artscapeレビュー

村田真のレビュー/プレビュー

サンテリ・トゥオリ展「命のすみか──森、赤いシャツ、東京」

会期:2009/09/09~2009/09/27

スパイラル[東京都]

森を写したスチル写真に動画を重ねて見せたり、幼児が服を着る動作を延々と映したり。こういう作品を好きになれないのは、森とか幼児とかだれも文句を言えない素材に頼るだけで中身がなく、思わせぶりでウザイからだ。時間のムダ。

2009/09/19(土)(村田真)

現代女子∞~もの+いろ+かたち~

会期:2009/09/12~2009/09/17

ギャラリーツープラス[東京都]

横浜美術短大の在校生・卒業生8人によるグループ展。現代女子∞(無限大)なんだからもう少しがんばってね。

2009/09/14(月)(村田真)

Last Sento Painter

会期:2009/08/31~2009/10/03

芹川画廊[東京都]

銭湯の背景画家、丸山清人の作品展。パネルに描いた富士山の絵などが10点あまりと、ライブペインティングで描いたペンキ絵の大作1点の展示。会期は12日までだったが、もしやと思って訪れたらやっていた。ラッキ~。新聞に紹介されて好評を博したため、2週間延長したそうだ(その後さらに延長)。この画廊が入居する銀座の奥野ビルは、戦前にアパートとして建てられ、現在は画廊が多数入ったギャラリービルとして知られるが、芹川画廊が借りてる地下の空間はもともと共同風呂だったところ。なんか話ができすぎだなあ。背景画そのものはキッチュだが、よく見ると空間の把握や色彩感覚は司馬江漢ら江戸の洋風画に近い。意外と日本のヴァナキュラーな美意識を受け継いでいるようだ。

2009/09/14(月)(村田真)

丸山純子「ZZのはじまり展」

会期:2009/09/01~2009/09/12

実験スペース「ムーンハウス」[神奈川県]

横浜の野毛山に建てられたアーティスト・イン・レジデンス「ムーンハウス」。ガレージのような中庭部分が共用のアトリエになっていて、その上階に4つのコンパクトな住居がある。つまり4組のアーティストが同時に滞在・制作できるスペースなのだ。これは快適、ぼくも住んでみたい。施主は横浜市の匿名希望幹部、設計はオンデザインの西田司氏。そのオープニングのために滞在・制作した丸山さんは、この建築および中庭の形態を読み解いて、石鹸を使った作品を配置した。

2009/09/12(土)(村田真)

慶應義塾をめぐる芸術家たち

会期:2009/06/20~2009/09/23

国立国際美術館[大阪府]

なんで大阪で慶應の展覧会を?と疑問に思ったら、慶應義塾を創設した福沢諭吉が美術館の近くの堂島浜に生まれ、しかも「水都大阪」の会場のひとつでもある適塾で学んだという大阪人だからだ。でも慶應には美術学部もないのに、だれがなにを出すんだ? というと、詩人の西脇順三郎や瀧口修造、彫刻家の飯田善國、版画家の駒井哲郎らOBと、慶應の建築を手がけた谷口吉郎、その谷口とコラボしたイサム・ノグチの作品を展示していた。でも小品が多いし、あまり脈絡もないし、やなぎの作品を見たあとでは吹っ飛んでしまいますな。ま、KO負けってことで。

2009/09/11(金)(村田真)