた紙がつくり出す造形の妙が、炎の動きや時間の経過を連想させ、さらには強さ、脆さ、儚さなどの感情を喚起する。今回は、その「TRANS」だけでなく、写真を用いた「LIGHT」と「TRACE」、紙と漆喰のパネルを炎であぶった「HEAT」の4シリーズを一挙に展示。田中の仕事を体系的に観賞する機会となる。
2011/08/20(土)(小吹隆文)