artscapeレビュー
artscape編集部のレビュー/プレビュー
カタログ&ブックス│2012年4月
展覧会カタログ、アートにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。
Creativity Seen/Unseen in Art and Technology
A compendium of media art and performance from YCAM: 2003-2008
2003年11月の開館以来、メディアテクノロジーと身体を巡る新しい表現を追求する山口情報芸術センター[YCAM]。アーティストの構想とその実現を担う専門性を持ち、それらを地方から発信する視点と、地域の文化に対する眼差しとともに生み出された作品の数々は、世界各地で巡回を続けています。本書では、開館から5年にわたって制作・発信したオリジナル作品を中心に、その活動の全貌を紹介します。アートの現在が、新たなメディアを創出する技術とどのように関わるのか、テクノロジーと社会との関係に、どうやって批評的に対峙するのか──。本書を通じ、次代に続く、想像の「環境/創発/公共性」のあり方を問いかけます。 [山口情報芸術センター資料より]
メグロアドレス──都会に生きる作家
「メグロアドレス─都会に生きる作家」展(2012年2月7日〜4月1日、目黒区美術館)カタログ。目黒区に縁のある6組の若手アーティストの仕事を紹介。絵画、彫刻、写真、インスタレーションなど、多様な作品で構成される。出品作家は青山悟+平石博一、今井智己、須藤由希子、長坂常、南川史門、保井智貴。
アドルフ・ロース著作集1『虚空へ向けて』
ラディカルな近代建築宣言「装飾と犯罪」で知られる建築家、アドルフ・ロース(1870-1933)による、19世紀末ウィーン文化批評の全貌。全31編中27編本邦初訳。ドイツ語初版より訳出。解題2篇、200以上の詳細な訳注を付す。アドルフ・ロース全集発刊開始第1弾。[アセテートサイトより]
今和次郎「日本の民家」再訪
「九〇年前のあの民家たちはいま、どうしているのだろう──。」瀝青会は『日本の民家』に収められた四五件をさがして全国津々浦々、今日もアスファルトの上を行く。二〇〇〇日の旅が教えてくれたのは、うつろい、うつろわぬ、歴史の狭間にある民家・農山漁村・都市・人々の姿でした。[本書帯より]
浜からはじめる復興計画 牡鹿・雄勝・長清水での試み
昨年7月に行われたアーキエイドサマーキャンプや、東北大学での雄勝半島での活動、宮城大学中田研究室を中心とした南三陸町長清水での活動をまとめるだけでなく、建築家が何を思い、どう動いたかといったプロセスにも触れ、アーキエイドの活動をまとめた書籍という枠を超え、これから先、また東日本大震災のような災害に見舞われた場合の資料としても今後数多くの方々にご覧いただけるような本となりました。[ArchiAidサイトより]
2012/04/16(月)(artscape編集部)
カタログ&ブックス│2012年3月
展覧会カタログ、アートにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。
今和次郎 採集講義
「今和次郎 採集講義」展(2011年10月29日〜12月11日、青森県立美術館/2012年1月14日〜3月25日、パナソニック電工汐留ミュージアム)カタログ。
関東大震災後、復興していく東京の記録から始まった「考現学」。服飾・風俗・生活デザイン─和次郎の活動をいま考察する。昭和初期、急速に大都市化していく東京の都市環境や、人々の生活の変化をつぶさにとらえた考現学の創始者、今和次郎の全貌を紹介。[青幻舎サイトより]
みんなが描いた「みんなの家」
伊東豊雄、山本理顕、内藤廣、隈研吾、妹島和世からなる帰心の会によって、呼びかけられた〈「みんなの家」を描こう〉プロジェクト。世界22カ国、171名(グループ)の建築家をはじめ、デザイナー、フォトグラファー、画家、学生、さらに小学生、幼稚園の子どもから寄せられたドローイングは、2011年7月30日に開館した今治市伊東豊雄ミュージアムに展示されている(2012年4月1日まで)。当該展覧会は、3.11東日本大震災で被災したせんだいメディアテークでも同時開催された(2011年7月29日〜9月1日)。本書は、〈「みんなの家」を描こう〉プロジェクトにドローイングをお送りくださった皆様への御礼として制作された。
プロジェクト・ジャパン メタボリズムは語る…(日本語版)
2005年から2011年の長期にわたり、建築家のレム・コールハースとキュレーターのハンス・ウルリッヒ・オブリストは、メタボリズムの現存者をはじめ、彼らの師、仕事仲間、ライバル、批判者、弟子、家族たちへのインタビューを行った。その集大成として作られた本書は、世界最後の前衛運動を生き生きと映し出し、建築が私的な現象ではなく、パブリックのためのものであった最後の瞬間を捉えたドキュメンタリーである。[本書より]
鉄川与助の教会建築/五島列島を訪ねて
