2023年03月15日号
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artscapeレビュー

artscape編集部のレビュー/プレビュー

カタログ&ブックス | 2022年10月1日号[テーマ:美術家・李禹煥を通して、世界の「余白」を見つめる人たちの5冊]

アジアを代表する美術家の一人、李禹煥(1936-)。「すべては相互関係のもとにある」という透徹した視点で「もの派」などの美術動向を牽引してきました。「国立新美術館開館15周年記念 李禹煥」(2022年8月10日〜11月7日、国立新美術館にて開催)にちなみ、李の作品や著作を紐解き、物事の間にある関係性を眺め考える5冊を紹介します。

※本記事の選書は「hontoブックツリー」でもご覧いただけます。
※紹介した書籍は在庫切れの場合がございますのでご了承ください。
協力:国立新美術館


今月のテーマ:
美術家・李禹煥を通して、世界の「余白」を見つめる人たちの5冊

1冊目:余白の芸術

著者:李禹煥
発行:みすず書房
発売日:2000年11月
サイズ:22cm、385ページ

Point

彫刻・絵画作品で知られる一方、執筆活動も旺盛に展開してきた李。自身や「もの派」の制作活動を、同時代を生きる国内外の作家たちとともに俯瞰し、時に素朴な言葉で綴るエッセイを数多く集めた本書。古井由吉や中上健次といった作家たちに積極的に言及している点からも、言語を用いた表現に対する李の強い意識が窺えます。


2冊目:イメージかモノか 日本現代美術のアポリア

著者:高島直之
発行:武蔵野美術大学出版局
発売日:2021年11月1日
サイズ:22cm、255ページ

Point

「もの派」に限らず、ハイレッド・センターや千円札裁判といった動きが現在も鮮烈な印象を残す1960〜70年前後の日本美術シーン。当時の批評家たちはそれらにどう言及したのかを振り返り検証する本書。観念(イメージ)/物質(モノ)という二項対立を通して、「見る」行為の変遷を時代背景とともに実感できます。


3冊目:本を弾く 来るべき音楽のための読書ノート

著者:小沼純一
発行:東京大学出版会
発売日:2019年10月1日
サイズ:19cm、398ページ

Point

音楽批評家であり詩人の小沼純一がジャンルを問わず刺激を受け、折に触れて読み返す22冊の名著にまつわるエッセイ集。ことば/場/からだという三つの分類のうち、「場」で李の若年期の批評集『出会いを求めて』に言及。著者と本の間に流れる即興演奏のような読み心地は終始心地良く、読書案内としても優れた一冊です。



4冊目:展覧会の挨拶

著者:酒井忠康
発行:生活の友社
発売日:2019年4月18日
サイズ:20cm、330ページ

Point

展覧会の最初の部屋、あるいは図録の最初のページで出会う「ごあいさつ」。世田谷美術館など国内複数の美術館館長を務めてきた酒井忠康が、李のものも含む展覧会に寄せた文章は、作家との個人的なエピソードや思い入れも豊富。そのとき/その場でしか体感できない「展示」というメディアの不思議さにも思いを馳せてしまう本。



5冊目:虚像培養芸術論 アートとテレビジョンの想像力 Art Criticism and 1960s Image Culture

著者:松井茂
発行:フィルムアート社
発売日:2021年3月24日
サイズ:20cm、309ページ

Point

テレビの登場以降大きく揺れたメディアの勢力図。李も60年代以降の文献で「虚像/実体」という言葉を多用しているように、モノやリアリティの受容され方の変化を強く意識していたようです。李が作家性を確立させていった時代、メディアと芸術の相互関係が生み出した芸術家像の複雑さを、多角的に知ることのできる一冊。







国立新美術館開館15周年記念 李禹煥

会期:2022年8月10日(水)~11月7日(月)
会場:国立新美術館(東京都港区六本木7-22-2)
公式サイト:https://leeufan.exhibit.jp/


[展覧会公式図録]
『李禹煥』

編集:国立新美術館、兵庫県立美術館
発行:平凡社
発行日:2022年8月16日
サイズ:28cm、303ページ

「もの派」を代表する世界的なアーティスト・李禹煥。60年代の初期作品から、彫刻の概念を変えた〈関係項〉シリーズ、最新の絵画作品を収録。国立新美術館、兵庫県立美術館での展覧会公式図録。

