artscapeレビュー
迎賓館・赤坂離宮
2016年06月15日号
[東京都]
竣工:1909年
取材で迎賓館・赤坂離宮を3時間かけて見学する。片山東熊にとって、まだデザインを悩んでいたであろう奈良や京都の国立博物館に比べると、やり切った感が強い。なるほど大枠ではネオ・バロックの様式だが、細部の重合や変形はきわめてマニエリスティックな操作のように思える。さらに当時流行したゼツェッション的な部分も見受けられるのは興味深い。今回の見学では、1960年代の昭和の改修のときに、村野藤吾によるモダンな介入が室内外ともに重要だったこともよくわかった。
写真:左=上から、《赤坂離宮》外観、中央階段、玄関ホール 右=上から2つ、外観、村野藤吾が手掛けた絨毯
2016/05/20(金)(五十嵐太郎)