artscapeレビュー
artscape編集部のレビュー/プレビュー
カタログ&ブックス | 2022年7月1日号[テーマ:アーティスト/作曲家・池田亮司の先鋭性を再発見する5冊]
注目の展覧会を訪れる前後にぜひ読みたい、鑑賞体験をより掘り下げ、新たな角度からの示唆を与えてくれる関連書籍やカタログを、artscape編集部が紹介します。
2009年以来の大規模個展が弘前れんが倉庫美術館で開催(2022年4-8月)されるなど、アーティスト/作曲家として近年も活躍を続けている池田亮司(1966-)。研ぎ澄まされた光と音の作品は、観る者をたびたび圧倒してくれます。ダムタイプとして活動した時代から現在に至るまで、池田の作家性を再び見つめ直す5冊を紹介します。
※本記事の選書は「hontoブックツリー」でもご覧いただけます。
※紹介した書籍は在庫切れの場合がございますのでご了承ください。
協力:弘前れんが倉庫美術館
今月のテーマ:
アーティスト/作曲家・池田亮司の先鋭性を再発見する5冊
1冊目: +/−〈the infinite between 0 and 1〉
著者:池田亮司
発行:エスクァイアマガジンジャパン
発売日:2009年4月
サイズ:27cm、139ページ
Point
東京都現代美術館で開催された、2009年の初の大規模個展の図録として編集された本書。人間の知覚を「データ」として捉え直し、鑑賞者の眼と耳に根源的に働きかける池田のインスタレーション作品を通した探求は、現在に至るまで一貫して続いていることが再確認できます。
2冊目:ダムタイプ 1984 2019
執筆ほか:ダムタイプ
監修:東京都現代美術館
翻訳:アルフレッド・バーンバウム、ダリル・ウィー、中野勉
発行:河出書房新社
発売日:2019年12月27日
サイズ:27cm、213ページ
Point
京都市立芸術大学の学生を中心に、1984年ごろから活動したアーティスト・コレクティヴ「ダムタイプ」。池田もその一員として、ビジュアル/テクニカルの両側面からグループのアイデンティティを形成してきたことは、池田の活動初期を語る上でも重要な要素です。ダムタイプの活動を総覧できる、保存版ともいえる一冊。
3冊目:美学のプラクティス
著者:星野太
発行:水声社
発売日:2021年12月24日
サイズ:20cm、232ページ
Point
「美学とは何か?」という大きな問いへの考察を重ねる、気鋭の哲学者/美学者・星野太による論集。「感性的対象としての数」の項で、宮島達男作品などとともに池田亮司に関する言及も。これらを具体例に語られる、美学においての「美と崇高」の概念は、ほかの作家の作品を観る際にもきっと生かされるはず。
4冊目:フラッター・エコー 音の中に生きる
著者:デイヴィッド・トゥープ
翻訳:little fish
発行:DU BOOKS
発売日:2017年6月9日
サイズ:20cm、307+9ページ
Point
英国における現代音楽の巨匠であり、批評家でもあるデイヴィッド・トゥープ(1949-)によって2017年に刊行された自伝。アンビエントやエレクトロニカなど、多岐にわたる音楽ジャンルの年代記としても読め、日本人アーティストとの共作もたびたび行なってきた著者独自の視点で池田亮司の音楽性にも触れています。
5冊目:パンデミック日記
編集:「新潮」編集部
発行:新潮社
発売日:2021年6月24日
サイズ:20cm、215ページ
Point
文芸誌『新潮』に掲載された、小説家や劇作家、ミュージシャンなど各界の文化人たち総勢52名による2020年の1年間のリレー日記。そのなかで池田亮司も身の回りのことを綴っています。個々人での世相の見方が鮮明に体感できる一冊。いまや日常となったパンデミックが鮮烈に生活を左右していた頃がもはや懐かしい。
池田亮司展
会期:2022年4月16日(土)~8月28日(日)
会場:弘前れんが倉庫美術館(青森県弘前市吉野町2-1)
公式サイト:https://www.hirosaki-moca.jp/exhibitions/ryoji-ikeda/
池田亮司展 展覧会ブックレット
発行日:2022年7月23日(予定)