◎展覧会会場、全国主要書店にて販売中。




2022/10/01(土)(artscape編集部)

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カタログ&ブックス | 2022年9月15日号[近刊編]

展覧会カタログ、アートやデザインにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。
※hontoサイトで販売中の書籍は、紹介文末尾の[hontoウェブサイト]からhontoへリンクされます





性と芸術

著:会田誠
発行:幻冬舎
発行日:2022年7月21日
サイズ:20cm、212ページ

日本を代表する現代美術家会田誠の23歳の作品「犬」は、2012年の森美術館展覧会での撤去抗議はじめ、これまでさまざまに波紋を呼んできた。その存在の理由を自らの言葉で率直に綴る。人間と表現をめぐる真摯な問い。






ゲルハルト・リヒター 絵画の未来へ (現代美術スタディーズ)

著:池田修
発行:水声社
発行日:2022年8月10日
サイズ:A5判、164ページ

「絵画の終焉」がささやかれて久しい現代においてなお、絵画を描きつづけること。写真を描きうつす〈フォト・ペインティング〉から、デジタルイメージをもちいた近作〈ストリップ〉まで、多岐にわたる作品を横断し、リヒターの制作理念を明らかにする。






石が書く

著:ロジェ・カイヨワ
訳:菅谷暁
発行:創元社
発行日:2022年8月24日
サイズ:B5判変型、136ページ

風景石、瑪瑙、セプタリア(亀甲石)など、特異な模様をもつ石。それらは人の想像力にどう働きかけてきたのか。石の断面の模様と、抽象芸術作品が交わる地点はあるのか。聖なるもの、遊び、神話、詩学、夢といったテーマを縦横に論じてきたカイヨワが、自らの石コレクションをもとに、「石の美は、普遍的な美の存在を示している」と論じた、他に例を見ない論考。1975年に新潮社から翻訳が刊行されながら、長らく日本語では入手困難であった美しい名著を、新たな翻訳で刊行。






ドイツ演劇パースペクティヴ

著:寺尾格
発行:彩流社
発行日:2022年9月9日
サイズ:四六判、415ページ

「現代」とは、近代との区別における「いま・ここ」の視点の強調である。1945年、1968年、1989年の区切りを経て、ニューヨークで起きた9.11に3.11の東日本大震災。収束をみないコロナパンデミック。相互に関連する「ポスト(~以後)」を第二次世界大戦からフクシマを視野に、ドイツ語圏の現代演劇が日本において持つ「意味」を考える。





日本の中のマネ 出会い、120年のイメージ

企画・監修:小野寛子
発行:平凡社
発行日:2022年9月12日
サイズ:B5判、216ページ

19世紀フランスを代表する画家エドゥアール・マネの日本における受容について、洋画黎明期から現代の美術家たちが手掛けた作品や美術批評を通して考察する。





ル・コルビュジエ (講談社学術文庫)

編:八束はじめ
発行:講談社
発行日:2022年9月12日
サイズ:A6判、224ページ

20世紀を代表する、最も有名な前衛建築家、ル・コルビュジエ(1887-1965)。
「全ての建築家にとっての強迫観念(オブセッション)」「近代建築の言語そのもの」……。
スイスの若き時計工芸家は、なぜこれほどまでの世界的名声を勝ち得たのか。
師との出会いと決別、数多のコンペティション落選や学界との論争、生涯転身し続けた作風の背景――。
建築界の巨匠を“人文主義者”という視点で捉え直し、豊富な図版と共に、その全体像をクリアに描き出す!






