artscapeレビュー
美術に関するレビュー/プレビュー
ヤマザキマザック美術館所蔵作品展

会期:2010/04/23
ヤマザキマザック美術館[愛知県]
朝、高松駅からJRで瀬戸大橋を渡り、岡山でのぞみに乗り換えて名古屋へ。所要時間3時間たらずで昼前に着く。ぼくが子どものころだったら1日がかり、江戸時代だったら1カ月はかかったぞ。まずは新栄町に出て、この4月にオープンしたばかりの美術館に寄る。日本の企業美術館というとたいてい印象派かエコール・ド・パリだが、ここは珍しくヴァトー、ブーシェ、フラゴナールとロココ絵画が並ぶ。印象派は高騰して手が届かないから盲点ともいうべきロココに走ったのかもしれないが、わが国にはロココ絵画が少ないからそれはそれでひとつの見識といえる。と思ったら、なんだモネもモディリアーニもあるではないか。とりわけ多いのがヴラマンクとスーティン。結局、作品のよしあしや好き嫌いより、値段で購入を決めてるんじゃないかって気がしてきた。
2010/08/20(金)(村田真)
プレビュー:六甲ミーツ・アート「芸術散歩 2010」

会期:2010/09/18~2010/11/23
六甲カンツリーハウス、六甲高山植物園、ホール・オブ・ホールズ六甲、六甲ガーデンテラス、自然体感展望台「六甲枝垂れ」、六甲ケーブル六甲山上駅周辺[兵庫県]
阪神間に位置し、神戸・阪神・北摂エリアの人にとってなじみ深い観光地でもある六甲山。今年7月に展望台が新設されたのを機に、付近の複数の施設を会場とする現代アート展が開催される。出品作家は21組の招待作家を含む約40組。ピクニック気分で山歩きしながらアートを楽しみ、同時に六甲山の自然や景観を五感で再認識するのが目的だ。大都会のすぐ近くにある豊かな自然を味わいながら、美術館とも街中とも違うアートとのお付き合いを考えてみたい。
2010/08/20(金)(小吹隆文)
プレビュー:BIWAKOビエンナーレ2010“玉手箱─Magical World”

会期:2010/09/18~2010/11/07
近江八幡市旧市街地15カ所[滋賀県]
琵琶湖畔の城下町として栄え、近江商人の拠点としても知られる近江八幡市。その旧市街地には築100年を超す建築が今なお数多く残り、街並みも往時の状態が良好に保たれている。今年で4回目を迎える「BIWAKOビエンナーレ」では、そうした古い建築や聖徳太子が開いた願成就寺、広さ約1000�Fの元瓦工場などを舞台に国内外約50組のアーティストが作品を展示。町の象徴ともいえる八幡掘にはアーティストと地元の子どもたちが制作したアート船が就航するなど、地区全体が現代アートに包まれる。「瀬戸内国際芸術祭」や「あいちトリエンナーレ」のように大規模ではないが、コンパクトであるがゆえに親近感が持てるイベントだ。
2010/08/20(金)(小吹隆文)
あいちトリエンナーレ2010 都市の祝祭

会期:2010/08/20~2010/10/31
愛知芸術文化センター、名古屋市美術館、長者町会場、納屋橋会場、七ツ寺共同スタジオ、他[愛知県]
「瀬戸内国際芸術祭」と並ぶ今年最も話題のアートイベントにさっそく出かけてきた。都市型イベントである「あいちトリエンナーレ」では、地下鉄で1~2駅の距離に会場が集中しているのが特徴。交通事情を気にせず自由に移動できるのがありがたい。展示は2つの美術館と街中が半々といった感じで、異なる環境での展示を同時に味わうことでアートの多様なポテンシャルを引き出そうとしているように感じた。筆者のおすすめは、愛知芸術文化センターの松井紫朗、蔡國強、三沢厚彦+豊嶋秀樹、宮永愛子、名古屋市美術館のオー・インファン、ツァイ・ミンリャン、塩田千春、長者町エリアの渡辺英司、山本高之、ナウィン・ラワンチャイクン、二葉ビルの梅田哲也、中央広小路ビルのピップ&ポップだ。納屋橋会場と七ツ寺共同スタジオには残念ながら行けなかった。また、美術展を優先したため、パフォーマンスや演劇系の公演を見てないのも悔いが残る。食事や観光など街を楽しむことができなかったのも同様だ。テーマに「都市の祝祭」を掲げるイベントだけに、美術展とパフォーマンスを観覧するだけでなく、食事や観光など名古屋の街の魅力も味わい尽くして初めてその真価がわかるはず。次に出かける時はしっかり予習して、アートと街遊びの両方を満喫したい。
2010/08/20(金)(小吹隆文)
続・朝鮮通信使2010

会期:2010/08/06~2010/08/31
ソウルから越後妻有まで[ソウルから越後妻有まで]
BankART自身が企画・実践する必殺プロジェクト。江戸時代に行き来した朝鮮通信使を現代によみがえらせようというもので、ソウルからメンバーを増減させながら釜山、対馬を通り、下関から船をチャーターして瀬戸内国際芸術祭にジョイント。その後は大阪、名古屋、横浜などに寄って最後は越後妻有まで行ってしまおうという無謀な計画だ(ちなみにソウルと越後妻有は緯度がほぼ同じ)。この間、BankARTのスタッフはほぼ全員が参加するため、BankARTは空っぽ状態。というより、BankARTそのものが日韓を移動してる状態というべきか。残念ながらぼくは1日だけの参加だったが、この日が道中もっとも参加者が多かった(日韓合わせて20人以上)という。今朝、高松空港から高松駅に向かい、スタッフと落ち合ってチャーター船で直島へ。地中美術館、家プロジェクトを見て、大竹伸朗の「I�・湯」を時間がないので外から鑑賞。それにしてもすごい人出、とりわけ直島は芸術祭の中心的な場所だからとくに人が多いようだ。高松に戻り、日韓で宴会。
2010/08/19(木)(村田真)


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