2022年12月01日号
次回12月15日更新予定

artscapeレビュー

artscape編集部のレビュー/プレビュー

カタログ&ブックス | 2021年10月1日号[テーマ:ノスタルジア]

テーマに沿って、アートやデザインにまつわる書籍の購買冊数ランキングをartscape編集部が紹介します。今回のテーマは、ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)で開催中の「葛西薫展 NOSTALGIA」にちなんで「ノスタルジア」。このキーワードに関連する、書籍の購買冊数ランキングトップ10をお楽しみください。
ハイブリッド型総合書店honto調べ。書籍の詳細情報はhontoサイトより転載。
※本ランキングで紹介した書籍は在庫切れの場合がございますのでご了承ください。

「ノスタルジア」関連書籍 購買冊数トップ10

1位:空飛ぶくじら スズキスズヒロ作品集(CUE COMICS)

著者:スズキスズヒロ
発行:イースト・プレス
発売日:2019年12月7日
サイズ:19cm、215ページ

【文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞(第24回)】
まっすぐで不器用な、 少年と、少女と、大人たちへ。新しさとノスタルジア。仙台発の若き気鋭、初の作品集。
Web Mediaマトグロッソにて掲載され反響を呼んだ5作品に加筆し、さらに完全描きおろしの表題作「空飛ぶくじら」を収録。


2位:『未』成熟 3(マーガレットコミックス)

著者:Maria
発行:集英社
発売日:2017年10月25日
サイズ:176ページ

大好きだった祖母を亡くし、気落ちする千暁。継母との確執は追いうちをかけるように悪化する。そんな時、絶望の中に一筋の光が──…。快くんは、キャバ嬢・アキが千暁だと気づいていたのだ。ようやくありのままで向き合うことができ、二人の仲は急加速! しかし快くんには抱え込んでいる秘密があるようで…!?
【収録作品】『未』成熟―ノスタルジア―


3位:緊縮ノスタルジア

著者:オーウェン・ハサリー
翻訳:星野真志、田尻歩
発行:堀之内出版
発売日:2021年4月10日
サイズ:19cm、287ページ

「KEEP CALM AND CARRY ON」。 この言葉は第二次世界大戦中にイギリス情報省が作成した「空襲を受けてもそのまま日常を続けよ」という意味のスローガンである。このノスタルジックな言葉が現代イギリスであふれかえっている。これはいったいなぜなのか? イギリスでもっとも精力的な若手批評家の一人であるオーウェン・ハサリーが明らかにする。
本書では、緊縮財政下の現代イギリスが、いかに第二次大戦期(=以前の緊縮時代)へのノスタルジアで覆われているのかを、デザイン、建築、食品、映画、音楽など幅広い視点から論じる。
『ガーディアン』『ロンドン・レビュー・オブ・ブックス』『アーキテクチュラル・レビュー』などの雑誌に数多く寄稿。イギリスでの著書は10冊以上。期待の論客によるイギリス文化論が、満を持して日本上陸!



4位:「地方」と「努力」の現代史 アイドルホースと戦後日本

著者:石岡学
発行:青土社
発売日:2020年6月25日
サイズ:19cm、307ページ

「昔は良かった…」という戦後日本のノスタルジアの謎に迫る。
地方出身者が中央に出て、中央出身のエリートたちをばったばったとなぎ倒す……そんな「努力」と「立身出世」のストーリーがかつての日本には存在した……と本当に言えるのだろうか? その実相に“からめ手”から迫る。戦後、アイドルに祭り上げられた3頭のユニークな競走馬、ハイセイコー、オグリキャップ、ハルウララをめぐる言説の変容を多角的に分析。私たちの社会に潜む「集合意識」を描破する。



5位:【アウトレットブック】大阪万博 (アスペクトライトボックスシリーズ)

著者:都築響一
発行:アスペクト
発売日:2016年10月26日
サイズ:B6変判、139ページ

EXPO’70あるいは史上最大のレイブ。大阪万博の映像は、単なるノスタルジアとはまったく次元を異にする、なにかとてつもなく古くて新しい感覚──信じるままに突っ走ってしまうチカラそのものである。疑い、ためらうことばかり増えてしまった、世紀末の子供である僕らにとって、だからこそ大阪万博はいま、なによりも新鮮なのだ。






6位:貝殻と頭蓋骨(平凡社ライブラリー)

著者:澁澤龍彦
発行:平凡社
発売日:2017年12月10日
サイズ:16cm、261ページ

ただ一度の中東旅行の記録、花田清輝、日夏耿之介など偏愛作家への讃辞、幻想美術、オカルト、魔術、毒薬、そしてのちに「あらゆる芸術の源泉」と述べたノスタルジア……。澁澤龍彦の魅力が凝縮された幻の名著を再刊。〔桃源社 1975年刊の再刊〕



7位:魔道書大戦RPG マギカロギア リプレイブック (Role & Roll Books)

著者:河嶋陶一朗、冒険企画局
発行:新紀元社
発売日:2018年2月7日
サイズ:18cm、463ページ

TRPG「マギカロギア」のリプレイ集。「魔道書大戦RPGマギカロギアスタートブック」に収録されたリプレイの続編となる「幻惑のノスタルジア」「大夢消滅」の2本を収める。追加ルールも掲載。



7位:断頭台/疫病(竹書房文庫)

