artscapeレビュー

村田真のレビュー/プレビュー

アイ・ウェイウェイ展──何に因って?

会期:2009/07/25~2009/11/08

森美術館[東京都]

パンダの展覧会かと思ったら、中国の現代美術家だそうだ。プーアール茶を1立方メートル、重さ1トンの立方体に固めたり、伝統的な組木技法によって中国の地図をつくったり、骨董品の壺に「Coca-Cola」と書き加えたり。ミニマリズム、コンセプチュアリズムにポップな味つけを加えたうえ、中国の素材や技法を用いてるので欧米のマーケットでも大ウケ間違いなし。そのわかりやすさ、切れ味の鋭さゆえに「語るに落ちる」ほどだが、落ちきらずになにか引っかかるところに彼の芸術性がある。

2009/08/08(土)(村田真)

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石上純也+杉本博司(ARCHITECT TOKYO 2009)

会期:2009/08/01~2009/08/29

ギャラリー小柳[東京都]

都内6軒の現代美術の画廊が同時期に開く建築展のひとつ。ここでは石上純也と杉本博司の出品。いよいよ画廊も建築に触手を伸ばし始めたか、というより、建築が画廊に侵出し始めたというべきか。杉本博司も建築に侵出しているし。

2009/08/07(金)(村田真)

菊池絵子 展

会期:2009/07/27~2009/08/08

OFFICE IIDA[東京都]

上記「新世代への視点」の藍画廊にも出ていた絵子ちゃんの個展。雪だるま、ボタン、時計などを紙に鉛筆で小さくポソッと描いている。印象は薄いけど捨てがたい作品。

2009/08/07(金)(村田真)

大和武司 展「連想ゲーム」

会期:2009/08/03~2009/08/08

ギャルリー東京ユマニテ[東京都]

寿司のシャリが魚の切身をのせたシャレコウベになっていたり、耳クソをのせた耳掻きがタンポポのように何本も夜空を飛んでいたり……。いちいち説明するのもアホらしいモチーフを、それなりに達者な描写力で描くギャップ。

2009/08/07(金)(村田真)

新世代への視点2009

会期:2009/07/27~2009/08/08

銀座・京橋ほかの画廊12軒[東京都]

10回目の今年、ギャラリー58ガルリソルが増えて参加画廊は12軒となった。が、11軒しか回らなかったのは、ギャラリー21+葉が自由が丘に移転して行けなかったから。絵画、彫刻、インスタレーション、ビデオといいぐあいに分かれたが、さまざまな野菜を組み合わせてひとつの漢字を描く古池潤也と、旅先で出会ったものを陶彫でつくる深井聡一郎が印象に残った。つーか、あとは印象が薄かった。

2009/08/07(金)(村田真)