artscapeレビュー
館長 庵野秀明 特撮博物館
2012年11月15日号
会期:2012/07/10~2012/10/08
東京都現代美術館[東京都]
毎夏恒例のアニメ展、10回目の今年は「エヴァンゲリオン」シリーズで知られる庵野監督が「館長」となり、日本固有の発展を遂げてきた「特撮」に焦点を当てる。怪獣やウルトラマンよりも、彼らが壊すミニチュアセットに異常な興味を抱いていた小学生の私だったら狂喜したであろうこの展覧会を、40年以上たったいま小学生の息子と見に行くことになった。怪獣やウルトラマンの着ぐるみやマスク、海底軍艦のミニチュアや設計図、特撮用の道具や機材がところ狭しと並ぶ美術倉庫の再現など、約500点の展示。ああもっと早く見たかった。最後は東京タワーを中心とする昭和の東京のジオラマセットと、それを背景に特撮したスタジオジブリ短編映画『巨神兵東京に現わる』の上映。おまけのメイキング映画では、限られた予算のなかでCGに頼らず、いかに知恵を絞って最大の効果を発揮させるかが描かれていておもしろい。大の大人があーでもないこーでもないといいながら嬉々として特撮に講じる姿に、日本のお家芸の秘密をかいま見た気がする。
2012/10/01(月)(村田真)