著者:山村正夫
編集:日下三蔵
発行:竹書房
発売日:2020年7月16日
サイズ:15cm、559ページ

過去から甦る怪奇と幻想の淵
異常心理ミステリー傑作集ここに復刊
過去より甦る怪奇と幻想の淵。彼らはその境目を歩み、やがて呑みこまれていく──。死刑執行人サンソンの役を与えられた売れない役者が、役にとり憑かれ、やがて自分を失っていく「断頭台」。古代マヤの短剣に魅かれる男がその理由を知る「ノスタルジア」。さらに女神アフロディーテの求愛を無視し、娼婦の少女に恋をしたゆえに苛烈な神罰を下される天才彫刻家の物語「疫病」のほか、日本探偵作家クラブの犯人当て企画のために書かれた「獅子」や単行本未収録の「暴君ネロ」といった、古代ローマに材を取った作品も収録。
憎しみだけが惨劇を起こすのではない。ときには純愛や慈愛が引き金となるのだ。妖しい輝きを閉じ込めた、珠玉の異常心理ミステリー集。




9位:教皇ヒュアキントス ヴァーノン・リー幻想小説集

著者:ヴァーノン・リー
翻訳:中野善夫
発行:国書刊行会
発売日:2015年2月27日
サイズ:22cm、501ページ

遠い過去から訪れる美しき異形の誘惑者──伝説的な幻の女性作家ヴァーノン・リー、本邦初の決定版作品集。いにしえへのノスタルジアを醸す甘美なる蠱惑的幻想小説集。女神、悪魔、聖人、神々、聖母、ギリシャ、ラテン、ローマ、狂女、亡霊、超自然、宿命の女、人形、蛇、カストラート……彼方へと誘う魅惑の14篇。



10位:コラージュ・シティ(SD選書)

著者:C.ロウ、F.コッター
翻訳:渡辺真理
発行:鹿島出版会
発売日:2009年3月
サイズ:19cm、286ページ

理想都市は歴史のコラージュがつくる。それは「記憶の劇場」になると同時に、「未来を予言する場」へと導く。ファンタジーやノスタルジアでデザインされた20世紀都市からの脱却を追求する名論。〔1992年刊の新装版〕





artscape編集部のランキング解説

現在ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)で個展を開催中(10月23日[土]まで)のアートディレクター葛西薫氏は、同展覧会のタイトルに冠した「ノスタルジア」という言葉について、「意味のないもの、分からないものへの興味。その深層にあるもの」「手作業から生まれるもの」だと語ったそうです(展覧会概要より)。制作におけるアナログな行為の一つひとつに付随する匂いや音によって呼び起こされる、身体に宿っていた原始的な感覚。彼のキャリアの最初期における数々のレタリングやスケッチ、あるいは手書きの映画・小説のタイトルロゴの仕事などを眺めると深く頷ける、葛西らしいユニークな「ノスタルジア」観です。
「過去や故郷を懐かしむ」といった文脈で使われることの多い「ノスタルジア」というキーワードで、すべてのジャンルの書籍のなかから抽出した今回のランキング。コミックや評論、小説、TRPGの関連書など多様な顔ぶれのタイトルが並びました。
「われわれが抱くノスタルジアとは、個人的なレベルの感傷のように思えても、やはりメディアの表象・言説を通して『想起』され『再構成』される過程で形作られる集合的記憶なのである」。4位にランクインした石岡学著『「地方」と「努力」の現代史 アイドルホースと戦後日本』の序盤では、二〇世紀後半以降における「ノスタルジア」についてこう書かれています(同書p.25)。ハイセイコーやオグリキャップ、ハルウララといった、地方競馬を出自に持ち、やがて社会現象を巻き起こした競走馬たちのメディア上での描かれ方を入り口に、「客観的事実かどうかは問われずに、収まりのいい物語が定型化していくというプロセス」を丁寧に分析していくなかで、戦後の日本人たちが自身を重ねる競走馬たちの「立身出世」のストーリーや、地方-中央/田舎-都会の関係、ノスタルジアが発生する場所に潜在する現状批判の精神など、登場するトピックがいずれも興味深い本書は、競馬には特に興味がないという方にもおすすめの一冊です。「過去を振り返るという行為は、実際はいま自分がここにいることの理由を探す行為である。(中略)人はそこに何か必然的な理由があるはずだ、あるいはあってほしいという『願望』をかかえている。だからこそ、理解しやすいストーリーが語られ、そして受け容れられ、いつしかそれはあたかも『個人の記憶』であるかの如く感受されるようになっていくのである」(同書p.18)。
10位の『コラージュ・シティ』も注目したい一冊。1992年に初版が刊行された、「記憶の劇場」としての側面を持つ都市のデザインについて書かれた名著です。過去のアメリカの西部開拓時代などの風景をモデルに「シンボリックなアメリカのユートピア」としてデザインされたディズニー・ワールドにおける景観や、SF的な想像力を掻き立てる都市の将来像のドローイングを残した前衛建築家集団アーキグラムなどへの言及も。
あなたにとって「ノスタルジア」とは、どのようなときに喚起される感覚でしょうか。このワードひとつ取っても、その裏にさまざまな社会的事象やメディアのあり方、あるいはフィクションにしか描き出せない甘美な感情、「ノスタルジア」そのものに対する懐疑など、関連付けられるトピックの幅広さを感じさせる今回のランキングでした。