サイズ:A5判型、64ページ、フルカラー
価格:800円(税込)
インスタレーションショット撮影:浅野豪
「池田亮司展」の解説や展示風景写真を収録した展覧会ガイドブック(日英バイリンガル)。インディペンデント・キュレーター吉竹美香氏による論考のほか、キュレーター/ライターのバーバラ・ロンドン氏による作家へのインタビューを掲載。
◎展示会場隣接のショップ、オンラインストアで予約受付中。
2022/07/01(金)(artscape編集部)
カタログ&ブックス | 2022年6月15日号[近刊編]
展覧会カタログ、アートやデザインにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。
※hontoサイトで販売中の書籍は、紹介文末尾の[hontoウェブサイト]からhontoへリンクされます
◆
ワタシの迷宮劇場 森村泰昌
著:森村泰昌
デザイン:森大志郎/小池俊起
発行:torch press
発行日:2022年4月8日
サイズ:307×227 mm、272ページ
京都市京セラ美術館にて、2022年3月12日〜2022年6月5日まで開催されていた展覧会「森村泰昌:ワタシの迷宮劇場」の図録。
彫刻刀が刻む戦後日本
作品解説執筆:池上善彦、鳥羽耕史、白凛、町村悠香
発行:町田市立国際版画美術館
発行日:2022年4月23日
サイズ:19.2 x 25.7cm、239ページ
町田市立国際版画美術館にて、2022年4月23日(土)~7月3日(日)まで開催されているの展覧会「彫刻刀が刻む戦後日本―2つの民衆版画運動」の図録。
ヴェネチア・ビエンナーレと日本
企画:国際交流基金
編:三上豊 他
発行:平凡社
発行日:2022年5月21日
サイズ:B5判、288ページ
世界最大級の現代アートの展覧会、ヴェネチア・ビエンナーレ美術展の日本公式参加70周年記念出版。
福島菊次郎 あざなえる記憶
著:那須圭子
発行:かもがわ出版
発行日:2022年5月23日
サイズ:四六判、210ページ
被爆者、学生運動、公害問題――。戦後史の先端を活写した報道写真家・福島菊次郎を近くで四半世紀にわたり見つめてきた著者が、時代と切り結んだ「師」の姿と言葉を追い、その覚悟と葛藤、老いと死をつづる極私的フォトエッセー。
閉ざされる建築、開かれる空間 社会と建築の変容
著:中川理
発行:鹿島出版会
発行日:2022年5月23日
サイズ:四六判、272ページ
脱「建築」――構築から接続へ。読売新聞連載コラム「建築季評」20年による建築・都市の読み解きから、空間の捉え方を考える。
創造とアナーキー 資本主義宗教の時代における作品 (シリーズ〈哲学への扉〉)
著:ジョルジョ・アガンベン
訳:岡田温司/中村魁
発行:月曜社
発行日:2022年5月23日
サイズ:B6変型判、218ページ
スイスの建築学校でおこなわれた連続講演をもとに、芸術作品の考古学、創造行為とは何か、我有化しえないもの、命令とは何か、宗教としての資本主義、という五つの主題をめぐり、諸学を横断しつつ概念の星座を探索する、アガンベンの思考のエッセンス。
ミュージアムの教科書 深化する博物館と美術館
著:暮沢剛巳
発行:青弓社
発行日:2022年5月27日
サイズ:A5判、304ページ
ルーヴル美術館、万国博覧会、MoMA、ヴィクトリア&アルバート博物館、東京国立博物館、日本民藝館、セゾン美術館、森美術館、アイヌ民族博物館――国内外の重要なミュージアムや展示をピックアップして、各館の歩みや社会的な役割を丁寧に解説する。
田中信太郎アトリエ
著:中井康之、三上豊、吉山裕次郎
発行:せりか書房
発行日:2022年5月27日
サイズ:16×22cm、111ページ
没後のアトリエに残された「物」と空間をとらえた写真と本人のアフォリズム、中井康之による評伝から構成。
ディック・ブルーナ 永遠のデザインとことば
著:ディック・ブルーナ
発行:KADOKAWA
発行日:2022年5月30日
サイズ:B6変形判、192ページ
世界中で愛され続けているミッフィーの作者ディック・ブルーナの言葉と、あたたかくかわいいイラストが詰まった名著復刊!
