2023年09月15日号
次回10月2日更新予定

artscapeレビュー

artscape編集部のレビュー/プレビュー

カタログ&ブックス | 2022年12月15日号[近刊編]

展覧会カタログ、アートやデザインにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。
※hontoサイトで販売中の書籍は、紹介文末尾の[hontoウェブサイト]からhontoへリンクされます





SHUZO AZUCHI GULLIVER 「Breath Amorphous:消息の将来」

編集:SAGYO,Tokyo/certo Tokyo
アートディレクション:岡本佳子[ certo Tokyo ]
発行:BankART1929
発行日:2022年10月14日
サイズ:A3、256ページ

2022年10月7日(金)~11月27日(日)まで、BankART KAIKOとBankART Stationにて開催されていた、シュウゾウ・アヅチ・ガリバーの展覧会「Breath Amorphous 消息の将来」のカタログ。






「かげ」の芸術家 ゲルハルト・リヒターの生政治的アート

著:田中純
発行:ワコウ・ワークス・オブ・アート
発行日:2022年10月15日
サイズ:19x13cm、128ページ

思想史学者の田中純(東京大学大学院総合文化研究所教授)によるゲルハルト・リヒターの作品論4編を収録。リヒターの制作史で重要な3つのシリーズ《アトラス》《1977年10月18日》《ビルケナウ》をイメージ論の観点から考察しながら、リヒター作品を生政治的なアートとして紐解いていく。






吉村朗の眼 ─Eyes of Akira Yoshimura─

写真:吉村朗/編:深川雅文
発行:さいはて社
発行日:2022年10月20日
サイズ:A4変形判、240ページ

写真表現の革新を目指し、絶えざる前進を続けた吉村朗。馴化されず、媚を売らず、自らの道を突き進んだ、孤高の写真家の眼差しの軌跡と奇跡に刮目せよ!






建築家・石井修―安住への挑戦

編著:倉方俊輔+石井修生誕100年記念展実行委員会
発行:建築資料研究社
発行日:2022年11月10日
サイズ:A4判、176ページ

地形の形状を最大限生かしながら住空間と緑の共生した建築を多く手掛けた住宅作家・石井修。 経年と共に建物は疲弊し、見た目が悪くなってしまうのが一般的だが、年月を掛けることで、自然と建物が一体となることを目指した設計手法は独特である。 今でこそ当たり前の屋上緑化やエコ住宅の考え方も、石井修の自邸「回帰草庵」など初期の作品から取り入れられている。 「建物に外観はいらないのです」という一言に、その建築への考え方が集約されている。 1986年度の建築学会賞を受賞した目神山の一連の住宅作品をはじめ、代表作・天と地の家など、美建・設計事務所を創設以来追い求めてきた建築の理想像-大胆なまでの樹木との調和・合体した住宅作品を収めた「別冊住宅建築No.34」以降、平成期の作品を設計年代順に一挙に収録する。






新宗教と巨大建築 増補新版

著:五十嵐太郎
発行:青土社
発行日:2022年11月14日
サイズ:19cm、445ページ

東大寺や法隆寺だけが美しい宗教建築ではない。著名建築家の作品だけが、先進的な現代建築ではない──。新宗教の巨大で絢爛たる建築が、なぜ信仰の堕落・虚偽の教えの象徴とされるのか。近代国家イデオロギー、天皇制、さらにマスコミが増長させた偏見によって、教団と建築は徹底して弾圧を受け続けた。建築批評の気鋭が読み解く、新宗教建築に投影された「日本近代」の夢と信仰の空間。大幅に増補された決定版。






THE NEW CREATOR ECONOMY[ニュー・クリエイター・エコノミー]

編集:庄野祐輔、hasaqui、廣瀬 剛、田口典子、藤田夏海
発行:ビー・エヌ・エヌ
発行日:2022年11月16日
サイズ:B5判変型、248ページ

本書では、アーティスト、コレクター、キュレーター、リサーチャーなどさまざまな立場の視点を借りて、現在のNFTアートの状況を多面的に解説するとともに、現在へと繋がる歴史にも目を向ける。このグローバルなムーブメントは、連綿と続いてきたコンピュータアートの歴史だけでなく、既成のアートのあり方も書き換えるのか。アーティストはどのような態度で創造に臨むのか。加速するデジタルアートの可能性を追う一冊。






