2022年08月01日号
次回9月1日更新予定

artscapeレビュー

artscape編集部のレビュー/プレビュー

カタログ&ブックス | 2022年2月15日号[近刊編]

展覧会カタログ、アートやデザインにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。
※hontoサイトで販売中の書籍は、紹介文末尾の[hontoウェブサイト]からhontoへリンクされます





世界を一枚の紙の上に 歴史を変えたダイアグラムと主題地図の誕生

著者:大田暁雄
発行:オーム社
発行日:2021年12月17日
サイズ:B5判、272ページ

デザイン史を揺さぶるこのグラフィックは、なぜ、制作されたのか。「世界を描く」という不可能に挑戦した人たちの知られざる科学的グラフィズム150年の軌跡。 雑誌『アイデア』の好評連載を待望の書籍化。アレクサンダー・フォン・フンボルトからオットー・ノイラートまでの科学的グラフィズムの壮大な物語。



花裂ける、廃絵逆めぐり 福山知佐子画集

著者:福山知佐子、ジョルジョ・アガンベン、水沢勉、鵜飼哲、鈴木創士
発行:水声社
発行日:2021年12月27日
サイズ:B5判、192ページ

枯れゆくチューリップ、しなだれ、衰微するアネモネ…。枯れながら命を終えてゆく植物たち、そしてそこに潜む生命の循環を描いた、鉛筆による素描、水彩、銀箔膠絵。20年以上にわたり、花開き、枯れ、朽ちはてる草花を描き続けた画家の集大成。



都市を上映せよ  ソ連映画が築いたスターリニズムの建築空間

著者:本田晃子
発行:東京大学出版会
発行日:2022年1月21日
サイズ:四六判、304ページ

ソ連時代、建築の理想や夢を映し出す一大メディアとなった映画は、社会主義都市のイメージを大衆に浸透させることに成功し、現在にいたるまで人々の「ソ連」のイメージと結びついてきた。映画は首都モスクワをいかに神話化し、解体したのか、スクリーン上の建築物が饒舌に語り始める。



僕とデザイン

著者:仲條正義
発行:アルテスパブリッシング
発行日:2022年1月25日
サイズ:四六判変型、210ページ

資生堂のPR誌『花椿』のアートディレクターを40年以上務めたほか、 同パーラーのロゴとパッケージデザイン、 銀座松屋や東京都現代美術館、カゴメなど数多くのロゴをはじめ、 斬新で粋なデザインを世に送り続けてきた仲條正義が、 キャリアを振り返りながら、デザインとはなにか? を自ら語ります。


ラディカント グローバリゼーションの美学に向けて

著者:ニコラ・ブリオー
訳者:武田宙也
発行:フィルムアート社
発行日:2022年1月26日
サイズ:四六判、296ページ

1998年、『関係性の美学(原題:Esthétique relationnelle)』で美術の新たなパラダイムを切り拓いたブリオーが、21世紀の今日的状況を考察するため、旅人としてのアーティストたちの実践を通して新しい時代のしなやかな美学を描き出した、文化や想像力の標準化に抗するための挑戦的一冊。



環境が芸術になるとき 肌理の芸術論

著者:高橋憲人
発行:春秋社
発行日:2022年1月28日
サイズ:四六判、240ページ

環境と人間との関係性から芸術創造のあり方を捉えなおし、 肌理 きめ から生み出される新たな芸術実践のあり方を探求する気鋭の論考。ドローイングアーティスト・鈴木ヒラク氏へのインタビューを収録。


現代建築宣言文集[1960-2020]

編者:五十嵐太郎+菊地尊也
発行:彰国社
発行日:2022年1月
サイズ:四六判、432ページ

本書は、1960年のメタボリズムから2020年まで、現代の建築概念を揺るがしてきた建築家や批評家による50の言説を再録・解読するアンソロジーである。 各言説には、五十嵐太郎、菊地尊也ほか東北大学五十嵐研究室による解説文も掲載。 約半世紀にわたる言説の蓄積を振り返ることで、現代の位置を確かめ、未来につなぐ。