クィア・アートの世界 自由な性で描く美術史

著:海野弘
発行:パイインターナショナル
発行日:2022年9月14日
サイズ:B5判変型、480ページ

すべてのアートは自由でクィア(ちょっと変わった、不思議)だ!これまで語られてこなかった、新しく〈クィア〉な美術の世界。








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展覧会カタログ、アートやデザインにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。
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2022/09/14(水)(artscape編集部)

カタログ&ブックス | 2022年9月1日号[テーマ:紙と文字と本と──立花文穂の表現の「触感」が立ち上がる5冊]

紙や活版活字を用いたコラージュなど、視覚・触覚を喚起する平面作品や書籍の仕事で独自の立ち位置を築くアーティスト/デザイナー立花文穂。『風下』(2011)、『KATAKOTO』(2014)、『書体』(2018)、『傘下』(2020)など、セルフパブリッシングや少部数で発行されるアートピースのような本も数多く手掛けてきた立花ですが、水戸芸術館現代美術ギャラリーでの「立花文穂展 印象 IT'S ONLY A PAPER MOON」開催(2022年7〜10月)に際し、彼の関連書のなかでも比較的入手しやすく、そして特にいま触れておきたい5冊をご紹介します。

※本記事の選書は「hontoブックツリー」でもご覧いただけます。
※紹介した書籍は在庫切れの場合がございますのでご了承ください。
協力:水戸芸術館現代美術センター


今月のテーマ:
紙と文字と本と──立花文穂の表現の「触感」が立ち上がる5冊

1冊目:かたちのみかた

著者:立花文穂
発行:誠文堂新光社
発売日:2013年3月16日
サイズ:19cm、151ページ

Point

立花が美術大学で教えていた際の、演習やワークショップでの実践の記録。自分の手や身近なものを「みる(観察する)」ことを出発点に、何かを作る際の身体性や想像力の働かせ方、感覚の研ぎ澄ませ方に至るまで、そのレッスンの射程は広大。立花文穂展の展示室全体にも、本書のエッセンスが散りばめられています。


2冊目:球体 volume4(2009) 運動〈特集〉

責任編集とデザイン:立花文穂
発行:ヨシモトブックス
発売日:2009年12月
サイズ:23cm、228ページ

Point

責任編集とデザインを立花が務める形で2007年に刊行開始した雑誌『球体』。各号ごとの遊びのある造本も魅力的ながら、特集内容も「文字」(1号)、「東北圏」(2号)、「機会」(最新9号)など、その時期ごとの立花の興味の変遷が物体として刻まれています。この4号ではテーマ「運動」のもと横尾忠則も登場。


3冊目:谷川俊太郎詩選集 1(集英社文庫)

著者:谷川俊太郎
編集:田 原
発行:集英社
発売日:2005年6月
サイズ:16cm、271ページ

Point

父親が製本所を営んでいたという話とともに、本というメディアへの思い入れを過去にもたびたび語り綴っている立花。立花文穂展にも、彼が装丁を手掛けた本/装画として使用された作品が展示されており、この選集通しての装画となったドローイング「変体」「変々体々」も、展示会場でその実物が観られます。



4冊目:自炊。何にしようか

著者:高山なおみ
発行:朝日新聞出版
発売日:2020年10月20日
サイズ:22cm、375ページ

Point

料理家・高山なおみが一人暮らしになり、家で自ら作って食べるレシピを集めた一冊。カバーの鈍い質感の黒インクの光沢とラップに包まれたごはんのコントラストは、立花の近年の装丁仕事のなかでもとりわけ書棚で目を惹きます。高山の過去の著作ではほかに『料理=高山なおみ』『高山なおみの料理』なども立花による装丁。



5冊目:Leaves 立花文穂作品集

著者:立花文穂
発行:誠文堂新光社
発売日:2016年5月11日
サイズ:24cm、316ページ

Point

装丁家としての側面に光が当たることも多い立花ですが、そのキャリアの始まりは95年、佐賀町エキジビットスペースでの作家としての個展から。本書は、立花が一貫して収集を続けている紙や本・活字を用い再構築した平面作品群を、制作当時の随筆などと併せて再録したもの。立花の表現の原点に触れられる気がする一冊です。







立花文穂展 印象 IT'S ONLY A PAPER MOON

会期:2022年7月23日(土)~10月10日(月・祝)
会場: 水戸芸術館 現代美術ギャラリー(茨城県水戸市五軒町1-6-8)
公式サイト:https://www.arttowermito.or.jp/gallery/lineup/article_5185.html


