artscapeレビュー

五十嵐太郎のレビュー/プレビュー

虎ノ門ヒルズ

[東京都]

日本設計が手がけた《虎ノ門ヒルズ》(2014)に立ち寄る。道路上に建設され、下を環状二号線が貫通する実験的な巨大開発のプロジェクトだ。トンネルの勾配にあわせ、人工の傾斜地がうまれ、これを巧みに利用しながら、屋内外に広場やストリートの感覚を持ち込む。ちょうどジャウメ・プレンサや谷尻誠のインスタレーションを設営中だった。

2014/11/26(水)(五十嵐太郎)

AGC studio Exhibition No.12 社会との関わりを見詰める建築模型展「新しい建築の楽しさ2014」展、地球の音楽展

AGC studio 1階エントランス ギャラリー[東京都]

京橋AGC STUDIOの「新しい建築の楽しさ2014」展へ。社会との関わりを考える建築模型の若手グループ展である。薄い透明な面を無数の細い柱で支える、萬代基介の夢のような展示台が素晴らしい。ここのすぐ近くのATELIER MUJI「地球の音楽展」も、彼の会場デザインである。透明な球の群が浮かぶ、インスタレーションだ。彼は石上純也のテイストを受け継ぎながら、愛知県のスタジオ・ヴェロシティとは異なる展開をしている。

AGC studio Exhibition No.12 社会との関わりを見詰める建築模型展「新しい建築の楽しさ2014」展
会期:前期 2014/11/06~12/26 後期 2015/01/16~02/21
会場:AGC studio 1階エントランス ギャラリー

地球の音楽展
会期:2014/11/21~2015/03/01
会場:無印良品有楽町2F ATELIER MUJI

2014/11/26(水)(五十嵐太郎)

イエス来日公演(東京)

会期:2014/11/23~2014/11/25

東京ドームシティホール[東京都]

イエスの来日公演に行く。最盛期のアルバム「危機」と「こわれもの」をそのまま再現する曲目、しかもスティーブ・ハウとクリス・スクワイアが演奏しているので、満足できる内容だった。改めて、前者のギターは独創的である。もともと若さをウリにするバンドではないだけに、メンバーの外観が老いても、ちゃんと演奏していれば、あまり違和感を覚えない。一方、今年行ってきたエイジアの来日公演は、スティーブ・ハウが抜け、若いギタリストを入れ、それ以外はオリジナルのメンバーだったが、ジョン・ウェットンのヴォーカルがだいぶ衰えていたのが残念(それでも楽しいのだが)。イエスが迎え入れた新しいヴォーカルが、ちゃんと当時の再現のように歌っているのとは対照的である。バンドの老いという意味では、今年、MR.BIGの公演も見たのだが、ドラムがパーキソン病を患いながらも、サポートのドラムを入れながら、笑顔で出演し、それでも元のフルメンバーで演奏している姿は、ある意味で感動的だった。またビリー・シーンのベースが相変わらず、神がかっていたことも感心した。

2014/11/25(火)(五十嵐太郎)

博多駅周辺

JR博多シティ、キャナルシティ博多ほか[福岡県]

博多駅周辺を歩く。震災後では初めてである。今風の再開発のJR博多シティはデカイが、そのスケール感にみあう空間のスペクタクルがもっと欲しい。屋上からの展望が気持ちがいい。キャナルシティ博多も、久しぶりに訪問した。ダイナミックに展開する迷宮的な空間の感覚が楽しい。これが登場した後、日本の商業系再開発は、猫も杓子もジャーディになったが、空間の体験としては、結局、これが一番良いのではないかと思う。

左:JR博多シティ 中央と右:キャナルシティ博多

記事左上:屋上から磯崎新の建築を見る

2014/11/25(火)(五十嵐太郎)

第5回福岡アジア美術トリエンナーレ2014

会期:2014/09/06~2014/11/30

福岡アジア美術館全館、周辺地域[福岡県]

福岡アジア美術トリエンナーレ2014を見る。紹介するアーティストのエリアを特化したことと、5回継続してきた厚みを感じる内容だった。全体としては、純粋な視覚系よりも、社会と関係する作品が多い。日本の現代美術やサブカルチャーが、アジアに影響を与えている作品も少なくないように感じた。また今年から始めた特別部門「モンゴル画の新時代」が想像以上に興味深い。これが、この10年の動向なら、確かに大きな変化である。


左: ルー・ヤン《子宮戦士》  右:ガンボルディン・ゲレルフー《欲望》(モンゴル画)

2014/11/24(月)(五十嵐太郎)

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