artscapeレビュー
プレビュー:ダンスボックス・ソロダンスシリーズvol.2 寺田みさこ『三部作』
2017年12月15日号
会期:2018/01/19~2018/01/21
ArtTheater dB Kobe[兵庫県]
「ソロダンス」によるフルレングス作品の上演をシリーズ化する企画、「ダンスボックス・ソロダンスシリーズ」の第2弾。本公演の特徴は、世代、バックグラウンド、ダンスのキャリアが大きく異なる3名の振付家が、それぞれ「寺田みさこ」を振り付ける点にある。寺田は、幼少より培ってきたバレエを基礎とし、コンテンポラリーダンスの領域を横断しながら活動している。対する振付家の顔ぶれは、即興的かつ過激な身体の接触で知られるcontact Gonzoの塚原悠也、韓国を代表する気鋭のダンサー、振付家のひとりであるチョン・ヨンドゥ、KYOTO EXPERIMENTに過去3回参加し、極限的な肉体や暴力性を観客に突きつけてきたブラジルのマルセロ・エヴェリン。高い身体能力や運動の正確性を持つ寺田の身体を通して、それぞれの振付家のダンス観や身体論の差異と比較が提示されるとともに、「寺田みさこ」という固有のひとつの身体がどこまで可塑的な変容の振れ幅をもって立ち現われるのか、期待したい。なお本作は、2月に開催される「横浜ダンスコレクション2018」においても上演が予定されている。
2017/11/27(月)(高嶋慈)