[展覧会図録]
『球体 9:機会 オポチュニティーズ』

アナログ LPレコード2枚組(付録:ポスター9種)完全限定生産盤
責任編集+アートワーク:立花文穂
小説『ズトチ』:立花英久
ギター:畑俊行
ピアノ:野村卓史
発行:TACHIBANA FUMIO PRO
価格:9,999円(税込)

2021年の東京ビエンナーレでのインスタレーション「オポチュニティーズ」。会期終盤、活版印刷機をJR総武線の御茶ノ水駅~秋葉原駅間の高架下スペースに運び込み、『楽機』と称して、IL TRENOのギター畑俊行とピアノ野村卓史が参加しセッションを行ないました。そのときの録音をプレスした2枚組のレコードです。
水戸芸術館現代美術ギャラリーでは、第5室で『球体 オポチュニティーズ』が展示されています。レコードのabcd面が順番にかけられ、多様なスピーカーから流れる音を、大きな空間全体で浴びることができます。


水戸芸術館ミュージアム・ショップ コントルポアンで先行販売中。


2022/09/01(木)(artscape編集部)

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カタログ&ブックス | 2022年8月1日号[近刊編]

展覧会カタログ、アートやデザインにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。
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Museum of Mom’s Art 探すのをやめたときに見つかるもの

著者:都築響一
発行:ケンエレブックス
発行日:2022年6月30日
サイズ:B5判変形、232ページ

どこにでもあって、だれからもリスペクトされることなく、作者本人もアートとはまったく思わず、売ったり買ったりもできず、しかしもらえることはよくあり、しかももらってもあまりうれしくない。ハイブロウでも、ローブロウですらない、ノーブロウの明るい衝撃。コンセプトでも反抗でもない「手を動かす純粋なよろこび」が君を微笑ませ、涙ぐませる。
そんな「おかんアート」をオールカラーで350点以上収録。軍手人形、リボン人形、折り紙手芸からチラシかごまで、可愛くて、懐かしくも新しい⁉作品に加え、カリスマおかんアーティストの紹介や対談を収めた至極のおかんアート作品集。




関連レビュー

Museum of Mom's Art ニッポン国おかんアート村|村田真:artscapeレビュー(2022年03月01日号)


中部美術縁起

編著:馬場駿吉
発行:風媒社
発行日:2022年6月30日
サイズ:A5判、190ページ

アートを生みだし、育んだ創造性の源はなにか。中部美術シーンをめぐるさまざまな人、出来事、そして事件から。





へそ ── 社会彫刻家基金による「社会」を彫刻する人のガイドブック

著:MOTION GALLERY
発行:MOTION GALLERY
発行日:2022年7月11日
サイズ:188×120mm、224ページ

本書には、「社会彫刻家アワード2021」の受賞者である、オルタナティブスペースコア、ボーダレスアートスペース HAP、マユンキキの3組への取材や、調査選考委員である、飯田 志保子、卯城 竜太、ヴィヴィアン佐藤の3名による選考プロセスなどを振り返った鼎談、関連するテーマへの論考などを掲載します。「社会彫刻」を定義、あるいは、解説する本ではなく、社会彫刻家の活動やそれによる社会の変化を通して、これからの社会や社会彫刻について考えていくきっかけとなる本を目指しています。
社会彫刻家基金ウェブサイト:https://socialsculptor.tokyo/





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ボトムアップで支える文化のインフラ──MotionGallery 大高健志氏に聞く|大高健志/内田伸一:artscapeレビュー(2020年08月01日号)

イームズを読み解く 図面からわかった、その発想とデザイン

著:寺原芳彦
発行:誠文堂新光社
発行日:2022年7月12日
サイズ:B5判、248ページ

数々の椅子などの名品を生み出した世界的デザイナーである、チャールズ&レイ・イームズ夫妻を、既刊のイームズ関連書にはなかった切り口で紹介する本。




弘前れんが倉庫美術館 -記憶を継承する建築-

編著:馬場駿吉
発行:PIE International
発行日:2022年7月14日
サイズ:B5判変型、256ページ

弘前れんが倉庫美術館は、パリを拠点に国際的に活躍する建築家の田根剛が、日本国内で初めて設計を手掛けた美術館です。本書では、田根が取り組む「記憶を継承する建築」はどのように行われたのか、その全貌を明らかにします。






