artscapeレビュー
美術に関するレビュー/プレビュー
メディア・プラクティス08-09

会期:1/17~25
BankARTスタジオNYK[神奈川県]
NYKの3階でやってるのは、同じ藝大大学院の映像研究科メディア映像専攻による年次成果発表会。映像だからパスしようかと思ったが、タダなので入ったら意外と楽しめた。ボケた映像の前に虫メガネを置くとシャープに見える(渡辺水季)なんてのは、映像界では珍しくもない常識的なネタかもしれないが、けっこう驚いたりもする。手振りの軌跡をそのまま線で表わした細川泰生《イメージに補助線を》、架空の写真家のドキュメントを編んだ村上華子《内田光画子の創造》なんてのも、どこかで見たことあるかもしれないけどおもしろい。
2009/01/19(月)(村田真)
せんたんまる

会期:1/17~25
BankARTスタジオNYK[神奈川県]
NYKの1、2階を使った東京藝大大学院の先端芸術表現専攻の修了制作展。さすがに平均点の高い作品が並ぶが、「これはすごい!」というのはない。市民からプランを募集して実現させるという南川憲二の《Wah Document》は、実行力とバカバカしさで一馬身リードか。
2009/01/19(月)(村田真)
日常の喜び

会期:10/25~1/18
水戸芸術館[茨城県]
淺井裕介、大巻伸嗣、アトリエ・ワンら近ごろ引っぱりダコの作家や、宮島達男、日比野克彦ら水戸芸常連作家が大半を占め、そのプラス面とマイナス面が出ている。プラス面は品質が保証されていること、マイナス面はデジャヴュ感が否めないことだ。ガイ・ベンナーの《ツリーハウス・キット》は、以前ヴェネツィア・ビエンナーレでも見たが、物理的にもコンセプト的にも骨格がしっかりしているのでやはり圧巻。注目株の淺井による入口の壁画は力作だが、見事な出来映えだけに装飾的に映ってしまい見すごされがち。それより水戸駅前の柱に密かに施した落書きのほうが感動的だ。
2009/01/18(日)(村田真)
飯田淑乃「納豆とチーズの恋物語──なっちぃ」

会期:10/25~1/18
水戸芸術館[茨城県]
発酵食品界の東西の横綱といえば、納豆とチーズ。そのふたつを組み合わせた最強のスナック菓子「なっちぃ」の生みの親こそ、昭和の香り漂う歌のお姉さん「ごけんゆかり」こと飯田淑乃なのだ。といわれてもねえ、見てない人にはなんのことやら。
2009/01/18(日)(村田真)
夜と昼/アラン・セシャス

会期:10/31~1/18
メゾンエルメス8階フォーラム[東京都]
パリ在住のアーティスト、アラン・セシャスの個展。会場内に敷いたレールの上を3体の擬人化されたネコが移動していく《夢遊病者たち》やエルメスのスカーフ、カレをモチーフにしたネオン作品《カレ海賊》、渦巻状の模様が高速で回転していく《エミール・クーエへのオマージュ》などが発表された。真っ白のネコ人間が目を閉じて両手を突き出しながらさまよう様子は、文字どおり白昼夢を見ているかのようだったが、最後の一匹だけは眼を見開き、しかもコートの下の興奮状態を隠していないせいか、まるで延々と尾行してくる変質者のようで、不安にさせられる。
2009/01/18(日)(福住廉)


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