artscapeレビュー
artscape編集部のレビュー/プレビュー
カタログ&ブックス│2011年6月
展覧会カタログ、アートにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。
「P+ARCHIVE」 PROJECT DOCUMENTATION
「地域・社会に関わるアートアーカイブ・プロジェクト」 P+ARCHIVE 一年の活動記録
「地域・社会と関わるアート」に関するアーカイブ施設の創設を目指して、2010年から活動を開始したP+ARCHIVEプロジェクト記録集。アーカイブの運営者、研究者、アーティストとして自身の活動を記録し続ける川俣正などを招いた連続レクチャーや、現在進行形のアート・プロジェクトを実際にアーカイブ化することを試みた月1回の研究会などの全記録がまとめられている。
東京アートポイント計画 Tokyo Art Research Lab アートプロジェクトを評価するためにー評価の〈なぜ?〉を徹底解明 評価ゼミ レクチャーノート
2010年7月から2011年2月まで開催されたTokyo Art Research Lab「アートプロジェクトを評価するために—評価の<なぜ?>を徹底解明」の記録集。8回の評価ゼミ講座内容とゼミ生が発表した「自ら実践してみたと思う評価」、関係者のテキストを編纂した一年の活動記録。
以下のサイトからPDFがダウンロードできる。
・Tokyo Art Research Lab
・企業メセナ協議会
凝縮の美学─名車模型のモデラーたち─
本書では、それぞれにこだわりをもったアマチュアのモデラーたちに焦点をあて、彼らが手がけた珠玉の名車作品と、完成へのプロセスを豊富な図版とともに紹介する。特に巻頭の図版ページは、作品の精緻さと美しさで見るものを一気にその世界へと引き込む。その他、作品のモデルとなった名車の世界や模型の歴史、また多くのモデラーたちがあこがれるイギリスのウィングローブをはじめとする国内外のプロモデラーの仕事を紹介する。究極の模型づくりに情熱を傾けるクリエイションの世界を堪能できる一冊。[INAX出版サイトより]
IDEA No.346:羽良多平吉 イエス・アイ・スィー
「ウレシイ編輯、タノシイ設計。」をキーワードに、書籍や雑誌を中心に活動するエディトリアルデザイナー、羽良多平吉。その魔術的ともいえるイメージ編集やタイポグラフィ感覚、補色を活かした彩色術による唯一無二のデザインを展開し、多くのファンを魅了してきた。本特集では羽良多の40年以上にわたる活動をジャンルごとに紹介。本人および関係者のコメントなども提示することで、その活動の全体像や時代背景、羽良多自身の人物像を浮かび上がらせる。[アイデア サイトより]
北本らしい“顔”の駅前つくりプロジェクト本
これは北本らしい“顔”の駅前つくりプロジェクトを紹介するガイドブックです。第1部ではまちの顔となる北本駅西口駅前広場(以下:西口広場)の改修計画の概要を、第2部ではその顔を計画するために調べたまちの体(交通、商業、光、緑、ひと)を、第3部ではプロジェクトで制作したウォーキングマップを紹介します。[本書より]
以下のサイトからPDFがダウンロードできる。
・北本らしい“顔”の駅前つくりプロジェクト ブログ
シュルレアリスム展──パリ、ポンピドゥセンター所蔵作品による
「シュルレアリスム。私にとってそれは、青春の絶頂のもっとも美しい夢を体現していた」──マルセル・デュシャン 1924年、当時28歳の詩人アンドレ・ブルトンは、パリで「シュルレアリスム宣言」を発表、20世紀最大の芸術運動の口火を切りました。シュルレアリスムは、偶然性、夢、幻想、神話、共同性などを鍵に、人間の無意識の世界の探求をおこない、日常的な現実を超えた新しい美と真実を発見し、生の変革を実現しようと試みるもので、瞬く間に世界中に広まりました。シュルレアリスムの影響は、たんに文学や絵画にとどまらず、広く文化全域に、そして広告や映画などの表現を通じて21世紀に生きる私たちの生活の細部にも及んでいます。シュルレアリスムの中核を担った詩人や芸術家の多くにとって終の住処となったパリの中心部に位置する国立ポンピドゥセンターは、この運動についてのもっとも広範で多様なコレクションによって知られています。膨大なコレクションの中から、絵画、彫刻、オブジェ、素描、写真、映画などの作品約170点に、書籍や雑誌などの資料を加え、豊かな広がりを持ったこの運動の全貌をつぶさに紹介する展覧会が初めて実現しました。20世紀の芸術の流れを変えたシュルレアリスムを体験する絶好の機会といえるでしょう。[「シュルレアリスム展」公式サイトより]
