2020年10月15日号
次回11月2日更新予定

artscapeレビュー

artscape編集部のレビュー/プレビュー

カタログ&ブックス | 2020年2月1日号[テーマ:陶芸]

テーマに沿って、アートやデザインにまつわる書籍の購買冊数ランキングをartscape編集部が紹介します。今回のテーマは、「陶芸」。東京・世田谷区の静嘉堂文庫美術館で開催中の「―「鉅鹿」発見100年― 磁州窯と宋のやきもの」展(2020年3月15日まで)や、長野県諏訪市のサンリツ服部美術館「数寄のデザイン」(2020年3月8日まで)、高浜市やきものの里かわら美術館の「やきもの王国 ―中世猿投窯と常滑窯―」展(2020年3月22日まで)など、国内外のうつわや茶道具をテーマにした展覧会が複数開催されているのにちなみ、「陶芸」という言葉に関連する書籍の購買冊数ランキングトップ10をお楽しみください。
ハイブリッド型総合書店honto調べ。書籍の詳細情報はhontoサイトより転載。

「陶芸」関連書籍 購買冊数トップ10

1位:はじめまして、ルート・ブリュック

著者:ルート・ブリュック
発行:ブルーシープ
発売日:2018年12月14日
定価:2,000円(税抜)
サイズ:19cm、205ページ

1940年代から80年代にかけて活躍したフィンランドの陶芸家・アーティスト、ルート・ブリュック。作品を紹介するとともに、その魅力の秘密を、さまざまな分野で活躍するクリエイターたちが語る。本体は背表紙なし糸綴じ。

2位:永遠なれ魯山人 この型破りな才能、後にも先にも見あたらず 北大路魯山人没後60年記念(別冊太陽 日本のこころ)

監修:山田和
発行: 平凡社
発売日:2019年6月26日
定価:2,500円(税抜)
サイズ:29cm、151ページ

陶芸、書、絵画、篆刻、漆芸、そして料理と、幅広い芸術分野で卓抜な才能を発揮した総合芸術家・北大路魯山人。彼の作品と彼が遺した言葉を通して、その人生の軌跡を振り返る。北大路魯山人没後60年記念。

3位:天目 てのひらの宇宙(別冊炎芸術)

発行:阿部出版
発売日:2018年12月10日
定価:2,500円(税抜)
サイズ:29cm、179ページ

多くの陶芸家が挑戦する天目。日本の近代巨匠や、注目を浴びている現代作家の作品をはじめ、中国から渡来した天目の名品と種類、今なお謎につつまれているその歴史などを紹介する。『炎芸術』掲載を再編集し書籍化。

4位:炎芸術 見て・買って・作って・陶芸を楽しむ No.137(2019春)特集茶人・千宗屋と現代の茶碗

発行: 阿部出版
発売日:2019年2月1日
定価:2,000円(税抜)
サイズ:29cm、158+4+6ページ

特集:茶人・千 宗屋と現代の茶碗
現代の陶芸家の多くが最も作りたいものとして「茶碗」を挙げますが、使い手との交流が少なくなり、鑑賞用の存在になってきています。
本特集では、新しい時代の茶の湯を牽引する茶人・千 宗屋氏に現代の茶碗に求めることを語っていただきます。

5位:麗しの酒器 見て・買って楽しむ(別冊炎芸術)

発行:阿部出版
発売日:2019年4月1日
定価:3,000円(税抜)
サイズ:29cm、195ページ

日本の酒文化には、日本独自の「やきもの文化」の伝統が深く根付いている。陶芸家の酒器の魅力を、注目作家・現代作家・巨匠の3つに分けて、それぞれ作家別に紹介する。酒器の楽しみ方、全国ギャラリーガイドも掲載。

6位:日本やきもの史 カラー版 増補新装

監修・執筆:矢部良明
発行:美術出版社
発売日:2018年3月22日
定価:2,500円(税抜)
サイズ:21cm、223ページ

縄文時代から平成の現代まで、日本の陶磁・やきものについてのすべてをコンパクトな一冊にまとめた陶芸全史。オールカラーで296点の作品を掲載し、巻末に日本陶磁の技術・様式系統図などの参考資料も付す。

