artscapeレビュー
建築に関するレビュー/プレビュー
You Make The Rule 再描写を試みる家 展 PeclersParis × 谷尻誠
会期:2011/12/15~2012/01/31
リビングデザインセンターOZONE 3F OZONEプラザ[東京都]
2階建て以上のヴォリュームの巨大発泡スチロールをくり抜き、部屋をつくる。根源的な空間への欲求を表現すると同時に、どこかの地中海の集落を連想させるような風景が吹抜けに生まれ、楽しい展示なのだが、しつこいまでの「撮影禁止」の表示が残念。この楽しい空間をみなが撮影し、それぞれネットにアップすれば、もっと人が来るだろうに。
2011/12/25(日)(五十嵐太郎)
キルコス国際建築設計コンペティション2011(テーマ:変わること/変わらないこと)
北川啓介が企画した新しいタイプのアイデア・コンペである。20組の審査委員がいるのだが、最優秀賞をひとつに絞っていくのではなく、それぞれが金賞、銀賞、銅賞、佳作を決めるために、大量の受賞者を生みだす。とくにユニークだったのが、結果発表がユニークである。12月25日の正午から、建築系ラジオを用いて、約20分程度の講評を連続的に配信していく。立ち上げからかかわっている筆者にとっても、建築系ラジオの斬新な使い方だった。まだ気づいていない可能性を発掘している。建築系ラジオに対し、何が「目的」なのかと聞いて批判する人がいるが、新しいメディアは使ってみないとわからないことが多いことを改めて痛感させられる。
2011/12/25(日)(五十嵐太郎)
KANSAI 6 EXHIBITION IN OSAKA |ONOMATOPOEIA| つながる建築・ひらかれる言葉
会期:2011/11/26~2012/02/14
中之島デザインミュージアム「de sign de >」[大阪府]
オノマトペをテーマとし、遠藤秀平は「ぐるぐる」、宮本佳明は「ぐいぐい」、李暎一は「まぜまぜ」、長坂大は「じわじわ」、竹山聖は「ジグザグ」、米田明は「ぐんぐん」と、6名の関西建築家それぞれのデザインの特性と態度を言葉で表現している。ただし、こうしたキーワードはひらがなやカタカナではなく、基本的にアルファベットによるローマ字表記だったので、かえってわかりにくなっていたかもしれない。2階の展示スペースは川が見え、気持ちがよい空間だ。1階ギャラリーでは、同メンバーによる建売住宅企画展も開催している。どれもとにかく模型がデカいことが印象的だった。
2011/12/23(金)(五十嵐太郎)
studio velocity《空の見える下階と街のような上階》
愛知県岡崎市高隆町[愛知県]
完成直前のオープンハウスで、愛知の期待の若手建築家の住宅を見学する。2階建てであり、外階段から上階のリビングにアクセスすると、小さな塔が林立し、それぞれが階段を内包しており、降りると、下階の個室に入っていく。まさにタイトル通りのことが実現されている家。しかも、完全なる円形プラン。考えてみると、こうしたベタな正円の建築は意外にもあまりなかったが、自然に成立させている。設計者は石上チルドレンの新感覚派であり、またそれをちゃんと受けとめる施主がいることにも感心した。石上純也がまだ住宅を竣工させていないあいだに、彼らは住宅や美容院を次々と完成させている。
2011/12/17(土)(五十嵐太郎)
妹島和世《SHIBAURA HOUSE》
[東京都]
妹島和世の透明建築である。ガラス張りで、まる見えの空間。さらに1階は地域に開放し、プログラムも開く。妹島の新しい感覚が実験的な公共施設だけではなく、都心のビルなど、現実の社会でも登場している。これが増えていけば、世界は変わるかもしれない。
2011/12/16(金)(五十嵐太郎)