サーキュラーデザイン 持続可能な社会をつくる製品・サービス・ビジネス

著者:水野大二郎・津田和俊
発行:学芸出版社
発行日:2022年2月1日
サイズ:A5判、240ページ

地球環境の持続可能性が危機にある現在、経済活動のあらゆる段階でモノやエネルギー消費を低減する「新しい物質循環」の構築が急がれる。本書は1)サーキュラーデザイン理論に至る歴史的変遷2)衣食住が抱える課題と取組み・認証・基準3)実践例4)実践の為のガイドとツールを紹介する。個人・企業・組織が行動に移るための手引書


ケアとアートの教室

編著者:東京藝術大学 Diversity on the Arts プロジェクト
発行:左右社
発行日:2022年2月4日
サイズ:四六判、256ページ

介護、障害、貧困、LGBTQ+、そしてアート。様々な分野で活躍する人々と、東京藝術大学 Diversity on the Arts プロジェクト(通称DOOR)の受講生がともに学び、考える。 そこから見えてきたのは、福祉と芸術が「人間とは何かを問う」という点でつながっているということ。 ケアとアートの境界を行く17項!


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2022/02/14(月)(artscape編集部)

カタログ&ブックス | 2022年2月1日号[テーマ:フェミニズム、反芸術、ドゥルーズ──田部光子の世界をもっと深く知る5冊]

注目の展覧会を訪れる前後にぜひ読みたい、鑑賞体験をより掘り下げ、新たな角度からの示唆を与えてくれる関連書籍やカタログを、artscape編集部が紹介します。
今回ピックアップするのは、福岡市美術館の企画展、田部光子展「希望を捨てるわけにはいかない」(2022年1月5日~3月21日開催)。国内でも早期からフェミニズムの視点を持って制作を続けてきた女性作家、田部光子(たべ・みつこ/1933-)。本展を出発点に、日本美術における女性作家の立ち位置の変遷や、「反芸術」の流れにおけるパフォーマンスの歴史など、彼女を取り巻くトピックを広くそして深く知るための5冊を、本展の展覧会図録とともにご紹介します。


今月のテーマ:
田部光子の世界をもっと深く知る5冊

※本記事の選書は「hontoブックツリー」でもご覧いただけます。
※紹介した書籍は在庫切れの場合がございますのでご了承ください。


1冊目:女性画家たちの戦争(平凡社新書)

著者:吉良智子
発行:平凡社
発売日:2015年7月17日
サイズ:18cm、215ページ

Point

大正末期から戦前、戦中にかけて、女性画家たちはどのような環境で作家活動をしてきたのか、そして戦争にどう関わったのか──。国内の画壇における女性画家たちの立ち位置とともに、どのような目線で戦争の時代を捉えていたのかを俯瞰できる一冊。田部が生きた時代の前日譚として。


2冊目:アンチ・アクション 日本戦後絵画と女性画家

著者:中嶋泉
発行:ブリュッケ
発売日:2019年9月5日
サイズ:22cm、362ページ

Point

田部とほぼ同時代を生きてきた女性画家たち──草間彌生、田中敦子、福島秀子の3人の視点から見つめ直す戦後美術史。アクション・ペインティングが隆盛した1950〜60年代、それらに男性性を見出す美術界のムードの中で埋もれてしまった女性画家たちの思考をすくい上げる、野心的な研究書。


3冊目:肉体のアナーキズム 1960年代・日本美術におけるパフォーマンスの地下水脈

著者:黒ダライ児
発行:grambooks
発売日:2010年9月1日
サイズ:22cm、632+135ページ

Point

1957年から70年までの日本の前衛美術家の活動のうち特に「反芸術」のなかで生まれたパフォーマンスに着目し、同時代の社会状況を踏まえ詳細に紹介・分析した、日本のパフォーマンス史における重要書。今回の展覧会ポスターのメインビジュアルを飾る田部のパフォーマンスについても言及あり。佇まいも含め重厚な一冊。



4冊目:フェミニズムはみんなのもの 情熱の政治学

著者:ベル・フックス
翻訳:堀田碧
発行:エトセトラブックス
発売日:2020年8月12日
サイズ:19cm、188ページ

Point

日々耳にしている「フェミニズム」がそもそも何を目指したどんな考え方なのか、正直ちゃんと説明できない…。そんな人におすすめしたい本。女性だけでなく誰にでも関係のあるトピックとして、現代的な目線でフェミニズムを捉え直せる入門書。田部が活動初期から抱えていた問題意識の先見性にも改めて驚かされるはず。