7位:河井寬次郎 京都国立近代美術館所蔵作品集川勝コレクション

著者:河井寬次郎
編集:京都国立近代美術館
発行:光村推古書院
発売日:2019年5月1日
定価:2,700円(税抜)
サイズ:21cm、367ページ

「川勝コレクション」として京都国立近代美術館に収蔵されている河井寬次郎の作品425点をオールカラーで収録する。陶芸作品を中心に、初期から最晩年にいたるまでの代表的な作品を網羅。河井寬次郎年譜も掲載。

8位:陶工房 No.93(2019)器の見どころがわかる陶芸の教科書(SEIBUNDOmook)

編集:陶工房編集部
発行:誠文堂新光社
発売日:2019年5月21日
定価:1,800円(税抜)
サイズ:30cm、119ページ

特集:器の見どころがわかる 陶芸の教科書
お気に入りの器を「知る」「買う」「作る」ために必要なことを、ぎゅっと凝縮して7つのレクチャーに仕立てました。
はじめて作家ものを買いに行く人も、目利き道を極めたい人も、器つくりをより深化させたい人も、知っておくと役に立つ知識をまとめた「教科書」です。
本号を読めば、改めて陶芸の魅力にふれることができる、そんな内容の大特集になっています!

9位:井戸茶碗の真実 いま明かされる日韓陶芸史最大のミステリー

著者:趙誠主
翻訳:多胡吉郎
発行:影書房
発売日:2019年8月30日
定価:2,500円(税抜)
サイズ:19cm、197ページ

日本では国宝ともなった茶碗の王者・井戸茶碗は、原産地・朝鮮ではどんな器だったのか? 土と炎を熟知した韓国人陶芸家が、製作時期、場所、用途など多角的なアプローチから謎の名碗の真実に迫る。訳者による現地訪問記付き。

10位:炎芸術 見て・買って・作って・陶芸を楽しむ No.140(2019冬) 特集女性陶芸家の瑞々しい力

発行:阿部出版
発売日:2019年11月1日
定価:2,000円(税抜)
サイズ:29cm、156+4+6ページ

特集 女性陶芸家の瑞々しい力
●巻頭インタビュー 小川待子の芸術
●4つのキーワードで読み解く女性陶芸家の表現
●女性陶芸家の歴史と未来





artscape編集部のランキング解説

「陶芸」と聞くと日本の伝統的な焼きものやうつわをイメージしがちですが、今回のランキングの1位に輝いたのはフィンランドの陶芸家ルート・ブリュックを紹介する一冊。昨年4月から東京ステーションギャラリーを皮切りに巡回中の「ルート・ブリュック 蝶の軌跡」展(今年4月からは岐阜県現代陶芸美術館、7月からは久留米市美術館に巡回予定)に先駆けて刊行されたもので、皆川明や志村ふくみ、酒井駒子といった現代を生きるクリエイターたちによる寄稿など、読みものとしても充実の内容です。
2位以降は、北大路魯山人や河井寬次郎といった著名な作家の仕事をまとめたビジュアルブックが目立つ一方、陶芸の入門書的なアプローチの本も複数ランクインし、鑑賞のコツや歴史を知りたい!という人が多いのがうかがえます。
ランク外では、16位に『噓八百』(今井雅子著、2018年1月公開の同名映画のノベライズ)や、20位に『フレア 連続テレビ小説スカーレット ボーカル&ピアノ ピアノ・ソロ 女声三部合唱(NHK出版オリジナル楽譜シリーズ)』など、陶芸を題材にした映画・ドラマの関連書籍も。私たちの生活とも切り離せないところにある芸術ジャンルだからこそ、陶芸は素朴な関心を集め続けているのかもしれません。あなたもお気に入りの一冊を見つけてみてください。


ハイブリッド型総合書店honto(hontoサイトの本の通販ストア・電子書籍ストアと、丸善、ジュンク堂書店、文教堂)でジャンル「芸術・アート」キーワード「陶芸」の書籍の全性別・全年代における購買冊数のランキングを抽出。〈集計期間:2019年1月1日~2019年12月31日〉

2020/02/03(月)(artscape編集部)

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カタログ&ブックス | 2020年01月15日号[近刊編]