DOMANI・明日展 2022–23 百年まえから、百年あとへ

監修:林洋子(文化庁) 編集:内田伸一、アート・ベンチャー・オフィス ショウ
発行:文化庁

サイズ:A5判、396ページ

2022年11月19日(土)~2023年1月29日(日)まで、国立新美術館にて開催されている展覧会「DOMANI・明日展 2022–23」のカタログ。







飯沢耕太郎「完璧な小さな恋人」

著:飯沢耕太郎
作品掲載作家:野村仁衣那、磯部昭子、下瀬信雄、村上賀子、サイトウマサミツ、ときたま、小林小百合、川田喜久治、小平雅尋、尾仲浩二、飯沢耕太郎

発行:ふげん社
発行日:2022年11月22日
サイズ:B5判、116ページ

写真評論を中心に活動してきた同氏の26年ぶりの詩画集。詩と自作を含むヴィジュアル(写真、ドローイング、コラージュなど)で構成。






合田佐和子 帰る途もつもりもない

監修:高知県立美術館、三鷹市美術ギャラリー
発行:青幻舎
発行日:2022年11月26日
サイズ:A5判、280ページ

合田佐和子(1940–2016)は高知に生まれ、1965年の個展デビュー以来、オブジェや絵画、写真といったメディアを横断しながら創作を展開しました。唐十郎や寺山修司とのコラボレーション、瀧口修造など美術評論家からの高い評価、またファッションや音楽など領域を超えたものたちとの親和性により、アングラが隆盛した時代の空気を体現するに至ります。しかし一転して90年代以降はその退廃的な作風を脱ぎ捨て、まばゆい光に満たされた、より内省的な世界を深めていきます。






青春20世紀美術講座 激動の世界史が生んだ冒険をめぐる15のレッスン

著:新見隆
発行:東京美術
発行日:2022年11月28日
サイズ:19cm、240ページ

「20世紀美術」は、産業革命ののち、「近代」が定着するとともに露呈したさまざまな問題に直面する中生まれました。芸術家は、「青春」をかけて芸術と社会の問題に取り組み、苦闘の中から前例のない作品を生み出したのです。一方「近代化」の影響は、地球環境問題やコロナ禍などに直面する現代へつながり、人々を苦悩へと引き込みます。解くのが容易ではない山積みの問題を前にした現代の我々は、どうしたらよいのか? 本書では20世紀美術を生み出した芸術家達の苦闘の中にその問いへの答えを探り、現代を生き抜くためのヒントを見出します。






沖縄と琉球の建築|Timeless Landscapes 3

写真:小川重雄
解説:青井哲人
発行:millegraph
発行日:2022年11月29日
サイズ:304×230mm、88ページ

伝統的民家、およそ半世紀前につくられたリゾート建築の金字塔、そしてグスク(城)の遺構、樋川(湧水)、御嶽に見られる密やかな人為の跡、フクギの防風林など、その風土ならではの人工環境を「建築」と捉えた1冊。






潜在景色

編著:アーツ前橋
写真:石塚元太良、片山真理、下道基行、鈴木のぞみ、西野壮平、村越としや
発行:ART DIVER
発行日:2022年11月下旬
サイズ:B5判、144ページ

石塚元太良、片山真理、下道基行、鈴木のぞみ、西野壮平、村越としや
これからの写真界を牽引する30歳代から40歳代の実力派作家6名による展覧会の公式カタログ。
撮り下ろし新作を含む、メディア未発表作品を多数掲載。






アートプレイスとパブリック・リレーションズ 芸術支援から何を得るのか

著:川北眞紀子(南山大学教授),薗部靖史(東洋大学教授)
発行:有斐閣
発行日:2022年12月5日
サイズ:A5判、282ページ

デジタル化とコモディティ化が進む現代,アートの「場」から得られる知見や着想,地域や文脈とのつながり,そして真正性は,企業にとって有益なものである。アートプレイスの構築から企業が得られるものとは何か。取材と分析から得られた知見をもとに伝えていく。






金サジ写真集『物語』

デザイン:佐々木暁
発行:赤々舎
発行日:2022年12月中旬(予約販売)
サイズ:B4変形

写真家 金サジの代表作「物語」シリーズの写真集。











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展覧会カタログ、アートやデザインにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。
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2022/12/14(水)(artscape編集部)

