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カタログ&ブックス | 2019年11月15日号[近刊編]

2019年11月15日号

展覧会カタログ、アートやデザインにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。
※hontoサイトで販売中の書籍は、紹介文末尾の[hontoウェブサイト]からhontoへリンクされます





横浜美術館30周年記念 美術でつなぐ人とみらい

寄稿者:朝吹真理子、五十嵐太郎、伊藤亜紗、円城塔、岡田利規、鈴木理策、ドミニク・チェン、奈良美智、西沢立衛、平田オリザ、森村泰昌
発行:河出書房新社
発行日:2019年10月29日
定価:2,200円(税抜)
サイズ:B5判、136ページ

みなとみらいの中心に位置する都市型美術館の先駆として開館30周年を迎える横浜美術館。豪華執筆陣の小説・写真・論考など充実したクリエイションで街と美術館の未来について思いを馳せる。

キース・へリング〜アートはすべての人のために〜

総監修:梁瀬薫
編集長:藤原えりみ
デザイン:小池俊起
発行:美術出版社
発行日:2017年8月3日
定価:4,400円(税込)
サイズ:A4 変型、ソフトカバー、200ページ

「中村キース・へリング美術館」開館10周年を記念して発行される、80年代アメリカのアートシーンを代表する画家、キース・へリングの魅力のすべてが詰まった一冊。地下鉄のラクガキドローイングにはじまる彼のアーティストとしてのキャリアは、1990年に亡くなるまでの10年間。ヘリングは短い人生を疾走するように創作活動を展開。本書は美術館の10年間の歩みをたどりつつ、所蔵作品を中心に、ドローイング、立体ほか約160の作品を掲載。暴力や差別を否定して平和や生きる歓びをメッセージとして発信し、人間の意識や社会のあり方を変えていこうとしたヘリングの幅広い活動を紹介する。

VIRAL: Enrico Isamu Oyama

監修:梁瀬薫
執筆:林道郎、櫻林恵美理、梁瀬薫、大山エンリコイサム
デザイン:小池俊起、林頌介
発行:中村キース・ヘリング美術館
発行日:2019年8月10日
定価:4,600円(税込)
サイズ:A4判、80ページ

中村キース・ヘリング美術館にて、2019年5月より開催中の大山エンリコイサム個展「VIRAL」の展覧会カタログ。 本書には同展覧会のインスタレーションビューをはじめ、大山によるステートメント、美術史家の林道郎による論考を収録。 当館ならではの視点から、キース・ヘリングとの共通性にも迫る一冊となっています。

窓展 窓をめぐるアートと建築の旅

学術協力:五十嵐太郎
編者:東京国立近代美術館
発行:平凡社
発行日:2019年11月
定価:2,500円(税抜)
サイズ:B5版、206ページ

美術作品に現れる「窓」は作品モチーフとして建築の一部として、さまざまな思いを想起させる。東京国立近代美術館の展覧会公式図録。

アンチ・アクション 日本戦後絵画と女性画家

著者:中嶋泉
発行:ブリュッケ
発行日:2019年9月
定価:3,800円(税抜)
サイズ:22cm、362ページ

草間彌生、田中敦子、福島秀子。3人の女性画家の画業をたどり、日本の戦後美術史と戦後美術運動のジェンダー的問題点を探りだし、「女性画家もいる」美術史を構築しようとする試み。

転形期のメディオロジー 一九五〇年代日本の芸術とメディアの再編成

編著者:鳥羽耕史、山本直樹
発行:森話社
発行日:2019年9月
定価:4,500円(税抜)
サイズ:A5判、352ページ

1950年代の日本で、テレビに代表されるニューメディアの出現が、印刷媒体中心であった既存のメディアをいかに変容・再定義していったのか。
本書では、主に文学・映像・美術のジャンルにおいて、異なるメディア間での相互交流、越境、再編成と、それらが作品や表現にもたらしたものを再検討し、現代の錯綜するメディア状況を歴史化する視点を提示する。

増補版 ゴダール マネ フーコー 思考と感性とをめぐる断片的な考察

著者:蓮實重彥
発行:青土社
発行日:2019年10月24日
定価:2,400円(税抜)
サイズ:B6判、302ページ

映画史、絵画史、思想史を横断する。
20世紀の「あらゆる映画はサイレント映画の一形式でしかない」と論じ、21世紀の「ポスト・トゥルース」と呼ばれる時代の「ポスト」について分析する2本のテクストを増補。

Holy Onion

著者:題府基之
エッセイ:クリス・フジワラ
ブックデザイン:服部一成
発行:オシリス
発行日:2019年10月20日
定価:4,800円(税抜)
サイズ:A5判変型、ハードカバー、蛇腹製本、エッセイ収録冊子付、164ページ

一人の女性がキッチンで玉ネギの皮をむく写真がひたすら続く──。あまりに日常的な、それでいてこの上なく非日常性を孕む光景。収録されているのは、フィルム1本分全35カット。1枚の写真にその人物を象徴する瞬間がとらえれているのがポートレイト写真だとすれば、『Holy Onion』は、既成のポートレイト写真への問いかけであるのかもしれない。「1枚で見せるポートレイトってことじゃなくて、35枚全部で一つのポートレイト。今回たまたま35枚でしたが、5枚でも10枚でも1枚じゃないポートレイトに最近興味がある」と題府は語る。『Still Life』、『Hypermarché – Novembre(大型スーパー、11月)』(ミシェル・ウェルベックとの共著)に続く待望の新刊写真集。





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2019/11/15(artscape編集部)

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