けんちく体操
江戸東京博物館ワークショップから生まれた親子で楽しむ新しい体操。日本・海外の有名建築を身体を使い表現する。外観だけでなく、構造や用途、個人的に抱いた第一印象などで表現。発想力&表現力も鍛える、まったく新しい体操が登場。[エクスナレッジサイトより]
2011/06/15(水)(artscape編集部)
カタログ&ブックス│2011年5月
展覧会カタログ、アートにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。
青森公立大学 国際芸術センター青森(ACAC) アーティスト・イン・レジデンス2010 反応連鎖 PLATFORM 1「24 OUR TELEVISION」
青森公立大学 国際芸術センター青森(ACAC)の展開するAIR事業の一環として、アーティスト・ユニット Nadegata Instant Partyを招聘し進められたプロジェクト「反応連鎖 PLATFORM 1」の活動記録集。「24 OUR TELEVISION」と題し、USTREAMによる24時間だけの生放送テレビ局が開局された。プロジェクトの制作過程、24時間生放送の様子、また放送終了後に開催された展覧会の記録が収録されている。
AC2 12号(通算13号)
青森公立大学 国際芸術センター青森(ACAC)の定期刊行誌『AC2』の12号。ACACにおける2010年の活動記録のほか、センター開館10周年記念の特集記事が収録されている。
青森公立大学 国際芸術センター青森 アーティスト・イン・レジデンス・プログラム 2010/秋 「吃驚」カタログ
青森公立大学国際芸術センター青森において2010年秋に行なわれたAIR事業「吃驚 BIKKURI」の活動記録集。本事業の招聘アーティストはアンジー・アトマジャヤ、ソン・サンヒ、狩野哲郎、津田道子、山本聖子の計5名。アーティストの滞在中に開催された展覧会の様子が会場の写真と学芸員の解説によって報告されている。
ダブルネガティヴス アーキテクチャー ──塵の眼、塵の建築
ダブルネガティヴス アーキテクチャー(dNA)は、建築家・市川創太を中心に、構造家、デザイナー、メディア・アーティスト、音楽家などから構成され、1998年から活動をつづけています。 彼らの関心はまず、現在、建築を可能にしているさまざまな単位、記号、平面図や立面図・断面図、パースなどのノーテーションそのものに向けられ、「建築家の言語の限界は、建築の限界か?」と問うことからはじまります。昆虫のような複眼がなめらかに連続した「Super Eye」を携え、塵に変態して、目を、耳を、感覚を、認識を変化させてみると、空間や建築はどのような形をとり、どのような可能性を獲得するのでしょうか。リンデンマイヤーシステム、人工生命、セル・オートマトン、スモール・ワールド・ネットワーク、アルゴリズム、データマイニングなどの知見を蓄えつつ実践へと結実していく、複雑かつ実験的なプロセスを約200点の図や写真とともに徹底的に紹介し、もうひとつの空間・建築像を展開する、実験的な一冊です。[INAX出版サイトより]
山本糾展──落下する水 カタログ
青森公立大学国際芸術センター青森において2010年4月24日〜6月13日の会期で開催された「山本糾展─落下する水」のカタログである。近藤由紀(国際芸術センター青森学芸員)による解説文、作品の図版、出品作品リストなどが収録されている。
映画空間 400選
スクリーンに映る建築や都市、場所、風景、そしてそこでの人物の躍動、生きた空間……。映画の空間は19世紀末の映画誕生から、私たちを刺激し、憧れを抱かせ、ある時は考え込ませ、ある時は勇気づけ、楽しませてきました。 本書はこの空間という切り口で、映画史115年を横断しながら作品の紹介・解説をする「映画と空間の基本書」です。1895年から2010年までの400本の映画作品紹介と、空間に関するキーワードをめぐってのコラム、充実の年表と資料編も掲載。執筆陣は、建築家、映画監督、小説家など、映画の作り手や専門家、また各分野の無類の映画好きたち。映画の空間を考えることで、映画の見方や建築・都市・場所・風景の読み方が豊かに広がっていくことを目指した一冊です。[INAX出版サイトより]
述 4号 特集=文学10年代
近畿大学国際人文科学研究所紀要の第4号。特集「文学10年代」には、人文研を中心とした近大の教員・卒業生などにより執筆された論考が掲載されている。また、人文研の初代所長であり、2010年に『世界史の構造』を刊行した柄谷行人のインタビューも収録。
稲門建築会機関誌「WA」2011特別号 早稲田建築