カタログ&ブックス | 2022年12月1日号[テーマ:ウォーホルをこの人はどう見ていたか? 個人の記憶と時代が交差する5冊]

言わずと知れたポップ・アートの旗手ウォーホル。1956年の初来日時の京都と彼の接点にも目を向けた大回顧展「アンディ・ウォーホル・キョウト」(京都市京セラ美術館で2022年9月17日~2023年2月12日開催)に際し、日本の作家や芸術家たちがウォーホルに向けた個人的な眼差しが時代背景とともに垣間見える5冊を選びました。

※本記事の選書は「hontoブックツリー」でもご覧いただけます。
※紹介した書籍は在庫切れの場合がございますのでご了承ください。
協力:京都市京セラ美術館


今月のテーマ:
ウォーホルをこの人はどう見ていたか? 個人の記憶と時代が交差する5冊

1冊目:見えない音、聴こえない絵(ちくま文庫)

著者:大竹伸朗
発行:筑摩書房
発売日:2022年8月10日
サイズ:15cm、363ページ

Point

アーティスト・大竹伸朗によるエッセイ集。大量消費社会の合わせ鏡としてのウォーホル作品に対する著者の問題意識が綴られる「ウォーホル氏」の章だけでなく、子供時代の雑誌や漫画との衝撃的な出会い、コラージュという手法に目覚めた瞬間など、著者の現在の作家活動にもつながる記憶のディテール描写に気づけば夢中に。


2冊目:ウォーホルの芸術 ~20世紀を映した鏡~(光文社新書)

著者:宮下規久朗
発行:光文社
発売日:2010年4月
サイズ:18cm、294ページ

Point

日本でのウォーホルの回顧展にも関わった美術史家の目線から、メディアを通してセンセーショナルにつくり上げられていった国内でのウォーホルのイメージと、実は多くの人が深くは理解していないであろう美術史上での彼の作品の意義を俯瞰的に解説。ウォーホルという人物を知るうえでの最初の一冊としてもおすすめです。


3冊目:サブカルズ(角川ソフィア文庫 千夜千冊エディション)

著者:松岡正剛
発行:KADOKAWA
発売日:2021年1月22日
サイズ:15cm、428ページ

Point

現代の知の大家・松岡正剛による「サブカル」に関する書評集。1世紀前のアメリカにサブカルチャーの起源を見出し、日本の漫画・ラノベに至るまで、植草甚一、都築響一、東浩紀などの著書も網羅。ウォーホル『ぼくの哲学』評では「とびきり猜疑心が強くて、ひどく嫉妬心が強い」ウォーホルの人物像を魅力的に描いています。



4冊目:CONTACT ART 原田マハの名画鑑賞術

著者:原田マハ
発行:幻冬舎
発売日:2022年10月26日
サイズ:20cm、191ページ

Point

作家・原田マハが日本各地の美術館を訪ね、モネ、ルソー、東山魁夷など名だたる絵画と向き合い語られる、彼女流の作品解説。福岡市美術館で鑑賞するウォーホルのシルクスクリーン作品「エルヴィス」の章も収録。「美術館大国」として日本を少し違った角度から見つめ直すこともできる、アートファンに広く薦めたい一冊です。



5冊目:自画像のゆくえ

著者:森村泰昌
発行:光文社
発売日:2019年10月17日
サイズ:18cm、615ページ

Point

絵画や作家に扮したセルフポートレイト作品を通してアイデンティティとイメージの関係を問い続ける美術家・森村泰昌が「自画像」という軸で語り直す、世界と日本の美術史。ウォーホル作品を深く読み解く第8章だけでなく、ダ・ヴィンチ、ゴッホから現代日本のコスプレ文化やセルフィーに至るまでの、その射程の広さに驚嘆。







アンディ・ウォーホル・キョウト

会期:2022年9月17日(土)~2023年2月12日(日)
会場:京都市京セラ美術館 新館「東山キューブ」(京都府京都市左京区岡崎円勝寺町124)
公式サイト:https://www.andywarholkyoto.jp/


[展覧会図録]
「アンディ・ウォーホル・キョウト」公式図録

編集:ソニー・ミュージックエンタテインメント、イムラアートギャラリー
発行:ソニー・ミュージックエンタテインメント ©2022-2023
発行日:2022年9月17日
サイズ:A5判型(145×210mm)、340ページ

