artscapeレビュー
カワトウ写真展「京阪神フロンティアザッピング」
2014年04月01日号
会期:2014/03/17~2014/03/29
Port Gallery T[大阪府]
京阪神の空き地を渉猟し、タイポロジーよろしく同一条件で撮影し続けているカワトウ。本展では、1点を除きすべて同一サイズの縦位置写真約390点でギャラリーの壁面を埋めた。彼の作品の魅力は何だろう。都会の一角にぽっかりと空いた空き地を通して、現代社会を掘り下げる、建築史を語るなど、いろいろなアプローチができそうだ。ちなみに筆者が興味を持ったのは、よそ行きではない都会の素顔(すっぴん)が見える点。特に住宅地では、表通りからは窺えない家屋の裏側が露わになる。整理整頓が行き届いた家もあるが、なかにはお世辞にも綺麗とは言えない家も。その油断した風情が愛おしい。
2014/03/17(月)(小吹隆文)