誰のための排除アート? 不寛容と自己責任論 (岩波ブックレット)
著:五十嵐太郎
発行:岩波書店
発行日:2022年6月3日
サイズ:A5判、64ページ
「排除アート」設置の歴史・背景をひもとき、日本の公共空間づくりの問題点を浮き彫りにする。
関連レビュー
名古屋の排除アート|五十嵐太郎:artscapeレビュー(2022年04月15日号)
建築家の解体 (ちくま新書)
著:松村淳
発行:筑摩書房
発行日:2022年6月7日
サイズ:新書判、320ページ
「スター建築家」から「顔の見える専門家」へ――。安藤忠雄、隈研吾、谷尻誠……「建築社会学」を探究する社会学者が、来たるべき建築家の職業像を示す。
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展覧会カタログ、アートやデザインにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。
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2022/06/14(火)(artscape編集部)
カタログ&ブックス | 2022年6月1日号[テーマ:ヨシタケシンスケの視点にシンクロしてしまうかもしれない5冊]
注目の展覧会を訪れる前後にぜひ読みたい、鑑賞体験をより掘り下げ、新たな角度からの示唆を与えてくれる関連書籍やカタログを、artscape編集部が紹介します。
絵本作家として『りんごかもしれない』でデビューして以来、「もしも」の世界の豊かさをさまざまな形で描き続けてきたヨシタケシンスケ氏。世田谷文学館での初の大規模展覧会「ヨシタケシンスケ展かもしれない」(2022年4-7月)の開催も話題のなか、ヨシタケ氏の発想の種が垣間見える、大人も子どもも没入してしまう5冊を選びました。
今月のテーマ:
ヨシタケシンスケの視点にシンクロするかもしれない5冊
※本記事の選書は「hontoブックツリー」でもご覧いただけます。
※紹介した書籍は在庫切れの場合がございますのでご了承ください。
協力:世田谷文学館
1冊目:りんごかもしれない
著者:ヨシタケシンスケ
発行:ブロンズ新社
発売日:2013年4月17日
サイズ:27cm
Point
言わずと知れた2013年刊行の絵本デビュー作。目の前の何の変哲もないりんごに、その中身や構造、味、来歴などすべてに「◯◯かもしれない」という仮説を掛け合わせ、想像力を働かせることで見えてくるいくつもの世界をユーモラスに示してみせた本書の構造は、その後のヨシタケ氏の絵本でも一貫しています。
2冊目:このあと どうしちゃおう
著者:ヨシタケシンスケ
発行:ブロンズ新社
発売日:2016年4月22日
サイズ:27cm
Point
死後の世界はどうなっているの? という問いをタブーにすることなく、むしろワクワクするもうひとつの世界として描いた一冊。自らの両親の他界を経た、日頃から死について気軽に話せた方がいいという想いが本作の出発点だそう。「世の中ふざけながらじゃないと話しあえないこともたくさんある」(付属のリーフレットより)。
3冊目:ヨチヨチ父 とまどう日々
著者:ヨシタケシンスケ
発行:赤ちゃんとママ社
発売日:2017年4月22日
サイズ:19cm、123ページ
Point
父親という立場になって初めて知る感覚を捉えた、ヨシタケ氏自身の視点からのイラストエッセイ。絵に添えられた率直で正直な言葉を押して、きれいごとばかりではない日常、ひいては社会のなかで育児が置かれているどうしようもない現実の姿に共感を抱くお父さんやお母さんはたくさんいるはず。
4冊目:あるかしら書店
著者:ヨシタケシンスケ
発行:ポプラ社
発売日:2017年6月6日
サイズ:21cm、102ページ
Point
ある町の本屋を舞台に、「こんな本あるかしら?」というお客さんの問いかけから繰り広げられる、「こんな『本にまつわる本』あったらいいな」という妄想のオンパレード。読んでいるうちに何より強く感じられるのは、本や書店への愛とロマン。だんだん本屋に行きたくなってくる、子どもも大人もたっぷり没入できる一冊です。
5冊目:思わず考えちゃう
著者:ヨシタケシンスケ
発行:新潮社
発売日:2019年3月29日
サイズ:19cm、143ページ
Point
ヨシタケ氏が日常的に描き留めているスケッチと、それを描いたとき考えていたこと。哲学的な問いにつながりそうな話題もあれば、言語化までは至っていなかった生活の「あるある」もあり、その粒度の幅広さにどんどん読み進めてしまうミニエッセイの集積。この一貫した肩の力の抜け具合、見習いたくなってしまいます。
ヨシタケシンスケ展かもしれない
会期:2022年4月9日(土)~7月3日(日) ※日時指定制
会場:世田谷文学館(東京都世田谷区南烏山1-10-10)
公式サイト:https://yoshitake-ten.exhibit.jp/
『ヨシタケシンスケ展かもしれない公式図録 こっちだったかもしれない』
出版社:白泉社
発行日:2022年4月9日
サイズ:B6判変型(W117×H163×D42mm)、496ページ
