artscapeレビュー
カタログ&ブックス | 2021年1月15日号[近刊編]
2022年01月15日号
展覧会カタログ、アートやデザインにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。
※hontoサイトで販売中の書籍は、紹介文末尾の[hontoウェブサイト]からhontoへリンクされます
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『余の光/Light of My World』展覧会カタログ
「京都府域展開アートフェスティバル ALTERNATIVE KYOTO in 福知山」の一環として、2021年10月8日〜11月7日まで旧銀鈴ビルにて開催された展覧会「余の光/Light of My World」の公式カタログです。
イメージかモノか 日本現代美術のアポリア
1960年代の「反芸術」から戦後日本美術の重要な美術動向である「もの派」へ、そして、ハイレッド・センターによる山手線事件、赤瀬川原平の作品を発端に社会現象にまでなった模型千円札裁判。1960年代から70年にかけての日本現代美術の事象を、当時の批評家や作家の実践を通して読み解く。イメージかモノかという困難で切実な問題に、当時の美術の最前線にいた作家や批評家はどう対峙したか—。
フェルメールとそのライバルたち 絵画市場と画家の戦略
ライバル画家2000人、流通した絵画500万点。 繁栄と恐慌、戦争、感染症──。 不朽の名画を生んだ絵画の黄金時代は、 空前の競争市場〈レッドオーシャン〉だった! 17世紀オランダの絵画市場と 画家の生き残り戦略に迫る、美術史研究の最前線。
ぺらぺらの彫刻
「構造を被覆する表面によって成立する彫刻の系譜を確認する」という共同研究に、彫刻家、美術史家、学芸員9名が集結。お堅い命題に頭を抱えて議論百出。ついに満場一致で「ぺらぺらの彫刻」として追究開始。道成寺の鐘の内側は、内なのか外なのか? 禅問答に悩むごとく、ある者は触覚から、ある者は空洞から、ある者はピカピカから、ある者は時代の空気から…横山裕一に章扉を描かせ、溢れる彫刻愛は「読む彫刻」を生み出した!
KAZUYO SEJIMA RYUE NISHIZAWA SANAA 1987-2005 Vol. 1 / 2005-2015 Vol. 2 / 2014-2021 Vol. 3
世界で活躍する建築家、妹島和世、西沢立衛の各個人事務所と、両氏が主宰するSANAAの、1987年から2021年までの活動を年代順に紹介する3巻セットの作品集。建築、都市マスタープラン、家具、プロダクト、書籍に至るまで、その30余年の活動と思考の軌跡を総覧できる。この作品集をひとつの建築と考え、建築設計に近いやり方でつくったという、妹島、西沢のクリエーションへのこだわりが詰まったブックデザインにも注目。
〈問い〉から始めるアート思考
古来、アーティストは見えないものを見えるようにするような役割を社会の中で担ってきました。(中略)アーティストたちは、その時代や社会の中で、見たくても見えないものを描き出してきたと言えると私は思っています。(中略)アーティストたちに共通しているのは、未来についての「問い」を私たちに投げかけながら、常識を揺さぶったり、今までにない経験をさせたりするところです。(中略)観賞者がアーティストたちの作り出す未来の可能性を明確に感じることができれば、それはきっとビジネスでも役立つし、これからどうやって生きていくかを考えるときにも役立つはずだと私は思います。
八束はじめインタビュー 建築的思想の遍歴
本書は著者が学生時代から大学を定年退職するまでの活動を振り返ったインタビュー集であり、現代建築の半世紀を語っている。「修業と師事」「設計と批評」「研究と教育」の3部構成で自らの足跡とその時代を振り返る。そこに通底するのは「思想」であり、著者が何を考えてそれが成立しているかを明らかにする。多才なモダニストが語る現代建築の半世紀。
『美学のプラクティス』
たえず懐疑的な視線にさらされ、「居心地の悪さ」を指摘されてきた学問領域、美学……。「崇高」「関係」「生命」という3つのテーマをめぐって、抽象と具体のあいだで宙吊りにされてきた美学の営為を問い直す、ひとつの実践の記録。美・芸術・感性を越境する批判的思考のきらめきが、いまここに。
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https://honto.jp/
2022/01/14(金)(artscape編集部)