ハイブリッド型総合書店honto(hontoサイトの本の通販ストア・電子書籍ストアと、丸善、ジュンク堂書店、文教堂など)でジャンル「総合」キーワード「ノスタルジア」の書籍の全性別・全年齢における購買冊数のランキングを抽出。〈集計期間:2020年9月27日~2021年9月26日〉

2021/10/01(金)(artscape編集部)

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カタログ&ブックス | 2021年9月15日号[近刊編]

展覧会カタログ、アートやデザインにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。
※hontoサイトで販売中の書籍は、紹介文末尾の[hontoウェブサイト]からhontoへリンクされます





目の見えない白鳥さんとアートを見に行く

執筆者:川内有緒
発行:集英社インターナショナル
発行日:2021年9月8日
サイズ:四六判、336ページ

見えない人と見るからこそ、見えてくる!全盲の白鳥建二さんとアート作品を鑑賞することにより、浮かびあがってくる社会や人間の真実、アートの力。「白鳥さんと作品を見るとほんとに楽しいよ!」友人マイティの一言で、「全盲の美術鑑賞者」とアートを巡るというユニークな旅が始まった。白鳥さんや友人たちと絵画や仏像、現代美術を前に会話をしていると、新しい世界の扉がどんどん開き、それまで見えていなかったことが見えてきた。

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「見えないこと」から「見ること」を再考する──視覚障害者とつくる美術鑑賞ワークショップ|林建太(視覚障害者とつくる美術鑑賞ワークショップ)/中川美枝子(視覚障害者とつくる美術鑑賞ワークショップ)/白坂由里(美術ライター):フォーカス(2021年07月15日号)

ミュージアムグッズのチカラ

執筆者:大澤夏美
発行:国書刊行会
発行日:2021年7月24日
サイズ:A5判、144ページ

2ミュージアムグッズの「ステキ」さを、①かわいいを楽しみたい、②感動を持ち帰りたい、③マニアックを堪能したい、④もっと深く学びたい、の4つのテーマで分類して紹介した、ミュージアムグッズ愛好家・大澤夏美による、ミュージアムグッズ愛溢れる一冊。読み進めるごとに博物館の魅力に夢中になります!


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ミュージアムショップ/ミュージアムグッズのいま|大澤夏美/artscape編集部:フォーカス(2019年01月15日号)

human nature Dai Fujiwara 人の中にしかない自然

出展作家:藤原大
発行:茅ヶ崎市美術館
発行日:2021年8月
サイズ:H21.2cm × W14.5cm、64ページ

自然界に存在するものを創作の始点とし、先端技術を駆使した創作活動で世界的に高い評価を受ける藤原大。デザイナーとして知られる藤原の新たな側面に光をあて、時代の先を見据え制作してきた未発表を含むアート作品を展観する。

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第2回 美術館での心の動きが、個々の日常に還っていくまで──藤川悠(茅ヶ崎市美術館)×畑井恵(千葉市美術館)|藤川悠(茅ヶ崎市美術館)/畑井恵(千葉市美術館)/杉原環樹(ライター):もしもし、キュレーター?(2021年08月01日号)

ユニバーサル・ミュージアム さわる!“触”の大博覧会

編集:国立民族学博物館
編者:広瀬浩二郎
発行:小さ子社
発行日:2021年9月17日
サイズ:B5判、248ページ

さわって楽しむアート作品が大集合! さまざまな素材と手法を用いて、“触”の可能性を探る、「ユニバーサル・ミュージアム」大博覧会(国立民族学博物館、2021年9月2日~11月30日)の公式図録。



アルフレッド・ウォリス 海を描きつづけた船乗り画家

著者:塩田純一
発行:みすず書房
発行日:2021年9月10日
サイズ:A5判 、264ページ

日本では2007年に「だれも知らなかったアルフレッド・ウォリス」展(東京都庭園美術館)が開催され、ウォリスの存在が知られるようになった。本書は同展を企画した美術史家の著者が書き下ろした、日本で初めての評伝である。学芸員時代からイギリス美術を研究し、アーティスト・コロニーとして名高いセント・アイヴスを幾度となく訪れ、ウォリスとの対話を続けた著者による渾身の作家論。


山城知佳子リフレーミング

作家:山城知佳子
編者:東京都写真美術館
発行:水声社
発行日:2021年8月18日
サイズ:B5判変型、136ページ

現在、もっとも注目を集める映像アーティストの一人、山城知佳子。故郷沖縄を舞台に、見る者の身体感覚を揺さぶり、詩的なイメージと同時代への鋭い批評性をあわせもつ映像は、国内外で高く評価されている。本展覧会出品作を網羅するにとどまらず、過去作品の図版も多数収録した山城知佳子の作品世界を通覧する個展公式図録!