展覧会カタログ、アートやデザインにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。
※hontoサイトで販売中の書籍は、紹介文末尾の[hontoウェブサイト]からhontoへリンクされます





DUMB TYPE 1984 2019

著者:ダムタイプ、浅田彰、バーバラ・ロンドン、長谷川祐子
ブックデザイン:南琢也
発行:河出書房新社
発行日:2019年12月30日
定価:3,300円(税込)
サイズ:B5変形、216ページ

高谷史郎、池田亮司を擁する日本を代表するアーティストコレクティヴ、ダムタイプ。35年におよぶ活動の全記録を収録した決定版カタログ。

表現の生態系 世界との関係をつくりかえる

著者:あかたちかこ、石倉敏明、糸井潤、今井朋、尾花賢一、地主麻衣子、白川昌生、管啓次郎、住友文彦、高山明/Port B、ティム・インゴルド、中村裕太、ブブ・ド・ラ・マドレーヌ、三輪途道、山田創平、吉田絵美
装幀:TAKAIYAMA inc.
発行:左右社
発行日:2019年10月20日
定価:2,420円(税込)
サイズ:B5変型並製、224ページ

分断を見つめなおし、他者と共に生きるために。
今、アートに求められていることとは?
社会運動、ジェンダー、マイノリティ、宗教、自然などをキーワードに、
世界との関係性を見つめなおし、つくりかえていこうとする31組のアーティストを紹介します。

「アートセンターをひらく」記録集

著者:竹久侑、森山純子、村田麻里子、後藤桜子、久保田翠、小山田徹、横須賀聡子、砂連尾理
デザイン:橋詰宗
発行:水戸芸術館現代美術センター
発行日:2019年12月23日
定価:1,980円(税込)
サイズ:B5判、176ページ

開館30周年を目前に企画された、当館現代美術センターの役割を改めて問い直す特別企画。その第Ⅰ期と第Ⅱ期の様子を収録した記録集です。 第Ⅱ期である展覧会で発表中の作品群は、ギャラリーをアーティストと市民による「創作と対話」の場へと転換した第Ⅰ期の特殊な環境下で制作されました。そうして生まれた新作の展示風景が、アーティストの言葉とともに収録。また、寄稿・執筆テキストのほか、第Ⅰ期で交わされたいくつもの言葉から、「いま、必要な場所」「介護/看取り」「学びとは?、学校とは?」にまつわる3つの座談会の記録をもれなく掲載。「ひらくカフェ」で生まれた来場者の創作物やカフェスタッフの言葉なども。

wow, see you in the next life. (The magazine) vol.2

企画:コンタクトゴンゾ+YCAMバイオ・リサーチ
編集:三ヶ尻敬悟(コンタクトゴンゾ)、吉﨑和彦(山口情報芸術センター[YCAM])
デザイン:小池アイ子
発行:山口情報芸術センター[YCAM]
発行日:2019年11月15日
定価:1,000円
サイズ:A4判、50ページ

山口情報芸術センター[YCAM]で開催されているcontact Gonzo+YCAMバイオ・リサーチ「wow, see you in the next life./過去と未来、不確かな情報についての考察」(2019年10月12日〜2020年1月19日)に関連して制作されたマガジンの2号目。会期前から会期末にかけて、contact Gonzoメンバーの塚原悠也によるSF小説などを所収したマガジンが3回発行される。山口情報芸術センター[YCAM]、一部書店、Amazonマーケットプレイスにて販売中。

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展覧会における体験は遺伝情報に影響を与えるか──YCAMバイオ・リサーチとcontact Gonzoがとりくむ身体表現(最終回)|津田和俊/吉﨑和彦:キュレーターズノート(2019年12月15日号号)

「wow, see you in the next life. /過去と未来、不確かな情報についての考察」についての考察|角奈緒子:キュレーターズノート(2019年12月01日号)

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身体はどこから来て、どこへ行くのか──YCAMバイオ・リサーチとcontact Gonzoがとりくむ身体表現|津田和俊/吉﨑和彦:キュレーターズノート(2019年06月01日号)