棟梁建築家として長崎の教会建造に惜しみない情熱を燃やし続けた鉄川与助による教会建築の軌跡を、風土色豊かな撮り下し写真とともに辿る。五島列島の美しい風景を垣間見ながら、鉄川与助の教会建築を詳細にひも解く初の書籍。2012年3月8日(木)から5月26日(土)にLIXILギャラリー(旧INAXギャラリー)で行われる同名展覧会と併せて刊行。[INAX出版サイトより]
3.11東日本大震災の直後、建築家はどう対応したか
国際交流基金巡回展「3.11──東日本大震災の直後、建築家はどう対応したか」の仙台展会場で配布されるカタログ。2012年3月より2年間で海外各地を巡回する本展覧会は、被災地である仙台における東北大学の仮校舎から始まる。(仙台展:2012年3月2日(金)〜3月18日(日))東北地方を中心に甚大な災禍をもたらした東日本大震災に対する各地の建築家の多様な動きを取り上げる。震災発生直後から今日までに実施あるいは計画されたプロジェクトを3つの段階ー第1段階「緊急対応」第2段階「仮設住宅」第3段階「復興計画」ーに整理するとともに、海外の建築家からの復興のための提案も合わせて紹介する。[本書より]
S-meme 03ショッピングと震災 SSD 2012 PBL studio01:media
仙台から発信する文化批評誌『S-meme』第3号。「震災とショッピング」をテーマに、仙台の状況を読み解く。「ショッピング」にちなんで、本書でとりあげたショッピングモール群の位置を知らせる地図が「包み紙」のように本をくるんでいる。[Sendai School of Designサイト]
2012/03/15(木)(artscape編集部)
カタログ&ブックス│2012年2月
展覧会カタログ、アートにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。
深読み! 日本写真の超名作100
artscapeレビューの執筆者でもある、写真批評家・飯沢耕太郎の最新著作。1850年から2011年までの、究極の、絶対に見ておきたい写真101点を収録。彼の手で丁寧に選び取られた「日本写真」の超名作と、それぞれに付された「深読み」が、150年にわたる壮大な写真史の広がりを浮かび上がらせる。
MP1 artist's book Expanded Retina│拡張される網膜
写真を主とした制作活動を行う美術家エグチマサル・藤本涼・横田大輔・吉田和生と、批評家・星野太(表象文化論)によるプロジェクト「MP1」初のアーティストブック。2012年1月21日よりG/P gallery(恵比寿)にて開催された同名の展覧会に合わせての出版された。MP1メンバーと飯沢耕太郎(写真評論家)・後藤繁雄(編集者)・粟田大輔(美術批評)・天野太郎(横浜美術館主席学芸員)との対談、伊藤俊治トークショー等を収録。
地域社会圏主義
高齢者や一人世帯がさらに増えていくすぐそこの未来、私たちは自身の生活とそれを受け止める器である住宅をどのようにイメージし、また獲得していくことができるのか。2010年春に刊行され、話題をよんだ『地域社会圏モデル』から大きく一歩踏み込んで、2015年のリアルな居住像を提案する。上野千鶴子(社会学)、金子勝(経済学)、平山洋介(建築学)との対談も収録。[INAX出版サイトより]
富士幻景──近代日本と富士の病
古来から日本人の崇敬を集めた富士山が、幕末以降の近代化と対外戦争のプロセスの中で国家の山へと変容していく様子を写真や印刷物340点から辿る。IZU PHOTO MUSEUMで2011年に開催された「富士幻景──富士にみる日本人の肖像」展関連書籍。
あなたとわたし わたしとあなた──知的障害者からのメッセージ
みんな、生きているんだ。──東京・恵比寿で約30年間、知的障害者の生活支援を続けている特定非営利活動法人ぱれっと。そこで、働き、くらし、遊ぶ、知的障害者の人たち。それぞれが人として一生懸命生きている姿を、60点を超える写真から感じ取っていただけたら。そして、障害のあるなしではなく、全ての人があたり前に生きていける社会を考えるための写真絵本です。[小学館サイトより]
2012/02/15(水)(artscape編集部)
カタログ&ブックス│2012年1月
展覧会カタログ、アートにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。
石子順造的世界──美術発・マンガ経由・キッチュ行
美術評論を主軸としながら「表現」と呼ばれる領域を生活者のレベルから具体的に捉えようと試み、いわゆる「美術」を超えてマンガや演劇、芸能、果ては誰も気にとめない「ガラクタ」の類いにまで論の対象を広げた評論家、石子順造(いしこじゅんぞう)(1928年〜1977年)。石子の眼を通じて1960年代から1970年代にかけての、ひいては日本の文化を眺め、見直した府中市美術館での展示をまとめたカタログです。[美術出版社サイトより]
ART TRACE PRESS 01