5冊目:ドゥルーズの哲学 生命・自然・未来のために(講談社学術文庫)

著者:小泉義之
発行:講談社
発売日:2015年10月10日
サイズ:15cm、245ページ

Point

今回の展覧会のタイトルにもなった「希望を捨てるわけにはいかない」という力強い言葉は、2000年頃に田部氏が本書(2000年刊行の講談社現代新書版)で出会ったもの。一見難解な「差異」に着目したドゥルーズの思想を、時には迂回しながら著者と読み込んでいくことで、世界の捉え方に少し希望が湧いてくる一冊。







田部光子展「希望を捨てるわけにはいかない」

会期:2022年1月5日(水)~3月21日(月・祝)
会場:福岡市美術館(福岡県福岡市中央区大濠公園1-6)
公式サイト:https://www.fukuoka-art-museum.jp/exhibition/tabemitsuko/


田部光子展「希望を捨てるわけにはいかない」展覧会図録

編集・執筆:正路佐知子(福岡市美術館)
発行:福岡市美術館
発行日:2022年1月5日
サイズ:H250×W220mm、160ページ

福岡を拠点とする美術家・田部光子の活動を回顧する展覧会、田部光子展「希望を捨てるわけにはいかない」の図録。出品作を含む作品画像や資料・写真を数多く掲載し、田部光子による文章も多数再録。担当学芸員の論考、詳細な文献リストと年表、出品リストを収録(一部日英)。

◎展示会場、福岡市美術館オンラインショップで販売中。



2022/02/01(火)(artscape編集部)

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カタログ&ブックス | 2021年1月15日号[近刊編]

展覧会カタログ、アートやデザインにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。
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『余の光/Light of My World』展覧会カタログ

発行者:堤拓也
編集:堤拓也、慶野結香、平野 春菜
執筆者:堤拓也、慶野結香、石黒健一、小笠原周、小宮太郎、木村舜、本田大起、村上美樹、若林亮、耕三寺功三、𠮷田勝信
グラフィックデザイン:𠮷田勝信
発行日:2021年10月15日
サイズ:29.7x 32cm、26ページ

「京都府域展開アートフェスティバル ALTERNATIVE KYOTO in 福知山」の一環として、2021年10月8日〜11月7日まで旧銀鈴ビルにて開催された展覧会「余の光/Light of My World」の公式カタログです。


イメージかモノか 日本現代美術のアポリア

著者:高島直之
発行:武蔵野美術大学出版局
発行日:2021年11月5日
サイズ:A5判、256ページ

1960年代の「反芸術」から戦後日本美術の重要な美術動向である「もの派」へ、そして、ハイレッド・センターによる山手線事件、赤瀬川原平の作品を発端に社会現象にまでなった模型千円札裁判。1960年代から70年にかけての日本現代美術の事象を、当時の批評家や作家の実践を通して読み解く。イメージかモノかという困難で切実な問題に、当時の美術の最前線にいた作家や批評家はどう対峙したか—。



フェルメールとそのライバルたち 絵画市場と画家の戦略

著者: 小林頼子
発行:KADOKAWA
発行日:2021年11月17日
サイズ:四六判、480ページ

ライバル画家2000人、流通した絵画500万点。 繁栄と恐慌、戦争、感染症──。 不朽の名画を生んだ絵画の黄金時代は、 空前の競争市場〈レッドオーシャン〉だった! 17世紀オランダの絵画市場と 画家の生き残り戦略に迫る、美術史研究の最前線。



ぺらぺらの彫刻

編著:戸田裕介
著者:石崎 尚・伊藤 誠・鞍掛純一・田中修二・戸田裕介・袴田京太朗・藤井 匡・松本 隆・森 啓輔
発行:武蔵野美術大学出版局
発行日:2021年11月30日
サイズ:A5判、320ページ

「構造を被覆する表面によって成立する彫刻の系譜を確認する」という共同研究に、彫刻家、美術史家、学芸員9名が集結。お堅い命題に頭を抱えて議論百出。ついに満場一致で「ぺらぺらの彫刻」として追究開始。道成寺の鐘の内側は、内なのか外なのか? 禅問答に悩むごとく、ある者は触覚から、ある者は空洞から、ある者はピカピカから、ある者は時代の空気から…横山裕一に章扉を描かせ、溢れる彫刻愛は「読む彫刻」を生み出した!


