artscapeレビュー

graf『ようこそ ようこそ はじまりのデザイン』

2014年04月01日号

発行日:2013年03月15日
発行所:学芸出版社
価格:1,900円(税別)
サイズ:A5判、184ページ

大阪を拠点に活動するデザイン・ユニット「graf」が、これまでのデザイン活動の軌跡とものづくりへの思いを綴った本。家具製造・販売、内装設計、プロダクト・デザイン、グラフィック・デザイン、飲食店の運営やアート・イベントまで、衣・食・住を巡って彼らの活動は幅広い。異なるメンバーたちが執筆を担当しているが、全編を通して、「集団で物をつくること」、つまり専門領域を異にする多彩な人々が集まって行なう協働/人とのコミットメントのありかたに向けて、ゆるやかに糸が紡ぎだされているのが興味深い。そこがgrafのクリエイティヴたる所以だからだ。2012年末に建物を移転し始動した「graf studio」は、彼らのアイディアが生まれる場を伝え、そのプロセスを体験できるようにと名付けられたという。本書を読めば、創設15年を経たgrafの今後の展開がますます気になるだろう。[竹内有子]

2014/03/16(日)(SYNK)

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