artscapeレビュー

建築に関するレビュー/プレビュー

建築系ラジオ・ブースの「台湾若手建築家展」/大西麻貴+百田有希 展

新・港村(新港ピア)[神奈川県]

新・港村にて、謝宗哲さんがキュレーションした建築系ラジオ・ブースの「台湾若手建築家展」と、U-35ギャラリーにて筆者が推薦して選ばれた「大西麻貴+百田有希展」を見る。前者は村上春樹の『1Q84』に着想をえたリトルピープル・アーキテクツの作品を紹介し、後者は二重螺旋の家を展示するが、全体の会場構成がオリジナルの空間の雰囲気を再現しており、秀逸である。

2011/09/30(金)(五十嵐太郎)

建築同人誌『ねもは02+』刊行記念イベント「建築プレゼンテーション」

会期:2011/09/30

UPLINK FACTORY[東京都]

渋谷のアップリンクにて、UIAの関連企画としてケンチク映像祭+『ねもは02+』刊行記念イベントを行なう。フルに完成した『ねもは』の2号は、全416pで図像資料満載。学生の同人誌でこれを超えるのは難しいだろう。いや、「学生の同人」を外しても、なかなかのクオリティといえる。この自由な図版の感じは今風というよりも、かつての雑誌の勢いを思い出す。五十嵐への5万5千字インタビューも収録している。しかも震災により図書館がしばらく使えなくなり、教室も研究室も失った劣悪な環境にもかかわらず、この雑誌がつくられたことに驚く。

2011/09/30(金)(五十嵐太郎)

UIA(国際建築家連合)2011東京大会関連企画「Girls meet Architecture─東京建築ガールズ・コレクション展」

会期:2011/09/22~2011/10/01

するところ[東京都]

両国のするところの「東京建築ガールズ・コレクション展」は、想像以上に力作そろい。タイ、インドネシア、国際フォーラム4階の日米の女性建築家の歴史展をたどってここに来ると、「女性」という括りよりも、大学ごとの教育の違いが透けて見え、それよりもさらに「日本」の建築という属性が一番強く感じられる。

写真:上から「東京建築ガールズ・コレクション展」「未来へ──日米女性建築家のパイオニアたちの肖像展」

2011/09/28(水)(五十嵐太郎)

愉快な家─西村伊作の建築─展

会期:2011/09/01~2011/11/19

INAXギャラリー1[東京都]

INAXギャラリーの「愉快な家─西村伊作の建築─」展は、近代において住宅の空間がもたらす新しい生活への憧れと、大正時代の自由な雰囲気が伝わる好企画である。

2011/09/28(水)(五十嵐太郎)

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世界建築会議(UIA)2011東京大会関連事業「アーキニアリング・デザイン展 2011 模型で読み解く世界の建築」ほか

会期:2011/09/22~2011/10/01

丸ビル・マルキューブ[東京都]

UIAの東京大会へ。国際フォーラムの地下1階の展示は、ヴェネチア・ビエンナーレを見慣れていると迫力不足である。とはいえ、同時期にさまざまな建築展が開催されたことが特筆される。相田みつを美術館では、「建築におけるタイ国王陛下の理念展」が行なわれ、タイ版帝冠様式というべき国会議事堂のプロジェクトを紹介する。丸ビルでは、吹抜けで作品がバージョンアップされた「アーキニアリング・デザイン展 2011」、7階で気合いの入ったつくり込みによる「東京2050/12の都市ヴィジョン展」を行なう。単純に比較すると、やはり模型で読み解く構造展が楽しい。またアーツ千代田3331の「インドネシア建築家週間@東京2011」は、全作品の模型がある力作で、現代性と地域性のせめぎあいが興味深い。

写真:上から「東京国際フォーラム」「建築におけるタイ国王陛下の理念展」「アーキニアリング・デザイン展 2011」「東京2050/12の都市ヴィジョン展」「インドネシア建築家週間@東京2011」

2011/09/28(水)(五十嵐太郎)