出品作品のカラー図版と詳細な解説文、本展キュレーターのホセ・ディアズ氏(アンディ・ウォーホル美術館)の「ウォーホルと日本:1956年」と山田隆行氏(京都市京セラ美術館)の「アンディ・ウォーホル・イン・キョウト─ウォーホルの京都滞在(1956年)を振り返る─」論文を収録。1956年のウォーホル来日時の足跡をたどり、ウォーホル芸術に日本が与えた影響を考察します。ニューヨークの「ファクトリー」を二度訪問し、生前のウォーホルと交流のあった美術家・横尾忠則氏によるエッセイも必読! その他にもアンディ・ウォーホル美術館のアーカイブをまとめた『A is for Archive』からファッションをテーマとした「F is for FASHION」を本書のために翻訳。1956年と1974年の二度の日本訪問を記録した貴重な写真を多数収録した永久保存版。

◎展覧会会場にて販売中。

2022/12/01(木)(artscape編集部)

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カタログ&ブックス | 2022年11月15日号[近刊編]

展覧会カタログ、アートやデザインにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。
※hontoサイトで販売中の書籍は、紹介文末尾の[hontoウェブサイト]からhontoへリンクされます





ムン・キョンウォン&チョン・ジュンホ:どこにもない場所のこと

著:中田耕市/パク・ジュウォン(韓国国立現代美術館)
発行:金沢21世紀美術館[公益財団法人金沢芸術創造財団]
発行日:2022年9月30日
サイズ:A4変形判、128ページ

2022年5月3日(火・祝)〜9月4日(日)まで、金沢21世紀美術館にて開催されていた展覧会「ムン・キョンウォン&チョン・ジュンホ:どこにもない場所のこと」のカタログ。




今井俊介 スカートと風景

著:天野太郎/竹崎瑞季
発行:丸亀市猪熊弦一郎現代美術館、公益財団法人ミモカ美術振興財団
発行日:2022年10月
サイズ:29.7cm× 21.1cm× 1.6cm

2022年7月16日(土)〜11月6日(日)まで、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館にて開催されていた企画展「今井俊介 スカートと風景」のカタログ。






「北欧デザイン」の考え方

著:渡部千春
発行:誠文堂新光社
発行日:2022年10月12日
サイズ:A5変形判、224ページ

家具、建築、テキスタイル、工芸、グラフィック……「北欧デザイン」の全体像が理解できる決定版   シンプルで洗練されたデザイン家具や日用品が日本でも長年愛されている北欧デザイン。近年では、環境や社会福祉に配慮した素材選びや生産体制など、北欧のものづくりの思想や価値観そのものが、「北欧デザイン」という現代的なデザイン・ライフスタイルとして広く浸透しつつあります。






帝国の祭典 博覧会と〈人間の展示〉

著:小原真史
発行:水声社
発行日:2022年10月14日
サイズ:B5変形判、120ページ

1851年にロンドンで始まった万博。そこでは産業製品が示す明るい未来への欲望と異国の品々が掻き立てる遠方への欲望が交叉し、壮大なスペクタクルをつくり出していた。やがて博覧会は、商品と娯楽の殿堂となり、植民地帝国の威容を示す舞台装置となり、異文化との出会いの場となった。 非西洋の集落をまるごと再現した〈ネイティヴ・ヴィレッジ〉、「異質」な身体を見世物にしたフリークショー、日本初の〈人間の展示〉施設となった人類館……。人々は新たに出会った他者をどのように展示し、世界を認識しようとしたのか。著者による膨大な博覧会資料コレクションから、見ること/見せることをめぐる欲望を問う。






モダンの身体 マシーン・アート・メディア

編著:中村嘉雄/小笠原亜衣/塚田幸光
発行:小鳥遊書房
発行日:2022年10月17日
サイズ:A5判、376ページ

近代科学とテクノロジーの「知」的産物、広告手段=メディア/身体=人間 「マシーン」「アート」「視覚メディア」「他者」を鍵概念に
ロシア、アメリカ、ドイツ、日本、カリブ諸島と広範囲にわたって
戦間期モダニズムにおける身体とメディアの境界
を多角的に論じる!