KAZUYO SEJIMA RYUE NISHIZAWA SANAA 1987-2005 Vol. 1 / 2005-2015 Vol. 2 / 2014-2021 Vol. 3

著者:妹島和世、西沢立衛
発行:TOTO出版
発行日:2021年12月
サイズ:A4判変型、672ページ

世界で活躍する建築家、妹島和世、西沢立衛の各個人事務所と、両氏が主宰するSANAAの、1987年から2021年までの活動を年代順に紹介する3巻セットの作品集。建築、都市マスタープラン、家具、プロダクト、書籍に至るまで、その30余年の活動と思考の軌跡を総覧できる。この作品集をひとつの建築と考え、建築設計に近いやり方でつくったという、妹島、西沢のクリエーションへのこだわりが詰まったブックデザインにも注目。




〈問い〉から始めるアート思考

著者:吉井仁実
発行:光文社
発行日:2021年12月15日
サイズ:新書判

古来、アーティストは見えないものを見えるようにするような役割を社会の中で担ってきました。(中略)アーティストたちは、その時代や社会の中で、見たくても見えないものを描き出してきたと言えると私は思っています。(中略)アーティストたちに共通しているのは、未来についての「問い」を私たちに投げかけながら、常識を揺さぶったり、今までにない経験をさせたりするところです。(中略)観賞者がアーティストたちの作り出す未来の可能性を明確に感じることができれば、それはきっとビジネスでも役立つし、これからどうやって生きていくかを考えるときにも役立つはずだと私は思います。

(第一章「アートは未来を提示する」より)


八束はじめインタビュー 建築的思想の遍歴

編著:八束はじめ
発行:鹿島出版会
発行日:2021年12月
サイズ:A5判、168ページ

本書は著者が学生時代から大学を定年退職するまでの活動を振り返ったインタビュー集であり、現代建築の半世紀を語っている。「修業と師事」「設計と批評」「研究と教育」の3部構成で自らの足跡とその時代を振り返る。そこに通底するのは「思想」であり、著者が何を考えてそれが成立しているかを明らかにする。多才なモダニストが語る現代建築の半世紀。



『美学のプラクティス』

著者:星野太
発行:水声社
発行日:2021年12月24日
サイズ:四六判、232ページ

たえず懐疑的な視線にさらされ、「居心地の悪さ」を指摘されてきた学問領域、美学……。「崇高」「関係」「生命」という3つのテーマをめぐって、抽象と具体のあいだで宙吊りにされてきた美学の営為を問い直す、ひとつの実践の記録。美・芸術・感性を越境する批判的思考のきらめきが、いまここに。






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2022/01/14(金)(artscape編集部)

カタログ&ブックス | 2021年12月15日号[近刊編]

展覧会カタログ、アートやデザインにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。
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モダン建築の京都100 展覧会オフィシャルブック

編著:石田潤一郎、前田尚武(京都市京セラ美術館・本展企画者)
発行:Echelle-1
発行日:2021年9月25日
サイズ:A5判、319ページ

2021年9月25日〜2021年12月26日まで京都市京セラ美術館で開催されている展覧会「モダン建築の京都」のオフィシャルブック。



EXPO’70 大阪万博の記憶とアート

編著:橋爪節也、宮久保圭祐
著者:永田靖、岡田加津子、佐谷記世、DIKDIK SAHAHDIKUMULLAH、竹嶋康平、加藤瑞穂、正木喜勝、乾健一、岡上敏彦、長井誠、五月女賢司
発行:大阪大学出版会
発行日:2021年10月25日
サイズ:A4判、120ページ

「人類の進歩と調和」をテーマに開催された1970年大阪万博。今でも入場者の耳によみがえるパビリオンの仕掛ける轟音やイベントの音楽。斬新、奇抜な印象を強く残した建造物、映像や催しの数々のデザインは明らかにこの国の輝かしい未来を人々に印象付けた。その記憶には50年を経て、同じ熱狂を持って語られない記憶も現れて加わり、蘇るアートに見えるもの、万博そのものや、開催地周辺にその後与えた影響など、新たにそそられる興味深さが見いだせる。



