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宮本佳明《真福寺客殿》《澄心寺庫裏》

2015年05月15日号

[長野県]

竣工:2013年/2009年

五十嵐研のゼミ合宿で、長野をまわる。宮本佳明が設計した《真福寺客殿》は、本堂の入母屋+唐破風の屋根と連なる、コンクリートによる地形のような白い屋根が特徴だった。一見、現代的なデザインの覆いだが、そっと屋根をつまみ上げるようなイメージで操作された形態は、入母屋や唐破風的なイメージを重ね合わせ、伝統の再解釈となっている。続いて、同じく宮本が手がけた《澄心寺庫裏》を見学した。実は、この建物のコンペの審査員を担当し、一次審査のときから宮本案を推していたが、ようやく完成した建築を訪問する機会を得ることができた。これもコンクリートの屋根がメインの建築だが、もっとシンボリックで大きな白い屋根であり、宗教建築として変わらないアイデンティティを担う。一方、屋根の下の居住部分は、時代に合わせて変化することを前提とした木造だ。

写真:上2枚=《真福寺客殿》、下2枚=《澄心寺庫裏》

2015/04/16(木)(五十嵐太郎)

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