存在と出来事

著者:アラン・バディウ
翻訳:藤本一勇
発行:藤原書店
発行日:2019年12月
定価:8,800円(税込)
サイズ:A5上製、656ページ

フランス現代思想“最後”の巨人、最重要文献の完訳。
“出来事”を数理的に擁護せよ──革命・創造・愛といった「出来事」を神秘化・文学化から奪還し、集合論による「存在」の厳密な記述に基づき、「出来事」の“出来”の必然性を数理的に擁護する。アルチュセールの弟子にして、フランス現代思想“最後”の巨人が、数学と哲学の分断を超えてそのラディカリズムの根拠づけを企図し、後の思弁的実在論にも影響を与えた最重要文献。

映画と黙示録

著者:岡田温司
発行:みすず書房
発行日:2019年12月19日
定価:4,400円(税込)
サイズ:四六判、336ページ

核による人類滅亡、宇宙戦争、他者としての宇宙人(異星人)の表象、救われる者と救われない者、9・11という虚実の転倒と終末映画、そして、コンピューターやロボット、AIに支配される社会…。ホラー、パニック、アクション、戦争、SF、ミステリー、フィルム・ノワールなど、約250作を取り上げ、原典があらわすイメージ・思想と今日の私たちとの影響関係を解き明かす、西洋美術史・思想史家の面目躍如たる一冊。

自画像のゆくえ

著者:森村泰昌
発行日:2019年10月17日
定価:1,650円(税込)
サイズ:新書判ソフト、632ページ

だれもが感じているように、現代ほど「わたしがたり」にあふれかえった時代はこれまでになかった。世界的にその傾向にあるのかもしれないが、日本ではこの傾向がとくに顕著であるようにも思われる。(中略)本書は、私なりの想像力をつけくわえて試みた、自画像の歴史をめぐる、21世紀人のためのツアーである。ツアーは過去から順をおって、やがて20世紀へといたり、最後はふたたび私たちが生きているこの現代(=「自撮り/セルフィー」の時代)にもどってきたいと思う。(「はじめに」より)

これはダンスか? 「大野一雄」は終わらない

編集:NPO法人ダンスアーカイヴ構想
発行:若山美術館
発行日:2019年10月27日
定価:1,980円(税込)
サイズ:A5判、160ページ

2018年9月28日~12月8日に若山美術館で開催された「大野一雄展 日常の糧」の図録。未公開スナップ写真、手紙、近親者の証言から伝説的舞踏家、大野一雄の素顔に迫る。





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2020/01/15(水)(artscape編集部)

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カタログ&ブックス | 2019年12月15日号[近刊編]

展覧会カタログ、アートやデザインにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。
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日本国憲法

編者:松本弦人
発行:TAC株式会社 出版事業部(TAC出版)
発行日:2019年11月30日
定価:1,700円(税抜)
サイズ:A5判変型、224ページ

令和版『日本国憲法』、満を持して登場!
103の条文とすごい美術69作品で、憲法を味わう。
憲法×アートによる、あたらしいタイプの「日本国憲法」の本。

美術、漫画、写真、映画、──、
戦後日本を代表する錚々たる芸術作品とともに、「日本国憲法」を読み直す画期的な書籍です。
総ルビ、注釈つき本文、英文併記。

バンクシー アート・テロリスト

著者:毛利嘉孝
発行:光文社
発行日:2019年12月17日(予定)
定価:980円(税抜)
サイズ:新書、328ページ

ロンドンを中心に世界各地に出没し、痛烈な社会的メッセージを残していくストリートアーティスト、バンクシー。多くの謎に包まれている覆面アーティストの全体像に迫る入門書の決定版。

コミュニケーション資本主義と〈コモン〉の探求 ポスト・ヒューマン時代のメディア論

編者:伊藤守
発行:東京大学出版会
発行日:2019年9月19日
定価:5,000円(税抜)
サイズ:A5版、296ページ

情動化する(ポスト)メディアとすべてを市場化する新自由主義によってあらゆる事象は覆い尽くされた。コミュニケーション資本主義が全面展開した制御=管理型社会において、変貌を遂げる生権力によって窒息しかけ、放逐されつつある私たちの〈生〉のあり方の実相を浮かび上がらせる。「コミュニケーション資本主義」を冠した初の論集。

