artscapeレビュー
始発電車を待ちながら──東京駅と鉄道をめぐる現代アート9つの物語
2012年11月15日号
会期:2012/10/01~2013/02/24
東京ステーションギャラリー[東京都]
東京駅復元工事完成記念てなことで、ギャラリーの位置も駅舎の北端に移って再開。サブタイトルのように9組のアーティストたちが鉄道や東京駅にまつわる作品を出している。わざわざ今回のためにつくったコミッションワークも多く、主催者の意気込みが伝わってくる。が、パラモデル、クワクボリョウタ、秋山さやからの作品はこれまで何度も見たことがあるので新鮮味はない(でも日用品のなかを鉄道模型を走らせるクワクボのインスタレーションは何度見ても飽きない)。初めて見たなかでおもしろかったのは、パスモなどの交通ICカードを装置にかざすと、利用した路線がスクリーンの地図に浮かび上がるという廣瀬通孝の《Sharelog 3D》(シェアログ? シャレログとも読める)。見てたら、おっさんが財布からカードを取り出してかざすと都心と足立区方面を光がつないだ。下町のおやじだ。今度は若い女の人がカードをかざしたら、都心と世田谷方面を光が走った。お、都心で働く世田谷在住のOLかな。これじゃ個人情報がもれてしまうではないか。
2012/10/19(金)(村田真)