シベリアのビートルズ イルクーツクで暮らす

著:多田麻美
発行:亜紀書房
発行日:2022年10月19日
サイズ:四六判、208ページ

著者は、無類のビートルズファンである画家のスラバと結婚し、2018年からイルクーツクに暮らす。
西側の情報が入らないソ連下で、ロック少年として暮らしたスラバは、ペレストロイカをくぐり抜け、激変する社会を生き抜いてきた。
彼の波乱に満ちた人生と、自らの人生を重ねながら、別の価値観で動く社会のなか、人々はどのように暮らしているのか、アートや音楽や文学は、彼らをどのように支えているのか。






戦後日本の抽象美術 具体・前衛書・アンフォルメル

著:尾﨑信一郎
発行:思文閣出版
発行日:2022年10月26日
サイズ:A5判、528ページ

GUTAI、『墨美』、アンフォルメル旋風、数々の神話に彩られた1950年代の関西の美術を「素晴らしい遊び場」ではなく、欧米に由来するモダニズム美術の一つの臨界としてとらえ直すことは可能か。学芸員生活35年を迎える著者が国内外の数々の展覧会カタログに寄稿した論文を通して、浮かび上がる戦後日本の抽象美術の核心。身体と物質、アクションとタブロー、そしてグローバリズム。多くの作家やコレクター、批評家たちと交流する中で日本の戦後美術の連続と断絶を展覧会によって検証してきた著者ならではの視点による戦後美術史の再検証。






試展ー白州模写 「アートキャンプ白州」とは何だったのか

編集:市原湖畔美術館
発行:市原湖畔美術館
発行日:2022年10月29日
サイズ:B5判、280ページ

2022年10月29日(土)〜2023年1月15日(日)まで、市原湖畔美術館にて開催されている展覧会「試展-白州模写 「アートキャンプ白州」とは何だったのか」のカタログ。






石を送るメール・アート読本

著:堀川紀夫/富井玲子
発行:現代企画室
発行日:2022年11月2日
サイズ:B5変形判、144ページ

1969年にスタートし、70年代の現代美術シーンで脚光を浴びた堀川紀夫の《石を送るメール・アート》。その後、さまざまな紆余曲折を経て今なお継続し、国際的な評価を高めつつある稀有なプロジェクトの発端、展開、中断、再開のプロセスを、その都度の作家の判断も交えてクロニクル形式で綴る新たなスタイルの「作品集」。堀川らのGUN(新潟現代美術家集団)や松澤宥、THE PLAYなど、1960年代から70年代にかけて日本の各地に出現した前衛的な取り組みの世界美術史における位置付けや、後にかたちを残さないアートプロジェクトにおける作品と記録の関係を論じる美術史家・富井玲子の論考なども収録。






土偶美術館

著:小川忠博
発行:平凡社
発行日:2022年11月5日
サイズ:B5変形判、208ページ

40年間、日本各地で縄文資料の撮影を続けてきた小川忠博による土偶写真集。縄文のヴィーナスをはじめ、土偶300点を収録。






美術家たちの学生時代

著:功刀知子
発行:芸術新聞社
発行日:2022年11月5日
サイズ:19cm、199ページ

美術家たちはどのように唯一無二の「自分」を確立してきたのか。舟越桂、塩田千春、千住博、町田久美、山口晃など、第一線で活躍する美術家たちにインタビュー。学生時代の話を中心に、知られざるバックボーンに迫る。








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展覧会カタログ、アートやデザインにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。
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2022/11/14(月)(artscape編集部)

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カタログ&ブックス | 2022年11月1日号[テーマ:石と植物と──半径10メートル以内の自然の見方・愛で方が刷新される5冊]

石と植物。これら身近な存在は、芸術においても重要な素材・モチーフであり続けてきました。滋賀県立美術館の収蔵品を中心に、神山清子、松延総司、東加奈子の3名のゲストアーティストの作品を含む85点で構成された企画展「石と植物」(2022年9月23日~11月20日開催)に関連し、身近な自然を愛でる行為に新たな視点をくれる5冊を紹介します。