森山大道写真集成(3)写真よさようなら

著者:森山大道
発行:月曜社
発行日:2019年12月9日
定価:7,500円(税抜)
サイズ:A4判変型、328ページ

伝説的名作の復活(初版1972年写真評論社、2006年パワーショベル、2012年講談社)。中平卓馬との対談全文掲載。「あのころのぼくは、写真に対する過剰な想念の海で溺れる寸前だった。そして、やっとの思いで泳ぎ着いた彼岸が、この写真集だった。写真というものを、果ての果てまで連れて行って無化したかった」(森山大道)。
デザイン:町口覚

フレームの外へ 現代映画のメディア批判

著者:赤坂太輔
発行:森話社
発行日:2019年11月29日
定価:2,900円(税抜)
サイズ:四六判、304ページ

あらゆる画面が我々を囲み、新たな「自然」となりつつある現在。文字情報に奉仕する映像と音に操られてしまわないために、我々はこの環境といかにして向き合うべきか。
フレームの「内」と「外」、画面と音声の関係を軸に、ロッセリーニ、ブレッソン、ゴダール、ストローブ=ユイレ、さらにアメリカや日本の戦後映画をたどり、ロシア、南米、中東などの先鋭的な映画作家まで、「フレームの外へ」と分析の眼差しを向ける、ポスト・トゥルース時代の現代映画論。

22世紀の荒川修作+マドリン・ギンズ 天命反転する経験と身体

編著者:三村尚彦、門林岳史
発行:フィルムアート社
発行日:2019年12月25日
定価:3,200円(税抜)
サイズ:A5判、320ページ

死すべき存在でありながら、生命を消滅させないという矛盾を荒川+ギンズはどのように乗り越えようとしたのか。
人間の運命に戦いを仕掛け、運命を根底から覆す「天命反転」を企てた、今なお/今こそ現在進行形というべき荒川+ギンズの思想と実践を、身体論を軸として、哲学、建築、美術、心理学、教育学などさまざまな専門分野から再検討する。それとともに荒川+ギンズ関連の展覧会、パフォーマンスなどの近年のプロジェクトを包括的に紹介する。

REAR43号 「風景断片」「コレクション再考」

編集・発行:リア制作室
発行日:2019年10月31日
定価:600円(税抜)
サイズ:A5版、112ページ

現代における芸術の批評・ドキュメントを掲載し、中部・東海地域の作家や展覧会に見られる独自の視点を捕捉することに重きをおいた芸術批評誌『REAR』の最新刊。特集は「風景断片」、第2特集は「コレクション再考」。櫃田伸也のインタビューや、北川智昭、中村史子などの批評を収録。

ART PROJECT KOBE 2019: TRANS- 公式カタログ

編集:林寿美、鮫島さやか、芦田彩葵、久保優梨子
アートディレクション&デザイン:鈴木大義
発行:TRANS-KOBE実行委員会事務局
発行日:2019年11月9日
定価:2,000円(税抜)
サイズ:A4版、96ページ

2019年9月14日〜11月10日に神戸で開催されたアート・プロジェクト「TRANS- 」の公式カタログ。グレゴール・シュナイダー《美術館の終焉ー12の道行き》の展示風景や制作風景、やなぎみわ野外巡礼劇『日輪の翼』公演風景のほか、テキストなどを収録。限定200部。





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2019/12/15(artscape編集部)

カタログ&ブックス | 2019年12月1日号[テーマ:印象派の印象がくつがえる5冊]

月替わりのテーマに沿って、アートやデザインにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。今月のテーマは、「印象派の印象がくつがえる5冊」。横浜美術館で開催中の「オランジュリー美術館コレクション ルノワールとパリに恋した12人の画家たち」展(2020年1月13日まで)や、三菱一号館美術館の「印象派からその先へ─世界に誇る吉野石膏コレクション展」(2020年1月20日まで)、東京都美術館の「コートールド美術館展 魅惑の印象派」展(2019年12月15日まで)など、関東近郊ではこの秋冬、印象派にちなんだ展覧会が盛りだくさん。今月は、美術展テーマの花形のように語られることも多い印象派のイメージを更新してくれる5冊を選びました。