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山城知佳子作品展|高嶋慈:artscapeレビュー(2016年12月15日号)
未来に向かって開かれた表現──山城知佳子《土の人》をめぐって|荒木夏実(森美術館キュレーター):フォーカス(2016年09月15日号)
山城知佳子『あなたをくぐり抜けて』|高嶋慈:artscapeレビュー(2018年11月15日号)


鷹野隆大 毎日写真1999-2021

著者:鷹野隆大
発行:朝日新聞社
発行日:2021年
サイズ:290×246mm、184ページ

美術館における初の大規模な個展の図録である本書は、鷹野の芸術活動の根幹を成すその「毎日写真」を主軸としながら、ジェンダー・セクシャリティ系の出世作や、日本特有の無秩序な街並みの写真「カスババ」、定点観測的な「東京タワー」、東日本大震災が契機となり近年注力する影の作品など、約130点をほぼ時系列で収録しています。

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鷹野隆大 毎日写真1999-2021|飯沢耕太郎:artscapeレビュー(2021年08月01日号)





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https://honto.jp/

2021/09/14(火)(artscape編集部)

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カタログ&ブックス | 2021年9月1日号[テーマ:コミュニケーション]

テーマに沿って、アートやデザインにまつわる書籍の購買冊数ランキングをartscape編集部が紹介します。今回のテーマは、和歌山県立近代美術館で開催中のグループ展「コミュニケーションの部屋」にちなんで「コミュニケーション」。「芸術・アート」ジャンルのなかでこのキーワードに関連する、書籍の購買冊数ランキングトップ10をお楽しみください。
ハイブリッド型総合書店honto調べ。書籍の詳細情報はhontoサイトより転載。
※本ランキングで紹介した書籍は在庫切れの場合がございますのでご了承ください。

「コミュニケーション」関連書籍 購買冊数トップ10

1位:異文化コミュニケーション学(岩波新書 新赤版)

著者:鳥飼玖美子
発行:岩波書店
発売日:2021年7月26日
サイズ:18cm、243ページ

グローバル化が加速し、価値観も多様化している今、異なる「文化」をもつ人とともに暮らすことは日常になっている。異文化コミュニケーションには、民族や言語の違いだけでなく専門性が異なる人同士の対話も含まれるなど、幅が広い。先達の研究を踏まえつつ、数多くの海外ドラマの具体的なセリフから、これらを改めて問い直す。


2位:河野英喜の女の子ポートレート撮影術 撮り方&コミュニケーションの「基本」だけ覚えて最高にかわいい表情を盗もう!(玄光社MOOK)

著者:河野英喜
発行:玄光社
発売日:2019年3月28日
サイズ:26cm、127ページ

顔の「おいしい角度」を見つける、その場にある光と影でモデルを描く……。長年、人を撮り続けてきたカメラマン・河野英喜が、女の子を最高にかわいく撮るための“鉄板ノウハウ”と、撮影の楽しみ方を伝授する。


3位:デザインとヴィジュアル・コミュニケーション 新装版

著者:ブルーノ・ムナーリ
翻訳:萱野有美
発行:みすず書房
発売日:2018年4月18日
サイズ:20cm、377ページ

1967年、ムナーリがハーヴァード大学に招かれて行った「ヴィジュアル・スタディーズ」の授業50回の講義録。 さまざまな国からやってきた学生たちを前にして、ムナーリは考えた。視覚伝達には、文化を超えて了解できる「原理」があることを、授業を通して理解してほしい、と。学生たちの探究心に応じ、多様な角度からのスタディを考案してゆく、デザインの名人ムナーリの画期的な教授法がこの一冊に。永遠にユニークで役に立つヴィジュアル・コミュニケーションの教科書、待望の復刊。「芸術は技術ではない。技術は芸術ではない」



4位:談志が教えてくれたボケの一念 突っ込み社会を生き抜くための落語コミュニケーション術

著者:立川談慶
発行:秀和システム
発売日:2020年3月12日
サイズ:19cm、250ページ

勝ち方より負け方。進み方より逃げ方。窮屈な世のなかに対して徹底的に「ボケ」の姿勢を展開すればあらたな視座が広がり、ものの見方が楽しくなる。立川談志の弟子が、師匠の教えをもとに語るコミュニケーション論。



5位:コミュニケーションのデザイン史 人類の根源から未来を学ぶ

著者:高橋裕行
発行:フィルムアート社
発売日:2015年9月28日
サイズ:19cm、277ページ

デザインはコミュニケーションから生まれた──。地図、本、学校、美術館、手紙など、多様なメディアから学ぶ、コミュニケーション・デザインの教科書。江渡浩一郎との対談も収録。






6位:グラフィックデザイナーのための色の基本 印刷物作成へのカラーコミュニケーション

著者:宇野則彦
発行:印刷学会出版部
発売日:2019年8月1日
サイズ:26cm、149ページ

いかに美しい印刷物を作るかということに、デザイナーを含む制作サイドから製版・印刷に携わる技術者まで日々苦労している。しかしながら、制作する過程での“色”に関するトラブルは多い。その最も大きな原因は関係者間のコミュニケーション不良であると考えている。コミュニケーション不良には、コミュニケーションする「機会をもてない」という問題と、もててはいるが「認識に違いがある」という問題がある。機会をもてないという問題に関しては、担当者・部署・会社の間でそれぞれ難しい面もあるとは思うが、相互にコミュニケーションを図る努力が必要である。認識に違いがあるという問題では、何故認識に違いが生ずるかということを考えなければならない。この原因は、関係者の色についての知識が不十分であるか、若しくは事前の打合せ・合意がないからだと思う。
色を扱うには技術的な理論がベースにあって、そこに色を見る感性が加わり、非常に奥深いものなので、基本的な知識を積み重ねないとしっかりとは理解できないと感じる。また、技術はどんどん進歩していくものなので、常に最新の情報を得るようにしておかなければならない。(中略)
グラフィックデザイナーのことを念頭においているが、色に関することはすべての方に共通であるので、他の職種の方にも十分お役に立てるのではないかと思っている。本書が、色を理解しカラーコミュニケーションを円滑に行ううえで、色に携わる多くの方々のお役に立てれば幸いである。