アートディレクション:大島依提亜
撮影:加藤新作
©Shinsuke Yoshitake
展覧会公式図録は、ヨシタケシンスケ自身が描き下ろしたコンテンツを豊富に収録。絵本のためのラフやアイデア、絵本原画をはじめ、展覧会のために描いた未公開スケッチを1000点以上収録。さらに、展覧会オリジナルグッズを自ら考案したスケッチは170点以上に。展覧会の裏話を含む5500字インタビューや、絵本作家デビューから10年の軌跡をたどる専門家による絵本論も必読です。
◎展示会場で販売中。
2022/06/01(水)(artscape編集部)
カタログ&ブックス | 2022年5月15日号[近刊編]
展覧会カタログ、アートやデザインにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。
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ポスター芸術論 十九〜二〇世紀フランスの広告、絵画、ポピュラー・イメージ
著:吉田紀子
発行:三元社
発行日:2022年2月25日
サイズ:A5判、306ページ
シェレ、ロートレック、ミュシャ、……街に氾濫する大型の広告ポスター。大量に流通し始めたポピュラー・イメージの衝撃に画家やデザイナーはいかに対峙し、美術批評家、文化政策、産業界はどう関わったのか。フランス美術史への新しい視点。
『丸亀での現在』展カタログ
企画・編集:旅するリサーチ・ラボラトリー
執筆:旅するリサーチ・ラボラトリー、石川卓磨、竹崎瑞季
発行:丸亀市猪熊弦一郎現代美術館 公益財団法人ミモカ美術振興財団
発行日:2022年3月
サイズ:B5判、152ページ
2021年12月18日〜2022年3月21日に開催された展覧会「丸亀での現在」のカタログ。
国を越えてアジアの芸術
編著:高橋宏幸 ほか
発行:彩流社
発行日:2022年3月16日
サイズ:四六判、335ページ
アジア・アートの国を越える可能性を問うて、各界、第一線で活躍する人達へ取材。西洋規範に則られがちな我々の価値観・芸術観を相対化し、現代演劇や舞台芸術の最前線で「いま・なに」が行われているかを探求する。
文化政策の論理と芸術支援の実際
著者:枝川明敬
発行:晃洋書房
発行日:2022年3月20日
サイズ:A5判、272ページ
文化芸術支援のロジックを欧米と比較しつつ,日本では議論が遅れている芸術の倫理性についても考察。明治期以降の国と地方の行政統治機構の関係を明らかにし,政策決定における会議の内実に踏み込み検討する。
COMPOST vol.03
編集:COMPOST編集委員会
著者:井上明彦、建畠晢、高嶋慈、山本和弘、津崎実、川上央、佐藤直哉、青木敬士、岡田加津子、砂原悟、黒川岳、中村典子、王杰、高林弘実、竹浪遠、棚橋映水、前﨑信也、白石晃一、石原友明、遠藤水城、田口かおり、加治屋健司、中井康之、相澤邦彦、山本毅
装丁・組版:松本久木+納谷衣美(松本工房)
表紙アートワーク:建畠晳
木版画制作:桐月沙樹
発行:京都市立芸術大学芸術資源研究センター
発行日:2022年3月31日
サイズ:261ページ
京都市立芸術大学芸術資源研究センターの研究紀要。
『Chim↑Pom:ハッピースプリング』展カタログ第1巻(LPレコード版)
編集:綾女欣伸/近藤健一
発行:森美術館
発行日:2022年3月31日
サイズ:37.5×37.5cm、47ページ
2022年2月18日(金)~ 5月29日(日)まで森美術館にて開催されている展覧会『Chim↑Pom』のカタログ。
絵の中に入る
著者:仲條正義
発行:リトルモア
発行日:2022年4月25日
サイズ:A5判、160ページ
グラフィック・デザインで大きな足跡を残した巨星、仲條正義氏が12年にわたり「暮しの手帖」の表紙として描き続けた75枚の絵が一冊に。
蓮の暗号 〈法華〉から眺める日本文化
著者:東晋平
発行:ART DIVER
発行日:2022年4月28日
サイズ:四六判、352ページ
「侘び・寂び」でも「アニミズム」でも「武士道」でもない日本。
その流れは、あからさまな水音を立てない。
むしろ地中深くを潤し、あらゆる草木の根から茎へと巡って森を育んできた。
ありありと描かれているのに、私たちがそうとは気づかないもの。気づかせないもの。
それについて、あえて想像力を豊かに解読の妄想に耽ってみたい。(帯文より)
建築家の基点 「1本の線」から「映画」まで、13人に聞く建築のはじまり
編著:坂牛卓
発行:彰国社
発行日:2022年5月6日
サイズ:四六判、304ページ
建築家の作品は、創造の「基点」が人生の初期に現れ、現在まで継続的に展開している。 本書は、建築家・坂牛卓氏による、建築家13人のインタビュー集。
画文でわかるモダニズム建築とは何か
文:藤森照信
画:宮沢洋
発行:彰国社
発行日:2022年5月6日
サイズ:A5変形、128ページ
藤森照信によるモダニズム建築論を宮沢洋が描くイラストとともに楽しく学ぶ入門書。
世界中の都市に鉄とガラスとコンクリートでつくられた四角い箱が立ち並んでいるのはなぜか?