※本記事の選書は「hontoブックツリー」でもご覧いただけます。
※紹介した書籍は在庫切れの場合がございますのでご了承ください。
協力:滋賀県立美術館


今月のテーマ:
石と植物と──半径10メートル以内の自然の見方・愛で方が刷新される5冊

1冊目:石が書く

著者:ロジェ・カイヨワ
翻訳:菅谷暁
発行:創元社
発売日:2022年8月26日
サイズ:24cm、134ページ

Point

石の収集を趣味とする人は意外と数多くいますが、「知の巨人」カイヨワも実はその一人。自らの収集した石の断面の写真と、それら一つひとつに対する緻密な分析、そして時折挟まれる詩的な表現には著者の偏愛が感じられます。想像力や創作に、石たちがどのような影響をもたらしたのか。その秘密の一片に触れられる一冊。


2冊目:百花遊歴(講談社文芸文庫)

著者:塚本邦雄
発行:講談社
発売日:2018年11月11日
サイズ:16cm、329ページ

Point

反リアリズムの前衛歌人でありながら、植物愛好家の顔ももつ塚本邦雄。「石と植物」展冒頭でも塚本の随筆集『花名散策』が企画のイメージソースとして言及されていますが、本書は彼が分類・精選した、花に関する古今の詩・俳句・和歌・短歌を集めたアンソロジー。文学においても花が普遍的なテーマであることがわかります。


3冊目:植物の生の哲学 混合の形而上学

著者:エマヌエーレ・コッチャ
翻訳:嶋崎正樹
解説:山内志朗
発行:勁草書房
発売日:2019年8月31日
サイズ:20cm、215ページ

Point

「世界に在る」ということを「全体的な交感を通じて、自分をすっかりさらけだすしかない生命」である植物の視点から考察した、気鋭の哲学研究者による論考。コロナ禍以前に書かれたものでありながら、外出自粛期間や生活様式の変化を迫られた私たちにも否応なく思い当たり示唆を与える、そんな一節に本書では出会うはず。



4冊目:On the Beach 1

著者/撮影:ヨーガン レール
発行:HeHe
発売日:2015年7月18日
サイズ:21cm

Point

デザイナー・ヨーガンレールが収集した自らの石のコレクションを撮った写真集『Babaghuri』に続き、砂浜に流れ着くゴミを実用的なものに作り変える活動の一環で制作したランプシェード約90点を収録した本書。「拾う」「集める」「作り変える」、それぞれの行為の間に流れる思索が写真からも強く伝わってきます。



5冊目:草木とともに 牧野富太郎自伝(角川ソフィア文庫)

著者:牧野富太郎
発行:KADOKAWA
発売日:2022年6月10日
サイズ:15cm、276ページ

Point

日本を代表する植物研究の大家・牧野富太郎。研究成果だけでなく優れた随筆も数多く残している彼ですが、本書は94歳で亡くなる間際の病床で書かれた「はじめのことば」から始まり、短い随筆の数々を通して、一貫して植物が傍にあった彼の人生を追体験できます。新たな視点を与えてくれるいとうせいこうの解説も掲載。







石と植物

会期:2022年9月23日(金・祝)~11月20日(日)
会場:滋賀県立美術館(滋賀県大津市瀬田南大萱町1740-1)
公式サイト:https://www.shigamuseum.jp/exhibitions/4047/


2022/11/01(火)(artscape編集部)

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カタログ&ブックス | 2022年10月15日号[近刊編]

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峯村敏明著作集Ⅳ 外国作家論・選

著:峯村敏明
発行:美学出版
発行日:2022年8月30日
サイズ:A5判、396ページ

日本を代表する美術評論家の一人・峯村敏明の著作集全5巻がいよいよ刊行開始。第一弾は「Ⅳ 外国作家論・選」。






関西の80年代

編集:兵庫県立美術館
出品作家 : 森村泰昌、辰野登美子、吉原英里など
発行:兵庫県立美術館
発行日:2022年9月
32+50ページ*「カタログ・テキスト編」と「カタログ・図版編」の2冊綴りとなっております。

本書は兵庫県立美術館で開催(会期:2022年6月18日―2022年8月21日)の展覧会「関西80年代」展の公式図録です。







芸術文化の価値とは何か──個人や社会にもたらす変化とその評価(文化とまちづくり叢書)

著:Geoffrey Crossick、Patrycja Kaszynska
訳:中村美亜
発行:水曜社
発行日:2022年9月5日
サイズ:A5版、364ページ