7位:コミュニケーション力を引き出す 演劇ワークショップのすすめ(PHP新書)

著者:平田オリザ、蓮行
発行:PHP研究所
発売日:2009年8月19日
サイズ:18cm、253ページ

ほんとうのコミュニケーション力とは、その場の空気を読む力などではなく、お互いの差異を摺(す)り合わせる能力のことだ。演劇は2500年間、人間がもともと持っているそのようなコミュニケーション力を引き出してきた。祭りの際に演劇が上演されたのは、演劇に地域のコミュニティーを形成する力があったためである。この「演劇の力」を現代に合う形で活用する「演劇ワークショップ」の理論と理念を、現代演劇の旗手平田オリザが平易に語る。そして全国的にも珍しい「プロ劇団」の代表である蓮行が、そのプロセスを解説。ある企業における演劇ワークショップの模様をドラマチックに解説する。
さらに、世界中から注目を集めているフィンランドの教育メソッドにも演劇が取り入れられているといった興味深い事例や、「あくび卵発声」などの具体的なノウハウも満載。
ビジネスパーソン、教員、そしてこれからの日本を動かす政治家、官僚も必読の一冊。



8位:演劇コミュニケーション学

著者:平田オリザ、蓮行
発行:日本文教出版
発売日:2016年4月12日
サイズ:21cm、237ページ

演劇はコミュニケーション能力を育成するための最良の手段の一つである。ワークショップ的活動を取り入れた授業や、教育における演劇の活用について様々な事例とともに具体的に解説。半戯曲セミドキュメンタリー小説等も収録。




9位:コミュニケーションを生み出すアートの力 日本で生まれた「トリックアート」が人の心をつかむ秘密

著者:清水弘
発行:クロスメディア・パブリッシング
発売日:2020年11月20日
サイズ:19cm、151+32ページ

平面の絵なのに立体的に見える「トリックアート」はどのように生まれ、どのように進化してきたのか。生い立ちから現在の発展までの活動や苦闘・工夫の数々、デジタル化が進むこれからの時代の目指す世界などを綴る。



9位:芸術という言語 芸術とコミュニケーションとの関係についての序説

著者:オマル・カラブレーゼ
翻訳:谷口伊兵衛
発行:而立書房
発売日:2001年3月
サイズ:20cm、294ページ

芸術は果たして言語をモデルとして体系化できるのか? 旧ソ連のモスクワ・タルトゥ学派の業績を根底に、イタリア学派やヨーロッパ・北米の伝統も取り入れた、ボローニャ大学の気鋭による芸術記号論。



9位:舞踊とバレエ 虚像による非言語コミュニケーション

著者:森龍朗
発行:文園社
発売日:2011年2月
サイズ:22cm、309ページ

人々が生活の中で身体を介して何事かを表し、更にそれを受取る非言語コミュニケイションが、有言語の荒波に揉まれながら立ち上がる姿について、ダァンス・クラスィクとバレエの世界を通して考えを述べる。





artscape編集部のランキング解説

ひとつの場所に集まって他者と時間を共有することがしづらくなった昨今、私たちにとっての「コミュニケーション」のかたちも大きく変容してきているように感じます。和歌山県立近代美術館で10月10日(日)まで開催中の展覧会「コミュニケーションの部屋」のステートメントでは「コミュニケーション」のことを「なんらかの情報を伝え、『共有』すること」とし、美術館や展覧会という場で人と作品との間に起こっているコミュニケーションについて、時代も地域も異なる作品たちを通して、改めて問い直しています。
「コミュニケーション」というキーワードで抽出した「芸術・アート」ジャンルの本のランキングでも、多種多様な「コミュニケーション」の姿が見られました。まず注目したいのが、3位の『デザインとヴィジュアル・コミュニケーション 新装版』。イタリアの美術家・デザイナーであり晩年は教育者であったブルーノ・ムナーリ(1907-98)が、1967年にハーバード大学のカーペンター視覚芸術センターに教師として招かれた際のヴィジュアル(視覚)・コミュニケーションにまつわる講義録です。さまざまな国籍や文脈を持った学生たちを前に、ムナーリはヴィジュアル・コミュニケーションを成立させるのに不可欠な要素として「客観性」を挙げています。「つまりそのイメージは、だれが見ても同じように読み取られる必要があるのです。そうでないとヴィジュアル・コミュニケーションはなされません。それどころか、コミュニケーションすらありません」(p.14)。「自分だけのイメージ」を所有する芸術家のアプローチとしばしば比較されるかたちでデザイナーの視座の持ち方が語られる本書は、現在でもデザイン教育の現場で大きな影響力を持つ一冊。本の後半では、建築や自然物、工業製品など膨大な数の事例を図版とともに挙げながら、ヴィジュアル・コミュニケーションを成り立たせるための要素を検分するパートが続き、1960年代後半当時のムナーリのデザイン教育への熱量、そしてコンピュータ技術などをはじめとする最新のテクノロジーへの関心も垣間見られます。
同じくデザインにまつわる本で気になるのは『コミュニケーションのデザイン史 人類の根源から未来を学ぶ』(5位)。世界認識のツールである地図の話から始まり、学校教育や美術館/博物館、あるいは本や手紙、通信、インターネットに至るまで、人類の情報伝達手段がどのように設計され広がっていったかの歴史を紐解く壮大なスケールを持った一冊です。著者は、デザインという行為には必ずコミュニケーションが付随することにも言及しつつ、「現代では『誰』ということが重視されてきています。誰から誰に向けて、どんな方法で、どんな状況や文脈でメッセージを届けるのか、そしてそれはどのように受け取られるのか。その全体を考えるのがコミュニケーション・デザインであるといえるでしょう」(p.11)と、マスコミュニケーションの衰退とともに近年「コミュニケーション・デザイン」という語が使われるようになった背景について述べています。
そのほか、ワークショップを通して「演じる」ことから日常におけるコミュニケーションの力を引き出す方法論を綴った平田オリザ・蓮行の共著も2冊同時にランクイン(7、8位)。ダンスが用いる非言語的コミュニケーション(10位)や、印刷物におけるベストな色味を引き出すための関係者間でのコミュニケーション(6位)など、芸術・デザイン分野のなかにある「コミュニケーション」の姿は大小さまざま。日々の些細なやりとりにも、これらの本が新たな工夫やイマジネーションをもたらしてくれるかもしれません。


