artscapeレビュー
studio velocity《空の見える下階と街のような上階》
2012年01月15日号
愛知県岡崎市高隆町[愛知県]
完成直前のオープンハウスで、愛知の期待の若手建築家の住宅を見学する。2階建てであり、外階段から上階のリビングにアクセスすると、小さな塔が林立し、それぞれが階段を内包しており、降りると、下階の個室に入っていく。まさにタイトル通りのことが実現されている家。しかも、完全なる円形プラン。考えてみると、こうしたベタな正円の建築は意外にもあまりなかったが、自然に成立させている。設計者は石上チルドレンの新感覚派であり、またそれをちゃんと受けとめる施主がいることにも感心した。石上純也がまだ住宅を竣工させていないあいだに、彼らは住宅や美容院を次々と完成させている。
2011/12/17(土)(五十嵐太郎)