artscapeレビュー

第4回CAF賞展

2017年12月15日号

会期:2017/10/31~2017/11/05

ヒルサイドフォーラム[東京都]

CAFとはゾゾタウンの前澤友作氏が会長を務める現代芸術振興財団。そのCAFが主催する、全国の学生を対象にしたアートアワードの入選作品展だ。2014年に始まり、今年で4回目。展示されているのは16人の絵画、立体、インスタレーションなど。このなかから白石正美(スカイ・ザ・バスハウス代表)、薮前知子(東京都現代美術館学芸員)、齋藤精一(ライゾマティクス代表取締役)の3人の審査員が最優秀賞1人、審査員特別賞3人を選ぶのだが、そもそも入選した16人はだれが選んだの? 3人の審査員? 入選者の内訳は、大学院も含めて東京藝大6人、京都造形大3人、京都芸大2人、多摩美2人、そのほか3人と、全国の高校から専門学校までを対象としてる割にはかなり偏りがあるなあという印象。作品もグラフィティ風、ゆるキャンの小林正人風、板材を支持体に使うバスキア風の作品が目立った。ジャン・ミッシェル・バスキア好きな前澤氏の好みを忖度したのではないかと勘ぐりたくなる選択だ。
肝心の最優秀賞は木村翔馬、以下、白石正美賞は大久保紗也、薮前知子賞は小山しおり、齋藤精一賞は菅雄嗣と、いずれも絵画が受賞した。これは納得。最後の展示室には、前澤氏が今年5月に約123億円で購入し話題を呼んだバスキア作品が、クリストファー・ウールやマーク・グロッチャンらの作品とともに展示されていた。比べるのもなんだが、やっぱり学生の作品とはぜんぜん違うなあ。ところで、昨年オークションで約62億円で落札したバスキア作品はどうしたんだろう? 並べてほしかったなあ。

2017/11/01(水)(村田真)

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