artscapeレビュー
小吹隆文のレビュー/プレビュー
プレビュー:KYOTO GRAPHIE international photography festival
会期:2013/04/13~2013/05/06
高台寺塔頭 圓徳院、京都文化博物館 別館、大西清右衛門美術館、有斐斎 弘道館、西行庵、誉田屋源兵衛 黒蔵、アンスティチュ・フランセ関西、ARTZONE、虎屋京都ギャラリー、ASPHODEL/富美代、二条城二の丸御殿台所、ハイアットリージェンシー京都[京都府]
京都市内の観光名所や寺院、町家、博物館、画廊など12カ所を会場に、国内外のアーティストたちが写真展を開催。高台寺×細江英公、西行庵×高谷史郎など、組み合わせの妙に興味が募る。個展以外にも、アルル国立高等写真学校の学生たちのグループ展や、ハッセルブラッド・マスター・アワード2012年受賞作品展、幕末から明治初頭の日本を捉えた写真を展示するクリスチャン・ポラック・コレクション展など、バラエティも豊かなのが嬉しい。
2013/03/20(水)(小吹隆文)
プレビュー:FESTART OSAKA 2013
会期:2013/04/08~2013/04/20
ギャラリー白、瀧川画廊、アートサロン山木、番画廊、Yoshimi Arts、コウイチ・ファインアーツ、Port Gallery T、ギャラリープチフォルム、美術處 米田春香堂、美工画廊、ギャラリー新居、山木美術、谷松屋戸田ギャラリー、アート・遊、ギャラリー風、画廊大千、ワタナベファインアートギャラリー、とりゐや美術店、Nii Fine Arts、福住画廊[大阪府]
大阪市の西天満、北浜、淀屋橋、肥後橋という隣接する4エリアの20画廊が、足並みを揃えて展覧会を開催。トークショーやパーティー、ギャラリーツアーなどの関連イベントも多数開催される。いわゆるニューカマー向けの啓蒙イベントだが、画廊の取り扱い分野が現代美術、近代美術、工芸と幅広いため、美術通にとっても慣れないジャンルの画廊に足を運ぶチャンスとなる。観客と画廊の関係をシャッフルすることで、新たな出会いが生まれることを期待する。
2013/03/20(水)(小吹隆文)
KOBE ART LOOP 2013
会期:2013/03/01~2013/03/31
ギャラリーほりかわ、GALLERY & SPACE DELLA-PACE、Pocket美術函モトコー、OLD BOOKS & GALLERY SHIRASA、南京町ギャラリー蝶屋、GALLERY 301、ギャラリーTANTO TEMPO、Gallery Vie、ギャラリー開、Kobe 819 Gallery[兵庫県]
神戸の元町・栄町通近辺に居を構える10画廊が、周遊型のアートイベントを企画。内容は画廊の通常活動である個展の集合体だが、マップやスケジュール表付きのパンフレットを作成し、それぞれの存在をアピールしていた。神戸は大阪や京都に比べて画廊の数が少なく、過去に同種の試みが行なわれたことはなかった。しかし、ここ5、6年の間に栄町通を中心に新規の画廊が増え、ようやく面的な展開が可能になった。今回はシンプルな仕掛けだったが、今後も継続しつつ企画性を増して行けば、徐々に効果が現われるだろう。参加画廊に無理のない範囲で、息の長いイベントに成長することを願う。
2013/03/16(土)(小吹隆文)
IRON ∞ MAN
会期:2013/03/13~2013/03/24
Creative Center Osaka(名村造船所跡地)[大阪府]
元造船所という特異なシチュエーションを舞台に、造船とゆかりの深い鉄を駆使する立体作家5名が展覧会を行なった。屋内では、タムラサトルが接点の動きにより無数の白熱灯が揺らぐように輝くタワー型のオブジェを展示し、角文平は鉄線のグリッドからなるビル状の立体内に住宅の賞オブジェを並べた作品などを発表。屋外では、橘宣行の巨大オブジェ《宇宙戦艦タチバナ》を先頭に、飯島浩二の鉄犬とサーカスのオートバイ曲芸のような作品、久保田弘成のボートを用いた大作が後に続いた。昨今珍しいストロングスタイルの展覧会。久々に痛快なカタルシスを味わった。
2013/03/15(金)(小吹隆文)
[デー デー デー ジー]グルーヴィジョンズ展
会期:2013/03/12~2013/04/26
dddギャラリー[大阪府]
人気デザイン・ユニットのグルーヴィジョンズが、代表的な仕事約670点からなる大規模個展を開催中。会場には、2体のチャッピーと、作品収納用と思しき巨大な木箱、そして展示室を斜めに横切る低い台の上に一連の仕事がずらりと並べられていた。展示台の一部は会場を突き抜けており、ビルの外までも作品が並ぶ大胆なプレゼンテーションだ。しかも作品の配置が色別になっており、黒~青~白~オレンジ~赤~ピンク~紫の美しいグラデーションを描いている。こんなところにも彼らの美学と一貫性が貫かれており、改めてその実力を思い知った。
2013/03/15(金)(小吹隆文)