ハイブリッド型総合書店honto(hontoサイトの本の通販ストア・電子書籍ストアと、丸善、ジュンク堂書店、文教堂など)でジャンル「芸術・アート」キーワード「コミュニケーション」の書籍の全性別・全年齢における購買冊数のランキングを抽出。〈集計期間:2020年8月24日~2021年8月23日〉

2021/09/01(水)(artscape編集部)

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カタログ&ブックス | 2021年8月1日号[近刊編]

展覧会カタログ、アートやデザインにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。
※hontoサイトで販売中の書籍は、紹介文末尾の[hontoウェブサイト]からhontoへリンクされます





アナザーエナジー展:挑戦しつづける力──世界の女性アーティスト16人

執筆者:片岡真実、マーティン・ゲルマン
デザイン:加藤賢策(LABORATORIES)
発行:フィルムアート社
発行日:2021年7月9日
サイズ:A4判変型、364ページ

森美術館「アナザーエナジー展:挑戦しつづける力 ─世界の女性アーティスト16人」公式図録。
1950年代から1970年代にかけて活動を始め、2021年の現在に至るまで世界各地で制作活動を続ける女性アーティスト16人に光を当てます。絵画、映像、彫刻、大規模インスタレーションにパフォーマンスなど、それぞれ初期作品から代表作、本展のための新作までを収録。 ジェンダー、人種、民族など、近年、世界各地で広がっている多様なアイデンティティに対する理解にもつながる1冊です。

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アナザーエナジー展:挑戦しつづける力 ─世界の女性アーティスト16人|村田真:artscapeレビュー(2021年08月01日号)

Walls & Bridges 世界にふれる、世界を生きる展公式図録

出展作家:東勝吉、増山たづ子、シルヴィア・ミニオ=パルウエルロ・保田、ズビニェク・セカル、ジョナス・メカス
発行:東京都美術館
発行日:2021年7月
サイズ:19.7×15.4cm、271ページ

2021年7月から東京都美術館にて開催されている「Walls & Bridges 世界にふれる、世界を生きる」展の公式図録。






リボーンアート・フェスティバル2019 公式記録集─いのちのてざわり

デザイン:groovisions
発行:ART DIVER
発行日:2021年6月30日
サイズ:B5判変形、224ページ

東日本大震災からの復興を願って開催される芸術祭「Reborn-Art Festival」。延べ44万人以上が来場した、第2回「Reborn-Art Festival 2019」を完全収録した公式カタログ決定版!「ART」「MUSIC」「FOOD」の3つの柱で構成されるフェスティバルを200ページにわたるカラーページで鮮やかに再現。

テアトロン 社会と演劇をつなぐもの

著者:高山明
発行:河出書房新社
発行日:2021年7月27日
サイズ:四六判変形、268ページ

さまざまな分野と交差することで演劇を拡張し、社会と芸術表現との接続を追求する高山明=Port B。いま最も過激な演劇を手がけ世界的に評価される演出家による、現代社会=演劇論。



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高山明/Port B『光のない。─エピローグ?』|山﨑健太:artscapeレビュー(2021年04月15日号)
Port B「サンシャイン63」──地肌と声の行路|阿部一直(山口情報芸術センター):キュレーターズノート(2009年04月15日号)

村上慧 移住を生活する

著者:村上慧
執筆者:川瀬慈、辻󠄀琢磨、野中祐美子
編集:野中祐美子
編集補助:大場さやか
写真:木奥恵三、村上慧
発行:金沢21世紀美術館
発行日:2021年3月31日
サイズ:22.0×15.0cm、803ページ

発泡スチロール製の家を背負って移住生活をするアーティスト村上慧によるプロジェクト「移住を生活する」の約6年間の記録を収めたアーティストブック。家はあるが土地のない村上は、毎日家を置くための敷地を交渉し獲得する。日々の出来事や思考の断片を日記に綴り、土地のある家を「攻撃するつもりで」ドローイングを描く。敷地写真やドローイングのキャプションにはその土地の住所が充てられる。北は青森、南は熊本。社会の矛盾や公共に対する疑問、あらゆる事故や災害を目の当たりにし、自分たちの生き方そのものを見直す必然性を「移住を生活する」で表現してみせる。ページをひとたび開けると、日記、ドローイング、地図、写真によってあっという間に読者も「移住を生活する」の当事者になれるだろう。