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印象派という革命

著者:木村泰司
発行:集英社
発行日:2012年3月29日
定価:2,286円(税抜)
サイズ:四六判、224ページ+口絵40ページ

「なぜ日本人は『印象派』が好きなのか」という素朴な問いかけから始まり、モネ、ドガ、ルノワールといった印象派の代表的な作家や、ベルト・モリゾ、メアリー・カサットなどの女性作家たちにも一人ずつクローズアップし、その生涯や作品に込められた感情などを紐解いていきます。印象派の成り立ちや彼らを取り囲む時代状況など、歴史の文脈から印象派への理解を深めるのにも適した一冊。

ルノワールへの招待

編集・発行:朝日新聞出版
発行日:2016年4月7日
定価:1,600円(税抜)
サイズ:B5判並製、95ページ

印象派の作家のなかでもルノワールに着目し、さまざまなアプローチで深堀りしていく仕掛けに富んだ入門書。《ムーラン・ド・ラ・ギャレット》など六つの名画の原寸大が体感でわかるページや、作品のディテールに込められたトリビアなど、ルノワール作品に対峙するときの頭のなかの解像度がぐっと上がるはずです。

モネのキッチン 印象派のレシピ(1)

著者:にしうら染
発行:秋田書店
発行日:2018年6月14日
定価:453円(税抜)
サイズ:17×11cm、119ページ

印象派を「食」の観点からほのぼのと描く、いままでにないマンガ作品。モネとその友人ルノワールの若年時代、お金がなかったがゆえの料理への偏愛が描かれています。19世紀フランスの庶民の食生活が覗けるという意味で「食」マンガ好きの方にもおすすめ。全2巻。

小林秀雄全作品 22 近代絵画

著者:小林秀雄
発行:新潮社
発行日:2004年7月
定価:2,000円(税抜)
サイズ:19×13.2cm、333ページ+図版16ページ

文芸批評家・小林秀雄が50歳のとき(昭和27年)にパリで観て歩いたモネ、セザンヌ、ドガ、ピカソなどを論じた一冊。印象派の人物列伝としても読みごたえは充分で、画家たちの人間関係や時代の雰囲気、そして彼らがつくり出す色彩と美の描写の厚みに唸ります。

印象派で「近代」を読む 光のモネから、ゴッホの闇へ(NHK出版新書)

著者:中野京子
発行:NHK出版
発行日:2011年6月
定価:1,000円(税抜)
サイズ:新書判、211ページ

『怖い絵』シリーズで人気を集める著者が、印象派の画家たちが生きた時代を社会的背景から読み解く一冊。政治/経済/文化など、あらゆる側面で激動の渦中にあった19世紀後半のパリは、当時の画家たちになぜあのような光に満ちた色彩を描かせ、印象派を花開かせたのか。その裏にあった格差社会のリアルにも言及する本書は、印象派の見方を大きく変えてくれるかもしれません。





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2019/12/01(artscape編集部)

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カタログ&ブックス | 2019年11月15日号[近刊編]

展覧会カタログ、アートやデザインにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。
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横浜美術館30周年記念 美術でつなぐ人とみらい

寄稿者:朝吹真理子、五十嵐太郎、伊藤亜紗、円城塔、岡田利規、鈴木理策、ドミニク・チェン、奈良美智、西沢立衛、平田オリザ、森村泰昌
発行:河出書房新社
発行日:2019年10月29日
定価:2,200円(税抜)
サイズ:B5判、136ページ

みなとみらいの中心に位置する都市型美術館の先駆として開館30周年を迎える横浜美術館。豪華執筆陣の小説・写真・論考など充実したクリエイションで街と美術館の未来について思いを馳せる。

キース・へリング〜アートはすべての人のために〜

総監修:梁瀬薫
編集長:藤原えりみ
デザイン:小池俊起
発行:美術出版社
発行日:2017年8月3日
定価:4,400円(税込)
サイズ:A4 変型、ソフトカバー、200ページ

