artscapeレビュー
第8回 新鋭作家展 二次審査展示
2018年09月15日号
会期:2018/09/08~2018/09/24
川口市立アートギャラリー・アトリア[埼玉県]
国籍・年齢を問わず新鋭作家の発掘・育成を目的とする公募展。ほかの公募展と違う点は、川口の地域性となんらかの関連を求められること、選ばれたアーティストは1年近くリサーチやワークショップを重ね、学芸員および市民と協働して作品をつくり上げていくことだ。と、ここまで書いて、7月27日にも書いたなあと思い出した。7月の展示は、昨年のこの時期に開かれた二次審査に通った2人の成果発表展だった。で、今日は来年に向けての二次審査の日。書類による一次審査を通過した10人のプランを審査して、2人に絞らなければならない。
アクリルの衣装ケースのなかに部屋をつくってマンションのように積み重ねていく上坂直、手のひらで風景画を描く遠藤夏香、ケンタッキー・フライドチキンを食べて残った骨で小さな人体骨格を組み立てる祐源紘史、暗くした家の隙間から入る光をアートとしてみせる宙宙(チューチュー)、キノーラ式アニメや絵本をつくる蓮沼昌宏、顔ハメ看板を街中に置いていく海老原祥子など、おもしろいプランが集まった。審査は順調に進み、4人、3人と絞り込んだが、そこから先が難航した。ただ優秀なプランを2点選べばいいというものではなく、2点の組み合わせも考えなければならない。というわけで、ようやく決定したのが上坂直と蓮沼昌宏のふたり。来年期待してるぞ。
2018/09/07(村田真)