artscapeレビュー
須田悦弘 ミテクレマチス
2018年06月01日号
会期:2018/04/22~2018/10/30
クレマチスの丘 ヴァンジ彫刻庭園美術館[静岡県]
BankARTスクールの生徒たちと三島駅で待ち合わせ、無料シャトルバスでクレマチスの丘へ……と思ったら、日曜日の発着時間は40分もズレていたのでタクシーで行くことに。まずはヴァンジ彫刻庭園美術館へ。タイトルの「ミテクレマチス」はもちろんダジャレだが、クレマチスの花をテーマにしていることは予想できる。しかし須田のことだからどこに作品があるかわからないので気をつけなければ、と階段を下りながら作品リストを見ると、さっそく1点エントランスホールの「花」を見逃していた!
注意深く見ていくと、コンクリート壁の上下(決して目線の高さには置かない)に次々と花を発見。どれも一輪ずつポッと咲いている。作品名の《テッセン》《白万重》《ミケリテ》《モンタナ》は、いずれもクレマチス属の一種だそうだ。最後は円形の池に睡蓮を浮かべたもので、これが今回最大の作品だ。作品リストを確認すると1点見逃している。戻って探したら、壁にスリットが空いているではないか。のぞいてみると、床の隙間から雑草が生えているのが見えた。計7点すべてが、ジュリアーノ・ヴァンジの彫刻が置かれたメインギャラリーではなく、隅っこの階段やロビー空間に展示しているのが須田らしい。ひょっとしたらリストには載せてないけど、ヴァンジの彫刻にポソッと取り付けた作品があるんじゃないかと妄想が膨らむ(いちおう確認したけどなかったみたい)。
2018/04/22(村田真)