歴史主義建築が席巻していた19世紀から一転、インターナショナル・スタイルがどのように生まれ世界に広がったのか、その謎に迫る。
ミュージアムグッズのチカラ2
著:大澤夏美
発行:国書刊行会
発行日:2022年5月20日
サイズ:A5判、144ページ
待望の続編‼ ミュージアムグッズの持つ「チカラ」を紐解こう。美術館、歴史博物館、自然史博物館、動物園、水族館……日本全国、あらゆるジャンルのミュージアムを訪ね歩き、その活動とミュージアムグッズを紹介。豊富なインタビューと愛らしいグッズが、あなたをミュージアムの世界へ誘います。
新しいエコロジーとアート──「まごつき期」としての人新世
編:長谷川祐子
発行:以文社
発行日:2022年5月9日
サイズ:A5判、336ページ
本書は、「人新世」「資本新世」とよばれる新しい環境下で生じてきた自然、 政治、社会、情報、精神面での変化に対する現代美術の応答と変容、そして、これらを伝えるキュラトリアル実践に関して、キュレーター、哲学者、人類学者らによる領域横断的なアンソロジーである。
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2022/05/13(金)(artscape編集部)
カタログ&ブックス | 2022年4月15日号[近刊編]
展覧会カタログ、アートやデザインにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。
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語りの複数性
企画・執筆・編集:田中みゆき
発行:公益財団法人 東京都歴史文化財団 東京都現代美術館 東京都渋谷公園通りギャラリー
発行日:2022年2月
サイズ:A5判、119ページ
2021年10月9日(土)~12月26日(日)に東京都渋谷公園通りギャラリーにて開催された展覧会「語りの複数性」のカタログ。
DOMANI・明日2021-22
監修:林洋子(文化庁)
編集:内田伸一/アート・ベンチャー・オフィス ショウ
発行:文化庁
発行日:2022年3月
サイズ:B5判変形、151ページ
2021年度、全国5会場(京都・水戸・広島・愛知・石巻)で開催した展覧会『DOMANI・明日2021-22 』展のカタログ。
塩田千春 いのちのかたち
著者:那覇文化芸術劇場なはーと
発行:那覇市文化振興課
発行日:2022年3月、104ページ
2021年12月4日~2022年3月6日に那覇文化芸術劇場なはーとにて開催された塩田千春「いのちのかたち」のコンセプトブック。
都市デザイン横浜 個性と魅力あるまちをつくる
企画・編集:横浜都市デザイン50周年事業実行委員会/横浜市都市整備局
発行:BankART1929
発行日:2022年3月5日
サイズ:A4判、352ページ
横浜の都市デザイン活動の50周年を記念した展覧会に合わせて作成された、これまでの横浜の都市デザインを振り返るカタログ。
新・建築入門 思想と歴史 (ちくま学芸文庫)
著者:隈研吾
発行:筑摩書房
発行日:2022年3月10日
サイズ:文庫判、240ページ
「建築とは何か」という困難な問いに立ち向かい、建築様式の変遷と背景にある思想の流れをたどりつつ、思考を積み重ねる。書下ろし自著解説を付す。
デザイン保護法
編著:茶園成樹/上野達弘
発行:勁草書房
発行日:2022年3月11日
サイズ:A5判、304ページ
「デザイン」の法的保護は、どうあるべきなのか? 意匠法、著作権法、商標法、不正競争防止法による保護を多角的に検討する。
現代思想入門 (講談社現代新書)
著者:千葉雅也
発行:講談社
発行日:2022年3月16日
サイズ:新書判、248ページ
人生を変える哲学が、ここにある――。現代思想の真髄をかつてない仕方で書き尽くした、「入門書」の決定版。
彫刻2:彫刻、死語/新しい彫刻
編集・装幀:小田原のどか
発行:書肆九十九
発行日:2022年3月18日
サイズ:菊判、608ページ