近代を彫刻/超克する

著者:小田原のどか
発行:講談社
発行日:2021年10月29日
サイズ:四六判、146ページ

〈思想的課題〉としての彫刻を語りたい。 
街角の彫像から見えてくる、もう一つの日本近現代史、ジェンダーの問題、公共というもの……。 都市に建立され続け、時に破壊され引き倒される中で、彫刻は何を映すのか。
注目の彫刻家・批評家が放つ画期的な論考。



上野リチ ウィーンからきたデザイン・ファンタジー

執筆:池田裕子(京都国立近代美術館学芸課長)、アンネ・カトリン・ロスベルク(MAK─オーストリア応用芸術博物館学芸員)、阿佐美淑子(三菱一号館美術館主任学芸員)、本橋仁(京都国立近代美術館特定研究員)、宮川智美(京都国立近代美術館研究員)
発行:朝日新聞社
デザイン:西岡勉
サイズ:B5判変型、339ページ
発行日:2021年11月15日

世界で初めての、上野リチ・リックスの包括的な回顧展にふさわしい、決定版の図録です。図版は全ページカラーで紹介。作品所蔵先、展覧会開催館の研究者らによる論文も掲載しています。



映像が動き出すとき

著者:トム・ガニング
編訳:長谷正人
訳者:松谷容作、菊池哲彦、三輪健太朗、川﨑佳哉、木原圭翔、増田展大、前川修、望月由紀
発行:みすず書房
発行日:2021年11月16日
サイズ:A5判、368ページ

「アトラクションの映画」の概念で、映画という枠組みを超え映像文化研究に大きなインパクトをもたらした初期映画研究・メディア史研究の泰斗ガニング。その思考はさらに深化して、鮮やかな〈動き〉の視覚文化論を展開し、写真・映画・アニメーションにわたる映像文化圏全体を見晴らす。


ロニ・ホーン:水の中にあなたを見るとき、あなたの中に水を感じる? 

編:公益財団法人ポーラ美術振興財団ポーラ美術館
発行:平凡社
発行日:2021年11月26日
サイズ:A4変形判、 216ページ

写真、ガラスの彫刻、ドローイングなど多様なメディアでコンセプチュアルな作品を制作し続けてきたニューヨーク在住のロニ・ホーン。40年の実践を紹介する国内初の展覧会図録。



だれでもデザイン 未来をつくる教室

著者:山中俊治
発行:朝日出版社
発行日:2021年11月27日
サイズ:四六判、360ページ

偶然の出会いを大切に、隣の人の脳みそも借りて。スケッチして、観察して、アイデアを伝え合う。Suicaの改札機、美しい義足。人間と新しい技術の関係を考えつづけてきたデザイナーが中高生に語る、物づくりの根幹とこれから。



Paul Cox Box

著者:ポール・コックス
発行:ブルーシープ
発行日:2021年11月29日
サイズ:A4変形、64ページ

フランス人アーティストのポール・コックス(Paul Cox, 1959-)は、絵画、グラフィックデザイン、舞台美術をはじめ、多くの分野に才能を発揮し、日本でも広告や絵本などの仕事を通して幅広いファンを得ています。『Paul Cox Box』は、今年11月から板橋区立美術館などで開催する展覧会「つくる・つながる・ポール・コックス展」をそのまま持ち帰るコンセプトでつくられた本です。段ボールでできた箱の中には、ポスター、テキスト、ゲーム、写真、さらにはポール手描きのプレゼントが収められ、作家のこれまでと最新作までを、テキストや図版、フランスでの様子、貴重な資料などで伝えます。知的でユーモラスなポールのたくらみが詰まった特別なアートブックです。



建築家・坂倉準三「輝く都市」をめざして

著:松隈洋
発行:青幻舎
発行日:2021年12月3日
サイズ:A5判変型、152ページ

モダニズム建築の巨匠ル・コルビュジエに師事した建築家・坂倉準三。彼の活動を通して、戦後復興の建築・都市の歴史と、髙島屋をはじめとする百貨店建築を通して試みた、建築が人流を都市へと誘導する都市インフラデザインについて紹介する。