プレスリリースより
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個と公の狭間での実践と、終わらない問い──展示と本を通して見せる「村上慧 移住を生活する」|野中祐美子(金沢21世紀美術館):キュレーターズノート(2021年06月15日号)
村上慧 移住を生活する|村田真:artscapeレビュー(2021年04月01日号)
「ミヒャエル・ボレマンス マーク・マンダース|ダブル・サイレンス」、「村上慧 移住を生活する」、「アペルト13 高橋治希 園林」|五十嵐太郎:artscapeレビュー(2021年03月15日号)

日常のあわい

出展作家:青木陵子+伊藤存、岩崎貴宏、小森はるか+瀬尾夏美、小山田徹+小山田香月、下道基行、髙田安規子・政子、竹村京
寄稿:益田ミリ
デザイン:大原大次郎
発行:青幻舎
発行日:2021年6月30日
サイズ:B5判、120ページ

金沢21世紀美術館で開催中の特別展「日常のあわい」公式図録。
7組11名の作家が、私たちが意識せざるをえなくなった「日常」について今一度見つめ直す。意識しないと見過ごしてしまう生活のなかのささやかな創造行為に着目した作品や、突然の喪失や災害に向き合う心の機微を捉えた作品、そして形を変えて続いていく日常をあらわにする作品を紹介。これらを通して、日常と非日常のあわいにある「現在(いま)」が浮かびあがる。

つくる理由 暮らしからはじまる、ファッションとアート

著者:林央子
デザイン:小池アイ子
発行:DU BOOKS
発行日:2021年6月1日
サイズ:四六判、312ページ

インディペンデントな創作によって独自の境地を切り開いていった1990〜2000年代の作家たちを再検証し、刊行後の反響から美術展へと発展した『拡張するファッション』。本書はその著者・林央子による待望の書下ろし新作。現在を生きる同時代の表現者たちの声を拾う。

思考する芸術──非美学への手引き

著者:アラン・バディウ
翻訳:坂口周輔
発行:水声社
発行日:2021年6月30日
サイズ:四六判、296ページ

芸術と哲学の関係はいかなるものなのか?
芸術を真理との関係から問い直し、ダンス、映画、演劇、散文、詩を例に作品でも作者でもなく出来事的な切断によって先導される《芸術的布置》の次元を見定める渾身の芸術論。

光学のエスノグラフィ フィールドワーク/映画批評

著者:金子遊
発行:森話社
発行日:2021年6月22日
サイズ:四六判、288ページ

撮ること、観ること、考えること──。これらの営みの総体として、映画は形成されている。
ロバート・フラハティからジャン・ルーシュへと連なる映像人類学をはじめ、アピチャッポン・ウィーラセタクン、王兵、ツァイ・ミンリャン、エドワード・ヤンといったアジアの映画作家まで、人類学的フィールドワークと映画批評を横断し、映像のなかに個を超えた人類の歴史、習俗、営みを見出す。

丹下健三建築論集(岩波文庫)

編著:豊川斎赫
発行:岩波書店
発行日:2021年7月15日
サイズ:文庫判、288ページ

世界のTANGE──。国際的建築家として丹下健三の名を知らしめたのは、その作品のみならず、彼の論説と思想であった。人間と建築にたいする深い洞察と志。「美しきもののみ機能的である」との言葉に象徴される独自の美意識。建築の化身と呼ばれた不世出の建築家による重要論考を集成する。二巻構成のうちの建築論篇。





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2021/07/31(土)(artscape編集部)

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カタログ&ブックス | 2021年7月15日号[近刊編]

展覧会カタログ、アートやデザインにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。
※hontoサイトで販売中の書籍は、紹介文末尾の[hontoウェブサイト]からhontoへリンクされます





Viva Video! 久保田成子

編集:新潟県立近代美術館国立国際美術館東京都現代美術館
発行:河出書房新社
発行日:2021年6月29日
サイズ:B5判、256ページ

1970年頃からビデオを使用したアート作品を先駆的に制作した世界的アーティスト、久保田成子。没後から6年、その活動の全貌がついに明らかになる大回顧展の図録。


大・タイガー立石展 図録

構成:工藤健志(青森県立美術館)、滝口明子(うらわ美術館)、平野到(埼玉県立近代美術館)、牧野裕二(高松市美術館)
編集:菊池真央(埼玉県立近代美術館)、庄子真汀(千葉市美術館)、森啓輔(千葉市美術館)、藁科英也(千葉市美術館)
翻訳:小川紀久子
発行:千葉市美術館青森県立美術館高松市美術館埼玉県立近代美術館うらわ美術館
発行日:2021年4月10日
サイズ:A4判、249ページ

千葉市美術館(2021年4月10日〜7月4日)、青森県立美術館(2021年7月20日〜9月5日)、高松市美術館(2021年9月18日〜11月3日)、埼玉県立近代美術館(2021年11月16日〜2022年1月16日)、うらわ美術館(2021年11月16日〜2022年1月16日)を巡回するタイガー立石(立石紘一/立石大河亞)の大回顧展の図録。

ロスト・イン・パンデミック 失われた演劇と新たな表現の地平

監修:早稲田大学坪内博士記念演劇博物館(エンパク)
編著:後藤隆基
発行:春陽堂出版
発行日:2021年6月30日
サイズ:B5判、320ページ

演劇の灯は消えない──
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大によって、何が失われ、何を得たのか。 そして、この先の来るべき演劇の形とは ─
100人をこえる舞台関係者の声をあつめ、コロナ禍の記憶を記録する。

ニッポンの芸術のゆくえ なぜ、アートは分断を生むのか?

