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美術に関するレビュー/プレビュー

ALLOY & PEACE

会期:2016/04/19~2016/04/24

スパイラルガーデン[東京都]

江口寿史、空山基、田名網敬一、寺田克也、中村哲也、フロリアン・クラールのイラストやドローイングを、鋳物技術を使って立体化する試み。フィギュアづくりと同じで、原型師が平面の絵から粘土で原型をつくり、鋳型を取って金属彫刻に仕上げていく。ちなみに今回は中村哲也が原型を制作したという。タイトルの「ALLOY & PEACE」は「合金と平和」という意味。なんで合金と平和が&でつながってるのかと思ったら、協賛してるのが株式会社平和合金だからだ。たぶん。

2016/04/21(木)(村田真)

久松知子「芸術家の研究所」

会期:2016/04/08~2016/04/28

岡本太郎記念館[東京都]

現在開催中の「生きる尊厳─岡本太郎の縄文─」展(3/2-7/3)の会場内で、昨年、岡本太郎現代芸術賞の岡本敏子賞を受賞した久松知子の新作2点を展示。1点は《芸術家の研究所》というタイトルで、太郎と敏子を中心に、手前に丹下健三と磯崎新が万博のお祭り広場と太陽の塔の模型を前に対座し、右手に花田清輝や針生一郎らしき顔が見える集団肖像画だ。時代は万博前の60年代末ごろ、場所はまさにこの記念館になった太郎の家。バックには太郎のつくったオブジェや著書などが散りばめられ、左上には巨大壁画《明日の神話》に付加されたChim↑Pomによる福島原発事故の絵も見える。もう1点は、遠景に太陽の塔やキノコ雲がいくつか描かれ、その手前(下半分)に黄色い田畑らしき平面が広がり、画面やや上を新幹線が横切る構図だ。よく見ると鉄腕アトムが飛んでいたり、《明日の神話》にも出てくる第五福竜丸らしき漁船も見える。これは同時期に制作された太陽の塔と《明日の神話》をダブルテーマにした絵だろう。妙なのは、画面の最下部が帯状にセメントで固められていること。ナゾの多い絵だ。

2016/04/21(木)(村田真)

MOTアニュアル2016 キセイノセイキ

会期:2016/03/05~2016/05/29

東京都現代美術館[東京都]

「MOTアニュアル2016 キセイノセイキ」の展示は興味深い。ARTISTS’ GUILDとの協働企画であり、現代日本に対する彼らの構えが表明され、やや焦点が合わないクロッシングとは対照的だった。藤井光の抜け殻になったミュージアムとして東京大空襲祈念館など、突き刺さってくる作品が多く、規制について考えさせる問題提起になりえていた。

写真:上=ダン・ペルジョヴスキ 下=藤井光

2016/04/20(水)(五十嵐太郎)

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スタジオ設立30周年記念 ピクサー展

会期:2016/03/05~2016/05/29

東京都現代美術館[東京都]

平日でもかなりの集客だったが、確かにピクサーの映画は、現代において最も人とお金をかけたアートである。少し粗があっても作家性の強さでグイグイ引っ張る日本のアニメに対して、コンピュータを媒介して膨大なスタッフが分業しながら、集合知を積んで、パーフェクトなアニメをつくるシステムは、建築業界の日本と海外の違いにも通じるかもしれない。

2016/04/20(水)(五十嵐太郎)

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六本木クロッシング2016展:僕の身体、あなたの声

会期:2016/03/26~2016/07/10

森美術館[東京都]

もともと知っている作家はまあ悪くなかったのだけど、展示全体としてはあまり引っかからなかった。むしろ同館のアジア現代美術史を扱うMAMリサーチプロジェクトがいい。今回はインドネシア編である。政治が変革し、建築でも大きな変化が起きた1998年以降の現代美術の動向もさらに知りたいと思った。

写真:上=毛利悠子 下=片山真里

2016/04/20(水)(五十嵐太郎)

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