ポストコロナと現代アート 16組のアーティストが提起するビジョン

編:ポストコロナ・アーツ基金 
発行:左右社
発行日:2022年7月20日
サイズ:A5判、184ページ

コロナ禍の2021年11月に開催された展覧会「『新しい成長』の提起 ポストコロナ社会を創造するアーツプロジェクト」のコンセプトブック。 作品図版のほか、椹木野衣、藪前知子、鷲田めるろ、毛利嘉孝の論考を掲載。






活動芸術論

著者:卯城竜太
発行:イースト・プレス
発行日:2022年7月23日
サイズ:A5判、576ページ

Chim↑Pom from Smappa!Groupの元リーダー、渾身の書き下ろし40万字(単行本3冊分)!アートが育んできたラディカルさ、全ての行為・行動・活動が「アクション」であるという自覚で、私たちの日常はガラリと変わる。いまやアクション(活動芸術)あるのみ!






「特別展アリス─へんてこりん、へんてこりんな世界─」図録

編集:ケイト・ベイリー/サイモン・スレーデン
翻訳監修:高山宏
翻訳:富原まさ江
発行:玄光社
発行日:2022年7月28日
サイズ:A4変型判、224ページ

2022年7月16日より森アーツセンターギャラリーにて開催されている「アリス-へんてこりん、へんてこりんな世界-」の公式書籍。










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2022/07/29(金)(artscape編集部)

カタログ&ブックス | 2022年7月15日号[近刊編]

展覧会カタログ、アートやデザインにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。
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トーキョーアーツアンドスペース アニュアル2021

編集:杉本勝彦
発行:公益財団法人東京都歴史文化財団東京都現代美術館
トーキョーアーツアンドスペース事業課

発行日:2022年6月1日
サイズ:A5判、176ページ

2021年度二国間交流事業プログラム<ヘルシンキ>派遣クリエーターの上村洋一、「ACT Vol. 4」の出展作家ユアサエボシへのインタビューのほか、TOKASの活動20年を記念し、これまでの事業の歩みを年表形式で振り返る特集やかつてプログラムに参加した田村友一郎、三田村光土里へのインタビューも収録しています。





クリスチャンにささやく 現代アート論集 (水声文庫)

著者:小林康夫
発行:水声社
発行日:2022年6月3日
サイズ:四六判、200ページ

ささやくように、語りかけるように……「2人称のクリティーク」というスタイルによって〈美〉と〈倫理〉を激しく問い、現代アートを縦横無尽に論じた、破格の美術批評。





ポストモダニティの条件 (ちくま学芸文庫)

著者:デヴィッド・ハーヴェイ
監訳:吉原直樹/翻訳:和泉浩/大塚彩美
発行:筑摩書房
発行日:2022年6月9日
サイズ:文庫判、640ページ

モダンとポストモダンを分かつものは何か。近代世界の諸事象を探査し、その核心を「時間と空間の圧縮」に見いだしたハーヴェイの主著。改訳決定版。





美術作品の修復保存入門 古美術から現代アートまで

著者:宮津大輔
発行:青幻舎
発行日:2022年6月10日
サイズ:A5判、184ページ

美術作品や文化財の「修復保存」について、絵画作品、紙作品、立体作品、そしてタイムベースド・メディア(≒映像)作品に分け、技法や材料並びに保存・保管といった基礎を、豊富な事例や興味深いエピソードと共にわかりやすく紹介。楽しみながら学べるコラムも多数収録した、専門家に限らず、誰もが手元に置いて参考にできる入門書。





アヴァンガルド勃興 近代日本の前衛写真

編集:東京都写真美術館
発行:国書刊行会
発行日:2022年6月14日
サイズ:A4変型判、208ページ

海外のシュルレアリスムや抽象美術の影響を受け、1930年代から1940年代に全国各地に花開いた写真の潮流──前衛写真。写真家、画家だけではなく、詩人やデザイナーをも巻き込み、新しい表現を追求する大きな磁場となりつつも、やがて時代の波にのみ込まれていった前衛写真の相貌と本質に迫る!