「なぜ芸術文化は必要なのか」「芸術文化がもたらす効果はどのように捉えられるのか」という問いに取り組んだイギリスの政府機関AHRC(芸術・人文学研究会議)〈文化的価値プロジェクト〉報告書(2018)の邦訳である。この研究は、実証的・科学的研究を扱っていながら、歴史的・哲学的に深い洞察に満ちており、国際的な反響を呼んだ。本書はブラジル、チェコ版に続く邦訳。






名画の中で働く人々──「仕事」で学ぶ西洋史

著:中野京子
発行:集英社
発行日:2022年9月26日
サイズ:四六判、224ページ

「看護師」はひと昔前なら「看護婦」。神話の時代からある仕事とは? 「リケ女」の走りは命がけ! 知っているようで知らない、仕事のルーツや歴史を、『怖い絵』シリーズの中野京子が解説。今まで見えてこなかった、もうひとつの西洋史がそこにある。






社会のなかの美術 拡張する展示空間

著:中原佑介
発行:現代企画室
発行日:2022年9月28日
サイズ:B5変形、364ページ

「芸術の行くすえを見つめる中原佑介。後期旧石器時代の洞窟壁画から2000年代の「大地の芸術祭」まで、「展示」のあり方から芸術の変遷を論じ、未知の可能性を展望する中原芸術論の白眉。2000年代になって中原が「新たな芸術の展開を示すもの」と論じた「大地の芸術祭」。中原が「大地の芸術祭」に見たものは何だったのか。1950年代までさかのぼって国際展のあり方、観客と大衆、教育と美術などを論じたテキストを概観し、都市や文明の課題と芸術の接点について、中原が積み重ねてきた思考の軌跡をたどる。





ジャン・プルーヴェ 椅子から建築まで

監修:Galerie Patrick Seguin、Tamotsu Yagi Design、東京都現代美術館
解説:ジュリエット・キンチン
寄稿:早間玲子、田村奈穂、八木保、金田充弘
発行:millegraph
発行日:2022年9月28日
サイズ:A4変型、232ページ

20世紀の建築や工業デザインに大きな影響を与えたジャン・プルーヴェ(1901–1984)を紹介する大規模な展覧会の公式カタログ。プルーヴェが手がけたオリジナルの家具や建築物を豊富な写真によって収録。解説、エッセイ、貴重な資料も多数。仏Galerie Patrick Seguinとの共同発行。





いい絵だな

著:伊野孝行、南伸坊
発行:集英社インターナショナル
発行日:2022年10月5日
サイズ:四六判、240ページ

なぜ画家たちはリアルに描くことに夢中になったのか、ヘタな絵の価値とは何か、現代美術は何を言おうとしているのか、ファインアートとイラストは違うのか……。
描き手である二人がジャンルを跨ぎ、縦横無尽に語り尽くす。絵を描くとわかることがある。勉強だけではわからないことがある。本書を読むと、料理を自分の舌で味わうように絵が鑑賞できるようになる!?





ヴァロットン ─黒と白

発行:筑摩書房
発行日:2022年10月6日
サイズ:A4変形、240ページ


19世紀末パリで活躍した画家ヴァロットン。その独特の視点と多様な表現、卓越したデザインセンス溢れる黒一色の革新的な木版画180点を中心に紹介する作品集。






切手デザイナーの仕事〜日本郵便 切手・葉書室より〜

著:間部香代
発行:グラフィック社
発行日:2022年10月11日
サイズ:A5判、192ページ

日本の切手をつくっているのは、たった8人のデザイナーたち。作家・間部香代が日本郵便のドアを叩き、丁寧な取材とともに彼らの仕事を、その姿を、紐解きます。





絵画を読む ─イコノロジー入門

著:若桑みどり
発行:筑摩書房
発行日:2022年10月11日
サイズ:文庫判、288ページ

絵画の〈解釈〉には何をしたらよいか。名画12作品の読解によって、美術の深みと無限の感受性へと扉を開ける。美術史入門書の決定版。






半建築

著:長坂常
発行:フィルムアート社
発行日:2022年10月12日
サイズ:四六判、256ページ


初期の代表作「Sayama Flat」において、引き算や誤用という考え方のリノベーションで建築界にセンセーションを巻き起こしたスキーマ建築計画。日常の中での気づき、既存のものから得られる新たな発見をきっかけに、家具から建築、都市のスケールまで1/1を基本にデザインする独自の取り組みを「半建築」というキーワードのもと書き下ろした待望の一冊。








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2022/10/14(金)(artscape編集部)

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