artscapeレビュー
美術に関するレビュー/プレビュー
ジャン・ミッシェル・アルベロラ展「大きいものと小さいもの──チャプター2」
会期:2009/10/10~2009/11/29
メゾンエルメス8階フォーラム[東京都]
東京とパリの地下鉄の切符やネオン作品もあるが、圧巻は壁画。この鮮やかな色づかいと軽快な線描はさすがフランス、とつくづく思う。
2009/11/06(金)(村田真)
三保谷硝子店──101年目の試作展

会期:2009/10/27~2009/11/08
アクシスギャラリー[東京都]
宮島達男、杉本博司、吉岡徳仁らとコラボしたガラス屋さんの展覧会。アーティストによって透明性、輝き、量塊感などガラスに対する着目点が異なるので、それぞれのニーズにガラス職人はこたえなければならないから大変だ。内部を鏡張りにした球形のなかにデジタルカウンターをちりばめた宮島の作品が美しい。
2009/11/06(金)(村田真)
ニュータウンピクニック

会期:2009/10/20~2009/11/07
大塚・歳勝土遺跡公園+横浜市歴史博物館+都筑民家園[神奈川県]
遺跡公園と民家園を舞台にした展覧会。公園には竪穴住居がいくつか復元されているが、画期的なのは住居内にも作品が展示されてること。遺跡目当てに訪れた人は、古代住居に現代美術が上書きされてるのを見て驚くんじゃないかしら。こんなことができるのも、近くの歴史博物館が主催に加わっているからこそ。もちろん竪穴住居がレプリカだからというのもあるが。でも残念ながら、作品の多くはせっかくのロケーションを生かしきれてない。むしろ竪穴住居の外にすぐれた作品が見られた。何十本もの傘をシェルター状に組んで現代の竪穴住居にした今井紀彰、人型の穴を掘って脇に一升瓶を置き(実際に本人が酒を飲んで寝たらしい)、弥生時代の酔っ払いの遺跡にした開発好明、公園の何カ所かに望遠鏡みたいな筒を設置してのぞき心をくすぐる大谷俊一、歴史博物館の屋上に博物館から引っぱり出してきた標本箱でインスタレーションした久村卓などだ。
2009/11/03(火)(村田真)
第10回SICFグランプリ:酒井翠「にっき」展
会期:2009/10/29~2009/11/03
スパイラルショウケース[東京都]
毎日1箱のクレヨンを使って絵日記を書くのだが、書かれた日記でなく、使い残したクレヨンのほうを見せている。だからどの色のクレヨンが短かくなってるかで、どの季節にどんな絵が描かれたかが少しは想像できるかもしれない。とはいえ、そんなクレヨンを何十箱も並べたところで変わりばえしないので、2~3カ月もするとクレヨン自体にいろいろ細工をするようになる。クレヨンの色の配置を変えたり、クレヨン本体に文字を書いたり、クレヨンを箱ごとコピーしたものを展示したり、といったように。このように作者本人も予測しなかったような見せ方の飛躍や変化のほうに、むしろ興味をそそられる。もちろんそれも含めて作者の計画だったのかもしれないが。ほかに、毎日1本のカセットテープに録音した作者の言葉を再生する「声日記」も。
2009/11/03(火)(村田真)
エマージング・ディレクターズ・アートフェア「ULTRA002」

会期:2009/10/29~2009/11/03
スパイラル[東京都]
画廊単位ではなく、まだ自分の店をもたない若手ディレクターが個人単位で出展するアートフェア。タイトルの「002」は2回目の意味だろう。3ケタだから最低100回、最高999回までやる気か。無料ゾーンを一巡して、ディレクターも出品作家も8割方知らないことに愕然とする。完全に置いてけぼり状態。有料のホールに入ろうと招待状を出したら、それはオープニングの招待状なので1,000円払わなければならないといわれ、とぼとぼ帰りました。
2009/11/03(火)(村田真)


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