artscapeレビュー
Houxo Que「SHINE」
2017年07月01日号
会期:2017/06/10~2017/06/25
ARTZONE[京都府]
Houxo Que(ホウコウ・キュウ)は東京を拠点に活動するアーティスト。グラフィティ・ライター、ライブ・ペインターとして活動を開始し、現代美術へと活動領域を広げてきた。本展は彼にとって関西初の個展である。作品は液晶ディスプレイの画面にペイントを施したシリーズ《16,777,216view》と、蛍光塗料とブラックライトを用いて現地制作した壁画《day and night》である。筆者の関心を捉えたのは前者だ。この作品は絵具自体の色彩はもちろん、液晶ディスプレイが色を変化させながら激しく明滅し、空間自体も照明がともった状態、落ちた状態、ブラックライトをともした状態と変化する。光がテーマなのは明らかだが、その光とは天然の陽光ではなく、街灯、デジタルサイネージ、パソコン、携帯電話など、われわれの日常を取り巻く人工の光なのである。絵画作品には描かれた時代の風景、風俗、価値観、そして光の捉え方が反映されている。ホウコォキュウの作品を見て、21世紀日本のリアルを感じたのは、私だけではあるまい。
2017/06/16(金)(小吹隆文)