危機の時代を生き延びるアートプロジェクト

編著:橋本誠・影山裕樹
著:石神夏希・中嶋希実・はがみちこ・橋爪亜衣子・南裕子・谷津智里
発行:千十一編集室
発行日:2021年12月5日
サイズ:四六判、244ページ

東日本大震災から10年。全国に広がるアートプロジェクトの取り組みから、社会×アートの未来を展望する。災害や感染症、分断や不寛容が広がる中“アートは社会の役に立つ”のか? それとも“今改めて自分を見つめなおすために”アートが必要なのか? 各地の事例から見えてくる、プロセスを重視するアートプロジェクトの可能性。ウェブマガジン「EDIT LOCAL」による、地域と文化について考えるシリーズ「EDIT LOCAL BOOKS」第一弾。



BAUHAUS HUNDRED 1919−2019 バウハウス百年百図譜

著:伊藤俊治
ブックデザイン:松田行正
発行:牛若丸
発行日:2021年12月8日
サイズ:A5判変型、264ページ

美術史家、伊藤俊治が所蔵するバウハウス関連書100 冊の表紙と中頁を掲載。その100 年の歴史を紐解きながら、及ぼした影響について考察した保存版。






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2021/12/14(火)(artscape編集部)

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カタログ&ブックス | 2021年12月1日号[テーマ:妖怪]

テーマに沿って、アートやデザインにまつわる書籍の購買冊数ランキングをartscape編集部が紹介します。今回のテーマは、豊田市美術館で開催中の「ホー・ツーニェン 百鬼夜行」にちなんで「妖怪」。このキーワードに関連する、書籍の購買冊数ランキングをお楽しみください。
ハイブリッド型総合書店honto調べ。書籍の詳細情報はhontoサイトより転載。
※本ランキングで紹介した書籍は在庫切れの場合がございますのでご了承ください。

「妖怪」関連書籍 購買冊数トップ10

1位:シネマスクエア vol.128
平野紫耀『かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜ファイナル』 北山宏光/橋本良亮/重岡大毅/岸優太 (HINODE MOOK)

編集・発行:日之出出版
発売日:2021年7月1日
サイズ:30cm、114ページ

『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ ファイナル』平野紫耀/河合勇人 監督
『妖怪大戦争 ガーディアンズ』赤楚衛二
『サマーフィルムにのって』金子大地
ほか掲載


2位:まんが訳 稲生物怪録(ちくま新書)

監修:大塚英志
編集:山本忠宏
発行:筑摩書房
発売日:2021年10月7日
サイズ:18cm、222ページ

絵巻物がまんがで読める! 大好評第二弾は、妖怪ファン垂涎の江戸怪談の名作。化物屋敷で夜な夜な妖怪と遭遇する、平太郎少年の運命は──。木場貴俊解説。
時は江戸、寛延二年。備後国三次の武家の子息で、一六歳の稲生平太郎は、肝試しのため比熊山に入った。その山にある「天狗杉」に触れると、物怪の祟りがあるという。果たして山を下りた平太郎の住む屋敷を、一カ月にわたって様々な怪異が襲う──。じわりと怖い、でもどこかユーモラス。江戸時代に実話として流布し、泉鏡花や水木しげるも愛した怪談「稲生物怪録(いのうもののけろく)」を、まんがで楽しむ。


3位:鳥山石燕 画図百鬼夜行 全画集(角川ソフィア文庫 Kwai books)

著者:鳥山石燕
発行:角川書店
発売日:2005年7月23日
サイズ:15cm、260ページ

かまいたち、火車、姑獲鳥(うぶめ)、ぬらりひょん──。あふれる想像力と類まれなる画力で、さまざまな妖怪の姿を伝えた江戸の絵師・鳥山石燕。その妖怪画集全点を、コンパクトに収録した必見の一冊!