2022年5月20日(金)より東京都写真美術館で開催される展覧会「アヴァンガルド勃興 近代日本の前衛写真」公式カタログ。



関連レビュー

アヴァンガルド勃興 近代日本の前衛写真|飯沢耕太郎:artscapeレビュー(2022年06月15日号)



池田修の夢十夜

著者:池田修
発行:BankART1929
発行日:2022年6月14日
サイズ:182x240mm、351ページ

2022年3月16日に急逝したBankART1929代表・池田修が生前から企画していた、池田修のこれまでの文章をまとめた本。当初の予定通り65歳の誕生日にあわせて刊行。




関連レビュー

池田修を偲ぶ6日間「都市に棲む―池田修の夢と仕事」|村田真:artscapeレビュー(2022年07月01日号)



房総里山芸術祭 いちはらアート×ミックス2020+

監修:北川フラム/いちはらアートxミックス実行委員会
発行:現代企画室
発行日:2022年6月15日
サイズ:B5判、160ページ

2021年11月19日〜12月26日に開催された「いちはらアート×ミックス2020+」の全作品・イベントを収録した公式記録集。





TOP コレクション メメント・モリと写真

著者:浜崎加織、藤原信也、山野井千晶
発行:東京都写真美術館
発行日:2022年6月17日
サイズ:A5判変型、187ページ

2022年6月17日~9月25日まで東京都写真美術館にて開催されている展覧会「TOP コレクション メメント・モリと写真」のカタログ。






よむかたち デジタルとフィジカルをつなぐメディアデザインの実践

2022年06月21日

著者:永原康史
発行:誠文堂新光社
発行日:2022年6月21日
サイズ:B5変形判、256ページ

活動初期よりデジタルとフィジカルの表現を往復し、デジタルメディアとデザインをつなぐ制作を継続してきた著者の仕事を振り返る初の作品集。





社会化するアート/アート化する社会 社会と文化芸術の共進化 (文化とまちづくり叢書)

著者:小松田儀貞
発行:水曜社
発行日:2022年6月25日
サイズ:A5判、312ページ

「芸術」「美術」から、よりカジュアルに「アート」という言葉を用い始めて久しい。アートと社会は、それぞれが他方の一部となり「アートの社会化」「社会のアート化」が進む。本書はこうした状況を「社会とアートの共進化的動態」として捉えた。そこには地域、参加、多様性などの関連、さらに地域経済、市民社会論にまでかかわる「問題群」が浮上する。





AGI 2 / ENO

監修:中村泰之
著:藤本由紀夫、東瀬戸悟、嘉ノ海幹彦、平山悠、よろすず
発行:きょうレコーズ
発行日:2022年6月30日
サイズ:B5判、304ページ

「AGI 2 / ENO」1976年から1979年にかけて、日本でブライアン・イーノについて最も多くのことばを費やしてきたのは間違いなく阿木譲だ。本書では当時の『ロックマガジン』誌に掲載された阿木によるイーノに関する文章、レコード・レビュー、ライナー・ノーツなどを抜き出し、アーカイブすることを通して、阿木譲とイーノ、さらに音楽シーンの変遷にスポットを当ててみた。





ときめきのミュージアムグッズ

著者:大澤夏美
発行:玄光社
発行日:2022年7月4日
サイズ:A5判、144ページ

美術館や博物館での、ときめきの思い出を形にしたミュージアムグッズ。
本書では、ひと目見て欲しくなるような特別な輝きを持つ「きらめきのミュージアムグッズ」、ギミックの素晴らしさに感動したり、使ってその良さがさらにわかる「躍動するミュージアムグッズ」、アイテムが生まれたストーリーなど背景を知るとより愛着がわく「物語を紡ぐミュージアムグッズ」の3部構成で展開します。





YCAM BOOK 2022-2023

編:渡邉朋也(YCAM)、蛭間友里恵(YCAM)、岡崎里美、松冨淑香
発行:山口情報芸術センター[YCAM ]
発行日:2022年
サイズ:B5判、79ページ

山口情報芸術センター[YCAM]の2022〜2023年の活動リポート。







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展覧会カタログ、アートやデザインにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。
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2022/07/14(木)(artscape編集部)

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