artscapeレビュー

小吹隆文のレビュー/プレビュー

プレビュー:松井紫朗 展 Hundreds of Gardens

会期:2010/05/18~2010/06/12

アートコートギャラリー[大阪府]

“内側と外側”や“あちら側とこちら側”といった両極を連結させたり反転させることで斬新な空間概念を提示してきた松井紫朗。彼が一貫して追求してきた世界を、初期作品から近作までを通して展観。時系列の回顧展形式をとらず、さまざまな年代、形式の作品群を緊密に連携させることで、その造形思考を浮き彫りにする。

2010/04/20(火)(小吹隆文)

プレビュー:「ロゴパグ~不思議なスパイス~」森田麻祐子・中村協子 2人展

カフェ&ギャラリー アトリエとも[京都府]

会期:2010/05/14~2010/05/30(金・土・日)
美術家のムラギしマナヴと中村協子、ライターの酒井千穂が「スコップ・プロジェクト」を結成。ハンディキャップを持つ青少年の社会的支援を目的とする作業所を舞台に、今後1年間で6つのアートプロジェクトを開催する。オープニングは森田麻祐子と中村協子の2人展。今後、中谷有紀展、小沢さかえ展などが予定されており、その動向が注目される。

2010/04/20(火)(小吹隆文)

プレビュー:アートフェア京都/超京都 現代美術@杉本家住宅

アートフェア京都
会期:2010/05/07~2010/05/09
ホテルモントレ京都4F客室[京都府]
超京都 現代美術@杉本家住宅
会期:2010/05/15~2010/05/16
杉本家住宅[京都府]

5月の京都で2つのアートフェアが2週連続で開催される。ひとつはホテルのワンフロアを貸し切って開催される「アートフェア京都」。もうひとつは文化財の伝統建築が舞台の「超京都」だ。関西のアートフェアといえば、大阪の堂島ホテルで開催されている「ART OSAKA」があり、昨年は神戸でも「アートマルシェ」が開催された。さらに京都で2つと聞くと、さすがに飽和感は否めない。アートフェア林立というこれまでになかった状況は、関西の美術業界にどのような影響を及ぼすのだろう。ともかく現場に出かけて、その次第を確認しておきたい。

2010/04/20(火)(小吹隆文)

絵画の5つの部屋

会期:2010/03/27~2010/07/04

兵庫県立美術館[兵庫県]

兵庫県立美術館が所蔵する「山村コレクション」を中心に、現代絵画の名品を5部構成で展覧。なかでも白髪一雄の大作10点が並んだ第4部は見応えがあった。所蔵品をアレンジして常設展示に付加価値を与える試みは大歓迎。今後も工夫を凝らして美術館のポテンシャルをどんどん引き出してほしい。

2010/04/17(土)(小吹隆文)

死なないための葬送……荒川修作 初期作品展

会期:2010/04/17~2010/06/27

国立国際美術館[大阪府]

荒川修作が1961年に渡米する直前に、村松画廊と夢土画廊で発表した棺桶型の立体作品。それらののうち20点が集結した。木の箱に納められたオブジェは内臓や汚物を思わせるグロテスクさで、なかには女性の生理用品を思わせるものも。それらが光沢のあるクッションの上にうやうやしく横たわっている姿はどこか滑稽でもある。作品を見るうち、D・クローネンバーグの映画を見た後のようなどんよりした気持ちになった。

2010/04/16(金)(小吹隆文)

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