2010年に創設100周年を迎えた早稲田大学創造理工学部建築学科の記念事業の一環として、稲門建築会の沿革がまとめられた冊子である。稲門建築会の元教員・学外会員による建築作品や様々な活動が各時代ごとに紹介されている。
2011/05/16(artscape編集部)
カタログ&ブックス│2011年4月
展覧会カタログ、アートにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。
これが写真だ! 2 クロニクル2010
「artscapeレビュー」連載中の写真批評家・飯沢耕太郎氏による、1年間のレビューをまとめた一冊。2010年に本サイトに掲載された約150本のレビューを一挙掲載。2009年からは約50頁のボリューム増。各展覧会ごとに見出し付加し、可読性もアップした。「写真を巡る時代状況のドキュメント 超保存版クロニクル第2弾!」
artscapeレビュー:飯沢耕太郎
http://artscape.jp/report/review/author/1197769_1838.html
西山美なコ/〜いろいき〜壁の向こう側
現代日本文化のキーワード「かわいい」や「ピンク」「装飾性」を全面に押し出した作品を発表し続けるアーテイスト、西山美なコ。「壁画作品」「レフ・ワーク」「〜いろいき〜」「シュガーワーク」「学生時代のピンクの作品」「大人のピンク」「ニットカフェ・イン・マイルーム」……。時間軸を遡行しながら、自身の「西山美なコワールド」を縦横に語った特別講義。好評の神戸芸術工科大学レクチャーシリーズIIの第4弾。[新宿書房サイトより]
KOTOBUKI クリエイティブアクション 2008-2010
2008年から開始された「KOTOBUKI クリエイティブアクション」の三年間の活動をまとめた記録集。KOTOBUKI クリエイティブアクションはアーティストやクリエイターをはじめとしてさまざまな形で文化芸術に携わる活動の担い手たちが日本三大ドヤ(簡易宿泊施設)街のひとつである横浜・寿町エリアを舞台に活動を試みたものです。これまでのリサーチ的な活動から実際の制作、発表まで年間を通して行なわれているプロジェクト記録の他、スタッフやアーティストによる座談会なども収録されています。[寿クリエイティブアクションサイトより]
Booklet 19 視×触──視ること、触れること、感じること
「見ること」はもっとも明晰かつ高いリアリティをもった感覚として、人間の理性と洞察力の比喩として諸感覚の位階の最上位を占め続けてきた。「触れる」ことは「感じる」ことそのものであり、感情にまで直接に達する「感じ」の領域本体を形成していた。あらゆる知覚がバーチャルな次元と結びつかざるを得ない現状にあって、われわれが自分たちにとっての「現実」をどこに置くか、情報化・バーチャル化する世界の中で感情を持つ存在としてどのように生きていけばいいのか、という本質的な問いに取り込むことが求められている。[慶應義塾大学アート・センターサイトより]
ARCHIBOX in JAPAN
南洋堂書店企画の建築トランプ第2弾。今回は、選者に建築史家の倉方俊輔氏、イラストをグラフィックデザイナーのTOKUMA氏が担当。日本の近代建築を中心に、4つの年代と13のビルディングタイプから選ばれています。前回とはまた違った建築セレクトとイラストで楽しみながら建築を学べます。[南洋堂書店サイトより]
足ふみ留めて──アナレクタ1
彗星のように出現して思想・文学界を驚倒せしめた孤高の俊傑、佐々木中。『夜戦と永遠』以前から『切りとれ、あの祈る手を』へ向かう力強く飄然と舞いふみ留められた躍動する思考の足跡。[河出書房新社サイトより]
もうすぐ絶滅するという紙の書物について
老練愛書家2人による書物をめぐる対話。「電子書籍元年」といわれる今こそ読んでおきたい1冊! インターネットが隆盛を極める今日、「紙の書物に未来はあるのか?」との問いに、「ある」と答えて始まる対談形式の文化論。東西の歴史を振り返りつつ、物体・物質としての書物、人類の遺産としての書物、収集対象としての書物などさまざまな角度から「書物とその未来について」、老練な愛書家2人が徹底的に語り合う。博覧強記はとどまるところを知らず、文学、芸術、宗教、歴史と、またヨーロッパから中東、インド、中国、南米へとさまざまな時空を駆けめぐる。[阪急コミュニケーションズサイトより]
2011/04/15(金)(artscape編集部)
カタログ&ブックス│2011年3月
展覧会カタログ、アートにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。