2011年8月24日 ART TRACE GALLERYにて開催された松浦寿夫×林道郎による対談記録、沢山遼による書き下ろしテキストの他、キャロル・C・マンクーシ=ウンガロ、マイケル・フリード、ウイリアム・ルービンの、ポロックに関する重要文献の初翻訳を掲載。日本初となる回顧展、『生誕100年 ジャクソン・ポロック展』(愛知県美術館 / 東京国立近代美術館)をご覧いただくにあたり、必読の一冊です。[ART TRACEサイトより]
現代建築家コンセプト・シリーズ11 長谷川豪──考えること、建築すること、生きること
1977年生まれの若手建築家、長谷川豪による初の著作集。全体をゆるやかに3つの章「考えること」「建築すること」「生きること」に分節し、長谷川豪の建築作品とそこに至る思考をあきらかにする。建築と生、リアリティとヴィジョンなど、さまざまな遠近を地続きのものとして捉え、建築という形を与えてゆく様子に、読者は彼の思考のやわらかさとその建築の可能性を感じるだろう。[INAX出版サイトより]
にほんごっ子
博報財団が設立以来大切にしている日本語や日本語教育について、その背景にある風土・ 文化も含めて様々な角度から探究する、新しいスタイルの広報誌です。日本語を話し、日本語を教えるすべての皆様に読んでいただきたいと考えています。[博報財団サイトより]
聖なる銀──アジアの装身具
2011年12月よりINAXギャラリーにて開催されている「聖なる銀 アジアの装身具 展」のカタログ。アジアの近・現代に見られる装身具より特徴的な約100点を披露。各地域における形態と文様に表れた深意を探り、銀の歴史や加工などにも触れながらビジュアル豊富に展開する。アジアは銀の装身具の宝庫。広大な地域を巡りながら民族のシンボルに出会える一冊。[INAX出版サイトより]
通天閣──新・日本資本主義発達史
塔から眺めた一大資本主義パノラマ。将棋の王様・阪田三吉の軌跡と大大阪の空間性、新世界の荒廃と飛田遊廓、ジャンジャン町の隆盛。産業資本と大阪政界の思惑の一方で、借家人同盟、野武士組、女給たちが立ち上がる……塔のみえる場所で、人々は彷徨い、遊び、闘い、そして何を生んだか? 圧倒的密度で描く、大阪ディープサウス秘史![青土社サイトより]
2012/01/16(月)(artscape編集部)
カタログ&ブックス│2011年12月
展覧会カタログ、アートにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。
ミルフイユ03
落ち葉を幾重にも重ねたような、直訳すれば「千の葉」という意味のお菓子「ミルフイユ」。さまざまなイメージやメッセージや人々が層をなして重なり合う活動をその名前に託した機関誌『ミルフイユ』の第3号を刊行します。第3号となる今号では、「土着」をテーマに、谷川俊太郎ほか、多彩な顔ぶれによる寄稿、仙台出身の写真家、故・中村ハルコの特集、開館10周年事業トークセッション「コミュニケーションの未来へ」の採録とモデレーターによる論考などを収録しています。[せんだいメディアテークサイトより]
いま、バリアとはなにか
開館10周年事業として2010年に行われた同名企画の記録集。情報技術の拡大とともに幕を開けた21世紀が10年を経たいま、私たちの社会はどのようにあるのか。「バリア」をキーワードに、メディアテークから見えてくるこれからの社会の可能性を表現。会期中に行われた作品展示やレクチャーの記録を中心に、参加作家による書き下ろし原稿を採録。執筆:桂英史、小山田徹、藤井光、港千尋、北川貴好、三輪眞弘、佐近田展康、光島貴之ほか。[せんだいメディアテークサイトより]
袴田京太朗作品集
1980年代後半から、一貫して「彫刻とは何か」を自身に問いながら、さまざまなカタチを制作し続けている彫刻家・袴田京太朗。私たちが思い描く彫刻のイメージを揺さぶる作品群を制作年代順に掲載。その潔い変化は、進化し続ける作家のこれからを期待させる作品集。[求龍堂ホームページより]
アーティストのためのハンドブック──制作につきまとう不安との付き合い方
本書は、アーティストが、自分の制作をしていく際の心がまえをコンパクトに説くやさしい哲学であり、迷った時、行き詰まって辞めたくなったときの心の助けになるような指南書です。「この作品をつくるのは何のため?」 「これは行なう価値がある?」「これを続けて食べていける?」「多くの人が辞めてしまうのはなぜ?」……誰もが覚えのある、アーティストでありつづけるかぎり襲われる、このような答えの出ない不安と共存し、飼い馴らしながら、自分の制作をやめずに続けていくための、「すべてのジャンルの〈制作者たち〉に効く常備薬」、“心の”サバイバル・ガイドなのです。[フィルムアート社ホームぺージより]
超域文化科学紀要 第16号 2011
東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻の発行する、毎年1回刊行の査読付研究雑誌。
Wolfgang Tillmans Abstract Pictures
ヴォルフガング・ティルマンスの最新写真集。初期のものから最新作まで、抽象的な作品を収録。
2011/12/15(木)(artscape編集部)