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建築に関するレビュー/プレビュー

今和次郎 採集講義展

会期:2011/10/29~2011/12/11

青森県立美術館[青森県]

青森県立美術館の今和次郎展では、多くの図面やスケッチを用いて、民家調査、バラック装飾社、考現学、そしてあまり知られていない彼の設計活動を紹介していた。ちなみに、内容は、工学院大学のコレクションをもとにほぼ構成されている。

2011/11/02(水)(五十嵐太郎)

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第13回ヴェネチア・ビエンナーレ建築展(2012)記者発表/新・港村 スーパースクール「伊東建築塾レクチャー」

会期:2011/10/31

国際交流基金/新・港村スクール校舎[東京都/神奈川県]

国際交流基金にて、ヴェネチア・ビエンナーレ建築展2012の日本館コミッショナーに伊東豊雄が選ばれたことについて記者会見が行なわれた。メインの展示は、子どもから寄せられたみんなの家のドローイングのほか、藤本壮介、平田晃久、乾久美子とともに共同設計を行なう、みんなの家である。畠山直哉が撮影した故郷の陸前高田の写真を導入部に使うが、それ以上にまだ喪の感情から抜けることができない彼が半ば地元民として、また棘としてプロジェクトに介入するというのが興味深い。同日の夜、新・港村にて、伊東塾の5カ月の活動を報告するイベントにも立ち会った。建築家養成講座もあるが、子どもを対象とした教育について、驚くほど結果が充実し、空間や場所の想像が豊かだったという。ビエンナーレの伊東の展示におけるみんなの家(建築家以外によるドローイング)への重視と確実にリンクしている。

2011/10/31(月)(五十嵐太郎)

集合施設《みんなの家》

仙台市宮城野区仮設住宅団地内[宮城県]

竣工:2011/10/26

伊東豊雄によるくまもとアートポリス、みんなの家プロジェクトのお披露目で、仙台の宮城野区の公園につくられた仮設住宅地に向かう。一見、普通の小屋に見えるだろう。公園の独立したパヴィリオンとせず、既存の集会所と寄り添うように、ウッドデッキの縁側でつなぐ切妻の木造家屋である。これまでの前衛を抑え、始原の小屋をめざす。

2011/10/25(火)(五十嵐太郎)

あいちトリエンナーレ2013 記者会見/シンポジウム「美術と身体 建築と場所」

会期:2011/10/21

愛知芸術文化センター 12F アートスペースA[愛知県]

愛知芸術文化センターにおいて、筆者が芸術監督をつとめる、あいちトリエンナーレ2013のコンセプトと最初の作家発表を行なった。タイトルは、「揺れる大地─われわれはどこに立っているのか:場所、記憶、そして復活 Awakening─where we are standing ?:earth, memory and resurrection」である。最初の作家発表は、青木野枝、石上純也、奈良美智、名和晃平の4名。主に場所や空間系の作家、あるいは先端的な表現を行なう作家として選んだ。3.11に絡む記憶や復活につながるテーマを作家が展開するには、まだ時間がかかるだろう。この日は、午前の有識者への説明、実行委員会での承認、記者会見、夕方の浅田彰とのトークイベントと、合計4回主旨を説明した長い1日となった。浅田は相変わらず、膨大な知識と反射神経に裏付けられた圧倒的な言語パフォーマンスによって会場を圧倒させた。

2011/10/21(金)(五十嵐太郎)

森美術館「メタボリズムの未来都市展:戦後日本・今甦る復興の夢とビジョン」

会期:2011/10/20

アカデミーヒルズ49[東京都]

若手建築家とメタボリズムの関係を探るシンポジウムの第2弾である。 藤本壮介は海外でよくメタボリズムとの関係を質問されるが、単位を集積したデザインをしつつも、人がどう振る舞うかに関心があるという。藤村龍至は超線形論と生命の比喩、大胆な構造など、デザインにおける類似性を説明した後、建築家2.0について語った。

2011/10/20(木)(五十嵐太郎)