「中村キース・へリング美術館」開館10周年を記念して発行される、80年代アメリカのアートシーンを代表する画家、キース・へリングの魅力のすべてが詰まった一冊。地下鉄のラクガキドローイングにはじまる彼のアーティストとしてのキャリアは、1990年に亡くなるまでの10年間。ヘリングは短い人生を疾走するように創作活動を展開。本書は美術館の10年間の歩みをたどりつつ、所蔵作品を中心に、ドローイング、立体ほか約160の作品を掲載。暴力や差別を否定して平和や生きる歓びをメッセージとして発信し、人間の意識や社会のあり方を変えていこうとしたヘリングの幅広い活動を紹介する。

VIRAL: Enrico Isamu Oyama

監修:梁瀬薫
執筆:林道郎、櫻林恵美理、梁瀬薫、大山エンリコイサム
デザイン:小池俊起、林頌介
発行:中村キース・ヘリング美術館
発行日:2019年8月10日
定価:4,600円(税込)
サイズ:A4判、80ページ

中村キース・ヘリング美術館にて、2019年5月より開催中の大山エンリコイサム個展「VIRAL」の展覧会カタログ。 本書には同展覧会のインスタレーションビューをはじめ、大山によるステートメント、美術史家の林道郎による論考を収録。 当館ならではの視点から、キース・ヘリングとの共通性にも迫る一冊となっています。

窓展 窓をめぐるアートと建築の旅

学術協力:五十嵐太郎
編者:東京国立近代美術館
発行:平凡社
発行日:2019年11月
定価:2,500円(税抜)
サイズ:B5版、206ページ

美術作品に現れる「窓」は作品モチーフとして建築の一部として、さまざまな思いを想起させる。東京国立近代美術館の展覧会公式図録。

アンチ・アクション 日本戦後絵画と女性画家

著者:中嶋泉
発行:ブリュッケ
発行日:2019年9月
定価:3,800円(税抜)
サイズ:22cm、362ページ

草間彌生、田中敦子、福島秀子。3人の女性画家の画業をたどり、日本の戦後美術史と戦後美術運動のジェンダー的問題点を探りだし、「女性画家もいる」美術史を構築しようとする試み。

転形期のメディオロジー 一九五〇年代日本の芸術とメディアの再編成

編著者:鳥羽耕史、山本直樹
発行:森話社
発行日:2019年9月
定価:4,500円(税抜)
サイズ:A5判、352ページ

1950年代の日本で、テレビに代表されるニューメディアの出現が、印刷媒体中心であった既存のメディアをいかに変容・再定義していったのか。
本書では、主に文学・映像・美術のジャンルにおいて、異なるメディア間での相互交流、越境、再編成と、それらが作品や表現にもたらしたものを再検討し、現代の錯綜するメディア状況を歴史化する視点を提示する。

増補版 ゴダール マネ フーコー 思考と感性とをめぐる断片的な考察

著者:蓮實重彥
発行:青土社
発行日:2019年10月24日
定価:2,400円(税抜)
サイズ:B6判、302ページ

映画史、絵画史、思想史を横断する。
20世紀の「あらゆる映画はサイレント映画の一形式でしかない」と論じ、21世紀の「ポスト・トゥルース」と呼ばれる時代の「ポスト」について分析する2本のテクストを増補。

Holy Onion

著者:題府基之
エッセイ:クリス・フジワラ
ブックデザイン:服部一成
発行:オシリス
発行日:2019年10月20日
定価:4,800円(税抜)
サイズ:A5判変型、ハードカバー、蛇腹製本、エッセイ収録冊子付、164ページ

一人の女性がキッチンで玉ネギの皮をむく写真がひたすら続く──。あまりに日常的な、それでいてこの上なく非日常性を孕む光景。収録されているのは、フィルム1本分全35カット。1枚の写真にその人物を象徴する瞬間がとらえれているのがポートレイト写真だとすれば、『Holy Onion』は、既成のポートレイト写真への問いかけであるのかもしれない。「1枚で見せるポートレイトってことじゃなくて、35枚全部で一つのポートレイト。今回たまたま35枚でしたが、5枚でも10枚でも1枚じゃないポートレイトに最近興味がある」と題府は語る。『Still Life』、『Hypermarché – Novembre(大型スーパー、11月)』(ミシェル・ウェルベックとの共著)に続く待望の新刊写真集。





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2019/11/15(artscape編集部)

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