4位:あやしの繪姿 九鬼匡規画集(TH ART SERIES)

著者:九鬼匡規
文:大和愛
発行:アトリエサード
発売日:2020年12月21日
サイズ:21cm、63ページ

妖艶なるファム・ファタールから、コケティッシュな愛らしい少女まで、怪異や妖怪を女性像で描いた初画集。「おさん狐」「飛頭蛮(ろくろくび)」「つらら女」などを収録。



5位:1日3分読むだけで一生語れるモンスター図鑑

著者:山北篤
発行:すばる舎
発売日:2020年10月23日
サイズ:21cm、255ページ

誰もが知っている定番キャラから、各地でひっそりと言い伝えられる妖怪まで、世界中から100体以上のモンスターを集めて図鑑にしました! 雑魚級からラスボス級までの6段階に分けて、十人十色のモンスターを誕生の経緯から生い立ち、その宿命などエピソードを交えて紹介! 全ての冒険を終えたころには、あなたも立派な英雄に!?






6位:武蔵野樹林 vol.7(2021)
大特集 妖怪大戦争ガーディアンズ〜映画の聖地所沢〜(ウォーカームック)

編集・発行:角川文化振興財団
発売日:2021年7月15日
サイズ:28cm、95ページ

旧石器・縄文時代から文化的生活が営まれていた武蔵野の、文化探検から始める生き方マガジン。vol.7は、武蔵野台地が舞台になる2021年8月公開映画「妖怪大戦争ガーディアンズ」を大特集し、その見所等を紹介する。



7位:妖怪草紙 くずし字入門(シリーズ日本人の手習い)

著者:アダム・カバット
発行:柏書房
発売日:2001年7月1日
サイズ:21cm、222ページ

江戸の草双紙に登場する愉快な妖怪たちがナヴィゲーターのユニークなくずし字入門書。著者秘伝の「ステップアップ」で基本文字150を確実に習得。練習問題、コラムも充実。



8位:妖怪萬画 vol.1 妖怪たちの競演

アートディレクション:祖父江慎
発行:青幻舎
発売日:2012年2月
サイズ:15cm、286ページ

「百鬼夜行絵巻」をはじめ、平安時代から明治初期にかけて描かれた妖怪画(絵巻物)を豊富に掲載。大衆性や戯画的表現から、妖怪画の祖型をたどり、その系譜を読み解く。辻惟雄と板倉聖哲の対談も収録。




9位:妖怪

著者:湯本豪一
発行:パイインターナショナル
発売日:2021年7月28日
サイズ:31cm、509ページ

史上初! 妖怪絵を圧巻の拡大図とボリュームでみせる豪華画集
日本ではじめての妖怪専門のミュージアム、湯本豪一記念日本妖怪博物館〈三次もののけミュージアム〉のコレクション60点超を、圧巻のボリュームとディテールで紹介! モノノケを描く絵師たちの技量の極みをご堪能ください。
収録作品例:お化け絵巻 百鬼夜行絵巻 狂歌百鬼夜興 後鳥羽法皇の夢中に現われたる妖怪図 鳴屋図 化物歌合せ絵巻 異形河童図 百鬼図 大石兵六 大津絵狐図 化け狐図絵馬 大津絵源頼光図 虁図 阿磨比古 怪奇伝承図誌 水虎図説 左甚五郎と河童図 病現之図絵巻 幻獣尽くし絵巻 亀女 豊年魚 土州奇獣之図并説 尾州の人面蛇 鵺退治図 和漢百物語 信濃国大鷹退治 土蜘蛛襲来図 相馬旧御所 昔噺舌切雀 新形三十六怪撰おもいつづら 道化百物かたり 神農鬼が島退治絵巻 百物語化絵絵巻 化物づくし絵巻 百物語絵巻 肉筆 怪談模模夢字彙 稲亭物怪録 大時代唐土化物 化物和本草 狐団扇絵 本所七ふしぎ納札 化物の嫁入 百鬼夜行納札 など



10位:和ファンタジーのかわいい女の子が描ける本

著者:キッカイキ
発行:宝島社
発売日:2020年7月14日
サイズ:26cm、143ページ

和ファンタジーというテーマでキャラクターデザインの方法を解説。和風デザインの基礎知識をはじめ、妖怪・行事・道具・地名をモチーフにしたデザインを紹介。表紙イラストのメイキングも掲載する。



10位:妖怪萬画 vol.2 絵師たちの競演

アートディレクション:祖父江慎
発行:青幻舎
発売日:2012年3月29日
サイズ:15cm、245ページ

戯画的表現に富み、諷刺がきいた妖怪画は、江戸時代の大衆に圧倒的な支持を得た。文化が熟爛した江戸中期から激動期の幕末、明治初期まで、葛飾北斎や歌川国芳、河鍋暁斎を筆頭に人気絵師が描いた妖怪画約150点を収録する。