アーキペラゴ 海と島と山を渡る──みるきくあるくフィールドワークショップ
2010年11月25日から11月28日に石川直樹をゲスト・アーティストにむかえ、おこなわれた「アーキペラゴ/海と島と山を渡る──みるきくあるくフィールドワークショップ」をまとめた写真集。民俗学者・宮本常一の軌跡をたどる。
文学のミニマル・イメージ モーリス・ブランショ論
20世紀、文学という芸術の本質について、最も徹底的な思索を重ねたモーリス・ブランショ。その最深部にはいかなる逆説が潜んでいるのか? デリダ、ディディ=ユベルマンらのイメージをめぐる哲学を視野に、詳細にブランショの文学概念をたどり、現代文学研究の到達点を示す。フランス文学研究の新たな才能・郷原佳以の誕生を告げる1冊![左右社サイトより]
セヴェラルネス+ 事物連鎖と都市・建築・人間
時の移ろいを組入れた建築・都市論、増補版。桂離宮、ローマ都市からメタボリズムまで、古今東西の事物と人間との創造的な連鎖の関係を明らかにし、よりよい環境づくりへの根源を示す。「先行形態論」を新たに追加。[鹿島出版会サイトより]
私は生まれなおしている 日記とノート 1947-1963
スーザン・ソンタグ14歳から30歳までの日記。激動する時代に対峙する思索の記録であり、10代での結婚、出産、離婚、同性愛の幸福と不幸に揺れる姿までもが赤裸々に綴られる衝撃の書![河出書房新社サイトより]
愉快な家 西村伊作の建築
2011年3月5日から11月19日までINAXギャラリーを巡回する「愉快な家−西村伊作の建築− Houses for Comfort」展の展覧会カタログ。大正から昭和にかけて自由闊達に、鮮烈に生きた人物、西村伊作(1884-1964)。彼の理想の住まい・暮らしのユートピアを記録した貴重な一冊。[INAX出版サイトより]
ディドロの唯物論 群れと変容の哲学
神もなく、弁証法的統一もない物質世界のうちに、不定形で「怪物的な」自然の秩序を発見したディドロ。百科全書的体系知の根底にうごめく「奇形」への眼差し、同時代の化学や生理学にもとづくラディカルな自然史的認識はいかに形成されたのか。その著作群への鋭利で精密な分析を通じて、唯物論的一元論者としてのディドロのアクチュアリティを示し、従来の哲学者像を大きく書き換える力作。[大学出版部協会サイトより]
ゴダール的方法
その音‐映像を0.1秒オーダーで注視せよ。高解像度の分析によって浮かび上がる未聞のJLG的映画原理。映画史=20世紀史を一身に引き受けようとするゴダールは、映画に何を賭しているのか? そして21世紀のゴダールはどこへ向かうのか? 映画論の「方法」を更新する新鋭の初単著。ゴダールとともに、知覚経験の臨界へ![INSCRIPT correspondenceより]
2011/03/15(artscape編集部)
カタログ&ブックス│2011年2月
展覧会カタログ、アートにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。
建築のあたらしい大きさ
2010年9月18日〜12月26日まで豊田市美術館にて開催された同名の展覧会カタログ。金獅子賞受賞後に初めて展開された5つのプロジェクトを紹介。展覧会では、極小から極大へ、その視点をめくるめく変化させながら、未来の建築の可能性を示唆した。各プロジェクトの会場風景や模型写真、科学的な資料を用いて、石上自身がそれぞれのコンセプトについて語る。
建築とは〈からまりしろ〉をつくることである
世界の階層性について、ヒトの生物学的進化について、農耕の始まりについて、自然と人工について、生命と倫理について等々、これまで建築家が視野の外に置いてきた大きなテーマを取り込みながら、平田晃久が構想する新しい建築観。bilingual。[INAX出版サイトより]
建築とは何か──藤森照信の言葉
「X-Knouledge HOME」誌に掲載された、藤森照信氏の言葉を「建築とは何か」をテーマに再編集。さらに藤森ケンチクを代表する傑作「高過庵」の構成から完成までに描かれた全スケッチを特別収録。藤森氏の考える「建築」がこの1冊で分かります。[エクスナレッジサイトより]
建築家・松村正恒ともうひとつのモダニズム
戦後間もない愛媛県八幡浜市役所の一職員として、珠玉の学校建築や病院関連施設を設計した建築家、松村正恒。本書は、著者花田の博士学位論文をもとに構成された、松村とその建築に関する初の本格的論考。600頁を超える大著。
アーキテクチャとクラウド──情報による空間の変容
建築・都市・空間について、それぞれ専門の著者による、対談・インタビュー・リサーチを編集した一冊。
2011/02/15(火)(artscape編集部)