1940年代後半の、イタリアとアメリカ。〈死語としての彫刻〉と、〈新しい彫刻〉。彫刻の言説はなぜ二分したのか──。「彫刻」をめぐる叢書、最新巻刊行。
おもしろい地域には、おもしろいデザイナーがいる 地域×デザインの実践
編著:新山直広/坂本大祐
著者:小林新也/迫一成/古庄悠泰/稲波伸行/福田まや/吉田勝信/佐藤哲也/長谷川和俊/羽田純/吉野敏充/佐藤かつあき/今尾真也/小板橋基希/安田陽子/土屋誠/堀内康広/タケムラナオヤ/森脇碌/中西拓郎
発行:学芸出版社
発行日:2022年3月20日
サイズ:四六判、192ページ
わずかな予算、想定外の作業、地域の付き合い。そんな状況をおもしろがり、顔の見える関係で仕事したり、自ら店に立ったり、販路を見つめ直したり。ディレクションも手仕事も行き来しながら現場を動かし、その土地だからできるデザインを生む。きっかけ、仕事への姿勢、生活の実際、これからの期待を本人たちが書き下ろす。
デザインと障害が出会うとき
著者:Graham Pullin
監訳:小林茂、訳:水原文
発行:オライリー・ジャパン
発行日:2022年3月22日
サイズ:21x15x2.5cm、408ページ
本書は、長年にわたって障害者向けのプロダクトの開発・教育に携わってきた著者による「障害に向き合うデザイン」のための書籍です。ファッション性と目立たないこと、問題解決的アプローチとオープンエンドな探求など、一見対立するように見える要素の健全な緊張関係から生まれる新しいデザインの可能性を考えます。
現代建築 社会を映し出す建築の100年史 (クリティカル・ワード)
編著:山崎泰寛/本橋仁
著者:勝原基貴/熊谷亮平/吉江俊
発行:フィルムアート社
発行日:2022年3月23日
サイズ:四六判、328ページ
都市、技術、政治、文化、メディア。5つの切り口で建築の現代(いま)に迫る。基本用語から、時事、サブカル、最新テクノロジーまで、建築を取り巻く幅広いトピックを一冊で学べる“クリティカル”なキーワード集。
地球的思考 グローバル・スタディーズの課題
編:國分功一郎/清水光明
発行:水声社
発行日:2022年3月25日
サイズ:四六判、492ページ
グローバルな俯瞰力と世界諸地域の文化や社会の多様性はどのようにして思考できるのか? 様々な分野で最先端を走る研究者たちの実践を垣間見る。東大駒場「グローバル・スタディーズ・イニシアティヴ」構想の成果。
原郷の森
著者:横尾忠則
発行:文藝春秋
発行日:2022年3月24日
サイズ:四六判、520ページ
ダ・ビンチ、ピカソ、デュシャン、葛飾北斎、三島由紀夫、黒澤明……横尾アトリエの隣には、芸術家たちが時空を超えて語り合う「原郷の森」がある。さらにはそこに宇宙人たちまで現れて――。横尾版『饗宴』とも呼べる壮大な芸術論が展開される。
黒川紀章のカプセル建築
文:鈴木敏彦
写真:山田新治郎
発行:Opa Press
発行日:2022年4月5日
サイズ:B5判変型、254ページ
本書は80年代後半に黒川紀章都市建築設計事務所に所属した著者が、70年代にカプセル建築を担当した元所員にインタビューを行い、1970年の大阪万博のパビリオンや、1973年の別荘カプセルハウスK、1979年に発明した世界初のカプセルホテルを時系列に解説しました。新たに撮り下ろしたカラー写真を豊富に紹介する豪華愛蔵本です。
待ってたぞ!美術館 大阪中之島美術館開館に寄せて
編:中之島芸術文化協議会
発行:澪標
発行日:2022年4月6日
サイズ:四六判、214ページ
もともと大阪には市民の力で作られた文化施設が数多くあるのですが、今まではそれぞれの連携が少なく今一つ存在感を発揮できていなかったように思います。この新美術館が発火点となり核となって大阪が文化都市としてスポットライトが当たるようになればと願っています。(大林 剛郎)
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2022/04/14(木)(artscape編集部)