10位:ギルガメシュ王の物語 新装版

画:司 修
翻訳:月本昭男
発行:ぷねうま舎
発売日:2019年8月6日
サイズ:17cm、278ページ

ギルガメシュ王と荒野のエンキドゥ、森の守り手・妖怪フンババ退治、女神イシュタルの誘惑、エンキドゥの死、大洪水と生命の草、地獄めぐり…。楔形文字で粘土板に刻まれた叙事詩の原文を生かした邦訳。





artscape編集部のランキング解説

あいちトリエンナーレ2019での《旅館アポリア》や、YCAM[山口情報芸術センター]とKYOTO EXPERIMENTで今年展示された《ヴォイス・オブ・ヴォイド─虚無の声》が記憶に新しい、シンガポール出身の作家ホー・ツーニェンによる個展「ホー・ツーニェン 百鬼夜行」が、2022年1月23日(日)まで豊田市美術館で開催中です。展示タイトルにもなっている「百鬼夜行」のとおり、今作中で登場するのは闇を練り歩く奇怪かつ滑稽な100の妖怪たち。「ゲゲゲの鬼太郎」に始まり、フィクションでもたびたび描かれる「妖怪」「物の怪」は、日本人にとってはすっかり身近でユーモラスに感じられる存在のようですが、「芸術・アート」ジャンルの書籍ではどのようなものが人気を集めているのでしょうか。
ランキングを見ると、今年の夏に公開された映画『妖怪大戦争 ガーディアンズ』を特集する雑誌・ムック(1位、6位)とともに、「妖怪が(絵として/物語のなかで)どのように描かれてきたか」を知る一端となる書籍が大半を占めていました。新書・文庫判といったコンパクトなサイズに妖怪の図版がぎゅっと詰まっている本が複数見受けられたのも(2、3、8、10位)、ランキングとしては特徴的です。
古来から《百鬼夜行絵巻》《付喪神絵巻》といった絵巻物に登場するイメージの強い妖怪ですが、2位の『まんが訳 稲生物怪録』はなんと、江戸時代中期に実在した武士の子息・稲生正令(幼名:平太郎)が16歳のときに体験したさまざまな妖怪との遭遇を描いた絵巻物《稲生物怪録(いのうもののけろく)》を、サンプリング/カットアップ/リミックスするかたちで、漫画として再構築。コミカライズではなく、高解像度で再撮影した絵巻物をそのまま使うアイデアと、一枚絵として描かれていたものとは思えないコマ割りの演出力に驚かされます。《稲生物怪録》そのものの面白さだけでなく、漫画文化が培ってきた凄みまで感じられるおすすめの一冊。
妖怪が登場する「草双紙(くさぞうし/江戸時代に出版された絵入りの版本)」を事例としながら、現代の日本人にとっても判読の難しい「くずし字」の読み方を学ぶことができる『妖怪草紙 くずし字入門』(7位)も、非常にユニークな一冊。アメリカ人の日本文学研究者である著者アダム・カバット氏が妖怪草紙に触れ、「絵の周りに書かれている文章には、もっと面白いストーリーが書かれているに違いない」とくずし字を習得する過程での発見や想いを綴ったコラムも面白く、時代とともに大きなうねりを持って変化する日本語についても改めて考えさせられます。
『鳥山石燕 画図百鬼夜行 全画集』(3位)や『妖怪萬画』(8、10位)などを眺めると、「妖怪草紙」とひと口に言っても、たくさんの絵師がそのモチーフに向かい、多種多様なスタイルやバリエーションがあることに気付かされますが、その再解釈の営みは現代まで連綿と続いており(4、10位)。この先の未来にも描かれるであろう妖怪像が楽しみになるランキングでした。




ハイブリッド型総合書店honto(hontoサイトの本の通販ストア・電子書籍ストアと、丸善、ジュンク堂書店、文教堂など)でジャンル「芸術・アート」キーワード「妖怪」の書籍の全性別・全年齢における購買冊数のランキングを抽出。〈集計期間:2020年11月24日~2021年11月23日〉

2021/12/01(水)(artscape編集部)

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