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建築に関するレビュー/プレビュー

四川大地震被災地

[中国・四川省]

四川大地震の被災地へ。北川のエリアは、震災、川の氾濫、土砂崩れが重なり、現地再建が断念されたため、廃墟化された街が丸ごと保存され、今は観光地になっている。近くの地震紀念館は、社会主義リアリズムの彫刻や絵画、あるいはヒロイックな音楽などを動員し、救助や復興の様子を紹介しつつ、復興を通じた国家の団結を提示していた。そのほか、街ごと移住したニュータウンの北川永昌や現地再建の少数民族の集落などもまわる。いずれも真新しく、テーマパークのように、伝統的なデザインを建築の外観に散りばめていた。

2013/12/11(水)(五十嵐太郎)

重慶市建築

[中国・重慶市]

飛行機で重慶へ。山に囲まれ、激しく凸凹の多い地形でほとんど平地がないところに高層マンション群が続く風景は、香港を想起させる。崖地ゆえに、建物の屋上が上部の道路から続くテラスになるなど、独特な建築が生まれ、メイド・イン・重慶のリサーチができそう。重慶大学のレクチャーでは、筆者の関わった21世紀の展覧会を軸に、日本の若手建築家の動向を紹介した。

2013/12/10(火)(五十嵐太郎)

隈研吾建築都市設計事務所《三里屯SOHO Sanlitun SOHO》ほか

[中国・北京市]

北京へ移動し、ルーバーをさまざまなパターンで使う隈研吾による三里屯SOHO、空中でダイナミックに各棟をつなぐスティーブン・ホールの《当代MOMA》の集合住宅、ザハ・ハディドによる《望郷SOHO》と《銀河SOHO》、ユニークな形態のMADによるビルなどを見学した。ザハはさすがのランドマーク力である。《銀河SOHO》の方、流動的な内部空間は想像以上によかった。清華大学にてレクチャーを行なった後、古い教会をリノベーションした場で、CBCの歓迎会。

写真:上から、ザハ・ハディド《銀河SOHO Galaxy SOHO》、隈研吾建築都市設計事務所《三里屯SOHO Sanlitun SOHO》、スティーブン・ホール《当代MOMA LINKED HYBRID》

2013/12/09(月)(五十嵐太郎)

天津図書館

[中国・天津市]

深い霧の中、北京から天津に移動した。文化地区のエリアに完成した劇場、山本理顕が設計した本当に巨大な図書館(グラフィックは廣村正彰が担当。空中に本棚のブリッジがあるのだが、ここは本物の書籍ではなかった)、夜になると光るイースタン建築設計事務所によるタワー・オブ・リングなどを見学する。その後、天津大学でレクチャーを行ない、同時代の批評家も紹介しつつ、戦後からバブル崩壊後の日本現代建築について語る。

2013/12/08(日)(五十嵐太郎)

野口英世記念館

[福島県]

野口英世記念館を訪れた。野口の生家をそのまま保存し、上に大屋根をかけて保存しているダイナミックな空間である。ただ、個人的に野口は貧しい農家というイメージをもっていたが、ちゃんと保存すれば、120年はもち、しかもそれなりに大きい家だった。

2013/12/06(金)(五十嵐太郎)