artscapeレビュー

THE ドザえもん展 TOKYO 2017

2018年02月01日号

会期:2017/12/02~2018/12/12

eitoeiko[東京都]

森アーツセンターギャラリーの「THEドラえもん展 TOKYO 2017」の向こうを張った岡本光博の個展。岡本といえば昨秋、沖縄で《落米のおそれあり》と題するシャッター画が住人の反対に遭い、非公開になったことが記憶に新しい。沖縄の米軍問題でもキャラクターの著作権問題でも、とりあえず果敢に切り込んでいく姿勢は高く評価したい。てことで「ドザえもん」だが、個展のチラシには青く膨れ上がった水死体が池に浮かんでる写真を使用。出品作品は大小さまざまなキャラクター商品を2つに割ってうつぶせ状態にしたもので、2頭身用の青い棺桶まで用意するという周到さ。もちろん「THEドラえもん展」に選ばれなかった腹いせに急ごしらえしたものではなく、1992年の大学の卒業制作のときにつくって以来4半世紀を超える片思いの歴史があるそうだ。なんだかんだいいながら、やっぱ愛が感じられるよね。

2017/12/07(木)(村田真)

2018年02月01日号の
artscapeレビュー