著者:津田大介、平田オリザ
発行:青幻舎
発行日:2021年6月28日
サイズ:B6判、208ページ

近年、文化芸術、アートをめぐって様々な問題が巻き起こっています。本書は、劇団「青年団」主宰し国内外で活躍する劇作家・平田オリザ氏、「あいちトリエンナーレ2019」で芸術監督を務めたジャーナリスト・津田大介氏による対談で構成しています。演劇界、ジャーナリズム界でリードする両氏が、「ニッポンの文化芸術」の問題点、可能性について存分に語ります。「表現の不自由展」で議論を呼んだ「あいトリ」は何が問題だったのか? コロナ危機で露わになった文化政策の脆弱性とは? 学術会議問題は「学問の自由」のみならず「表現の自由」にもつながる……。文化芸術を皮切りに、日本政治、トランプ現象、地方が生き残る戦略、withコロナ時代のあり方など、これからの日本が向かうべき道筋を問います。

『シン・エヴァンゲリオン』を読み解く

編集:河出書房新社編集部
執筆者:五十嵐太郎、久保豊、近藤銀河、斎藤環、最果タヒ、坂口将史、高島雄哉、照沼健太、難波優輝、西田藍、藤田祥平、伏見瞬、ふぢのやまい、松下哲也
発行:河出書房新社
発行日:2021年6月29日
サイズ:A5判、 224ページ

「エヴァ」の「終わり」と徹底的に向き合うために、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』を当代最高の執筆陣が論じ尽くす。緊急刊行。

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シン・エヴァンゲリオン劇場版|五十嵐太郎:artscapeレビュー(2021年04月15日号)

〈みる/みられる〉のメディア論

編著:高馬京子、松本健太郎
発行:ナカニシヤ出版
発行日:2021年4月30日
サイズ:A5判、250ページ

〈みる/みられる〉の関係性を理論的言説、メディア・テクノロジー、表象空間、社会関係という視点を通して多角的に読み解く


葬いとカメラ

編著:金セッピョル、地主麻衣子
発行:左右社
発行日:2021年5月30日
サイズ:四六判変型、200ページ

アーティストと文化人類学者らが考えた「葬い」を記録することについて。 両者の視点から「死」と「葬い」を見つめた先に見えてきたものは……
身寄りがなくなり、壊される無縁仏
自然葬をすることにした家族の葛藤
葬儀を撮ることの暴力性
在日コリアンのお墓
研究映像とアート作品
簡素化される葬儀と、葬いの個人化

誰もが直面する「死」と、残された者の「葬い」という営みを、どのようにとらえることができるのだろうか。 本書では主に映像によって記録するという行為を通じて、死や葬いを普遍的にとらえなおすことを試みるものである。

クバへ/クバから(いぬのせなか座叢書4)

著者:三野新
栞=小冊子:小田原のどか・佐々木敦
特製ペーパー:笠井康平
装釘・本文レイアウト・解説:山本浩貴+h
発行:三野新・いぬのせなか座写真/演劇プロジェクト制作実行委員会
発行日:2021年6月30日
サイズ:A4判、140ページ

写真を一種の演劇的手法としてとらえ、「現代の恐怖の予感を視覚化する」ことをテーマに多くのパフォーマンスや演劇、展示作品を発表してきた写真家/舞台作家、三野新。福岡出身・東京在住のかれが、分厚い「沖縄写真」の歴史と、自らの内なる激しい抵抗感にともに曝されながら、「沖縄の風景」を/に向けて、撮影・編集・発表する。...
新作写真・ドローイング・コラージュ・戯曲はもちろん、これまでの全活動・全写真を振り返り、素材化し、新たな仮設的劇空間を立ち上げる。三野新、待望の第一写真集。

ありのままのイメージ スナップ美学と日本写真史

著者:甲斐義明
発行:東京大学出版会
発行日:2021年6月24日
サイズ:A5判、360ページ

木村伊兵衛、土門拳、森山大道、荒木経惟から藤岡亜弥まで、日本写真史を駆動してきた力学のひとつはスナップという美学だった。そのスナップ美学の変遷と実態を多様な言説と具体的な写真作品を精査することで浮かび上がらせる、気鋭の研究者による写真研究の成果。

トーキョーアーツアンドスペース アニュアル 2020

編集:杉本勝彦
デザイン:中西要介、根津小春(STUDIO PT.)、寺脇裕子
インタビュー撮影:加治枝里子
インタビュー:内田伸一
発行:公益財団法人東京都歴史文化財団東京都現代美術館トーキョーアーツアンドスペース事業課
発行日:2021年6月1日
サイズ:A5判、166ページ
*非売品(ウェブサイトよりPDFダウンロード可能)

トーキョーアーツアンドスペース(TOKAS)による2020年度の活動をまとめた事業報告書。TOKAS本郷のほか、全国の美大や美術館のライブラリーなどでも閲覧可能。





※「honto」は書店と本の通販ストア、電子書籍ストアがひとつになって生まれたまったく新しい本のサービスです
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2021/07/14(水)(artscape編集部)

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